コラム・特集
「毎日の煩わしい業務がグッとラクに!」3次元スマホ測量アプリで「埋戻し用土量」を計測!【曙建設(新潟)】が示したOPTiM Geo Scanのリアルな可能性
新潟県長岡市に事業所を構える曙建設は、創業大正5年という老舗の建設会社だ。創業以来、地域社会と密接な関係を築くことで培ってきた信頼と、国土交通省の優良工事表彰を複数回受賞する確かな技術力とで、国交省直轄の公共工事をメインに受注している。
公共工事ではICT施工がメインになってきており、ICTの活用には積極的に取組んでいるという同社。今回は、信濃川水系河川整備における徳田堤防浸透対策工事において、北陸地方では初めて※、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を活用しているという。(※2023年3月時点)
「OPTiM Geo Scan」とはiPhoneやiPad Proがあれば、測量の専門知識がなくても簡単かつ、高精度に測量ができる、株式会社オプティムから提供されている3次元測量アプリだ。
そこでデジコン編集部では、曙建設が施工を行っている魚野川の徳田堤防の工事現場を訪ね、同社 土木部 土木課長 高井正仁氏と土木部 前澤滋氏のおふたりに話を聞いた。
今回、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を導入するに至った経緯は、「NETIS登録の製品の中で、土工に使えるICTテクノロジーは何かないか?」と曙建設が長年付き合いのあるパートナー企業に相談したところ、「OPTiM Geo Scan」を紹介されたのがきっかけだったという。
「当社は公共工事がメインですから、国土交通省が定めた基準の製品(日本製)でなければ使用できません。海外製品などは、操作の手軽さや価格の手頃さという点で魅力ではありますが、私どもが請け負う仕事では使えないことがほとんど。ですので、何かよい製品はないでしょうか?と機器のレンタルを手掛ける企業さんに相談させていただきました」(高井氏)
今回、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を使用したのは、埋戻し用土量の残量管理においてだった。
埋戻し用土量の残量管理とは、衣土(土羽土)を盛る前にあった既存の土を、広い敷地、例えば河川敷などに移動して一時的に仮置き管理することだ。
「今回の工事では、土砂の搬入、掘削土砂の搬出があり、仮置きの必要がありました。どのくらいの土砂量かを管理するためには、従来であれば数量計算する必要があります」(高井氏)
「ただ従来方法ですと、どうしても計算上のざっくりとした数値にならざるを得ない側面があります。それが今回は、『OPTiM Geo Scan』で3次元点群データを取得し、そのデータをもとに体積計算ができる『スキャン・エックス』と連携することで、毎日スムーズに土量が管理ができるようになりました」(前澤氏)
とはいえ、初めて「OPTiM Geo Scan」を使用するにあたって、不安などはなかったのだろうか。
「正直にいえば、どの程度精度が担保されているのか、正確性の面で不安はありました」(高井氏)
「普段は私がメインでGeo Scanを活用しているのですが、私も使用前は、どの程度の精度なのか不安の方が大きかったですね。ですが、実際に使用し続けた結果、想像していた以上に正確なんだと実感しています。」(前澤氏)
操作も一度覚えてしまえばラクですし、UAVやレーザースキャナだと、測量するまでの準備や手間もかかって、心理的ハードルも高いんです。しかし、Geo Scanはスマホ(タブレット)とGSNNレシーバーさえ手に持って現場に行けばいい訳ですから、圧倒的にラクになりましたね」(前澤氏)
曙建設が、魚野川の徳田堤防の工事現場で活用したOPTiM Geo Scan。ただ、導入したのは工期後半からだったため、今回は、埋戻し用土量の残量管理でのみの利用にとどまったとのことだが、「OPTiM Geo Scan」の可能性はどのように感じられたのであろうか。
「土量計算で活用してみた実感としては、土砂の搬入・搬出の計画を立てるうえでは有効だと感じましたね」(前澤氏)
「スキャンの正確性からは、起工測量や出来形測量においても使えるのではないかとイメージします。また、無料の図化機能『OPTiM Geo Design』を使用すれば、測量データから平面図や縦断図、横断図の作図も可能ということだったので、機会があればぜひ活用してみたいです。3次元点群データから、任意の点と点を結ぶだけでカンタンに図を作成できるので、仮設の進入路などの計画にも役立ちそうです」(前澤氏)
事務所での取材後、現場で実際に「OPTiM Geo Scan」を使用してくださった前澤氏は、やろうと思えば毎日でも気軽に計測できるうえ、一人でできるというその操作性の高さから、経験値の低い若手であっても十分に活用できると語った。
また、土工で使えて業務の効率化が期待できるようなNETIS登録の製品は、ICT建機のような高価なものを除いてはあまりなく、「OPTiM Geo Scan」は導入がしやすくて、工事成績評定点の加点にもつなげられる可能性もあるのが魅力だと、「OPTiM Geo Scan」のメリットについて、こう続けてくれた。
2024年問題が迫り、土木・建設業界においても働き方改革が叫ばれる中で、「OPTiM Geo Scan」のような、スマホだけで簡単に業務を改善できるソリューションから、現場の本当の働き方改革が始まっている。
株式会社 曙建設
住所:新潟県長岡市干場2丁目17番9号
HP:https://www.akebono-kensetsu.co.jp/
公共工事ではICT施工がメインになってきており、ICTの活用には積極的に取組んでいるという同社。今回は、信濃川水系河川整備における徳田堤防浸透対策工事において、北陸地方では初めて※、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を活用しているという。(※2023年3月時点)
「OPTiM Geo Scan」とはiPhoneやiPad Proがあれば、測量の専門知識がなくても簡単かつ、高精度に測量ができる、株式会社オプティムから提供されている3次元測量アプリだ。
そこでデジコン編集部では、曙建設が施工を行っている魚野川の徳田堤防の工事現場を訪ね、同社 土木部 土木課長 高井正仁氏と土木部 前澤滋氏のおふたりに話を聞いた。
カンタンかつ高精度で、埋戻し用土量の残量管理を実現
今回、3次元スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を導入するに至った経緯は、「NETIS登録の製品の中で、土工に使えるICTテクノロジーは何かないか?」と曙建設が長年付き合いのあるパートナー企業に相談したところ、「OPTiM Geo Scan」を紹介されたのがきっかけだったという。
「当社は公共工事がメインですから、国土交通省が定めた基準の製品(日本製)でなければ使用できません。海外製品などは、操作の手軽さや価格の手頃さという点で魅力ではありますが、私どもが請け負う仕事では使えないことがほとんど。ですので、何かよい製品はないでしょうか?と機器のレンタルを手掛ける企業さんに相談させていただきました」(高井氏)
今回、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を使用したのは、埋戻し用土量の残量管理においてだった。
埋戻し用土量の残量管理とは、衣土(土羽土)を盛る前にあった既存の土を、広い敷地、例えば河川敷などに移動して一時的に仮置き管理することだ。
「今回の工事では、土砂の搬入、掘削土砂の搬出があり、仮置きの必要がありました。どのくらいの土砂量かを管理するためには、従来であれば数量計算する必要があります」(高井氏)
「ただ従来方法ですと、どうしても計算上のざっくりとした数値にならざるを得ない側面があります。それが今回は、『OPTiM Geo Scan』で3次元点群データを取得し、そのデータをもとに体積計算ができる『スキャン・エックス』と連携することで、毎日スムーズに土量が管理ができるようになりました」(前澤氏)
想像以上の正確さと、簡単な操作性に驚いた
とはいえ、初めて「OPTiM Geo Scan」を使用するにあたって、不安などはなかったのだろうか。
「正直にいえば、どの程度精度が担保されているのか、正確性の面で不安はありました」(高井氏)
「普段は私がメインでGeo Scanを活用しているのですが、私も使用前は、どの程度の精度なのか不安の方が大きかったですね。ですが、実際に使用し続けた結果、想像していた以上に正確なんだと実感しています。」(前澤氏)
操作も一度覚えてしまえばラクですし、UAVやレーザースキャナだと、測量するまでの準備や手間もかかって、心理的ハードルも高いんです。しかし、Geo Scanはスマホ(タブレット)とGSNNレシーバーさえ手に持って現場に行けばいい訳ですから、圧倒的にラクになりましたね」(前澤氏)
NETIS登録製品だから、ICT土工で武器になる
曙建設が、魚野川の徳田堤防の工事現場で活用したOPTiM Geo Scan。ただ、導入したのは工期後半からだったため、今回は、埋戻し用土量の残量管理でのみの利用にとどまったとのことだが、「OPTiM Geo Scan」の可能性はどのように感じられたのであろうか。
「土量計算で活用してみた実感としては、土砂の搬入・搬出の計画を立てるうえでは有効だと感じましたね」(前澤氏)
「スキャンの正確性からは、起工測量や出来形測量においても使えるのではないかとイメージします。また、無料の図化機能『OPTiM Geo Design』を使用すれば、測量データから平面図や縦断図、横断図の作図も可能ということだったので、機会があればぜひ活用してみたいです。3次元点群データから、任意の点と点を結ぶだけでカンタンに図を作成できるので、仮設の進入路などの計画にも役立ちそうです」(前澤氏)
事務所での取材後、現場で実際に「OPTiM Geo Scan」を使用してくださった前澤氏は、やろうと思えば毎日でも気軽に計測できるうえ、一人でできるというその操作性の高さから、経験値の低い若手であっても十分に活用できると語った。
また、土工で使えて業務の効率化が期待できるようなNETIS登録の製品は、ICT建機のような高価なものを除いてはあまりなく、「OPTiM Geo Scan」は導入がしやすくて、工事成績評定点の加点にもつなげられる可能性もあるのが魅力だと、「OPTiM Geo Scan」のメリットについて、こう続けてくれた。
2024年問題が迫り、土木・建設業界においても働き方改革が叫ばれる中で、「OPTiM Geo Scan」のような、スマホだけで簡単に業務を改善できるソリューションから、現場の本当の働き方改革が始まっている。
株式会社 曙建設
住所:新潟県長岡市干場2丁目17番9号
HP:https://www.akebono-kensetsu.co.jp/
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