導入事例
大川内建設(佐賀)では、GNSS測量アプリ「OPTiM Geo Point」がICT施工未経験者の活躍をサポート。「業務に楽しさが見つかり、主体的に動けるように」
佐賀県嬉野市に事業所を構える「大川内建設株式会社」は、昭和31年に塩田石工の流れを組む石屋として事業を開始して以来、有明海岸の干拓工事や橋梁補修外工事、耐震補強工事、農業用水路工事などのインフラ事業に従事し、この地域の安心・安全を守ってきた。
大手ゼネコンが主導する大規模現場で、多様なノウハウを獲得してきた同社では、近年スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を導入。ICT利用を進めるとともに、若手社員の指導・教育に役立てているという。
今回は、同社が現在施工を行っている鹿島川の土砂撤去工事現場を訪ね、現場の測量を担当する工務部 川﨑 貴晃氏にお話をお聞きした。
河川の縦横断測量&図面作成を、若手社員が一人で担当
OPTiM Geo Scanは、iPhone(iPad proも可)とGNSSレシーバーさえあれば、誰でも簡単に3次元測量ができるプロダクトだ。しかし、設計や施工で3次元データを使いこなせるほど、ICT活用が進んでいる中小建設事業者は、現状ではそこまで多くはないだろう。
大川内建設では、データ活用ではなく若手社員の活躍に焦点を絞り、OPTiM Geo Scanを活用しているのだそうだ。
「高校卒業後に入社して、今年で4年目になります。まだ一人で測量作業を担当した経験もなく、今回の現場はすべてが初めてでしたが、OPTiM Geo Scanのおかげで、自信をもって作業を進められました。簡単に高精度な位置情報を取得できるので、非常に頼もしかったです」(川崎氏)
こちらの現場では、縦横断測量にOPTiM Geo Pointを使用しているという。
OPTiM Geo Pointとは、「OPTiM Geo Scan」の機能の一つ。現場の全域を面で計測するOPTiM Geo Scanにたいし、任意のポイントを「点」で計測していくので、工区全域の計測が不要な場合や、特定のエリアの水面の高さをピンポイントに計測したいときなどに便利だ。
TSと測量用ポールを用いて縦横断測量を行い、個所ごとに縦横断図を書き起こす従来の方法では、測量前の除草・ゴミの撤去や杭打ちなどの事前準備、測量、そして作図までにかなりの工数を要する上に、常に2〜3名体制で作業を行う必要があり、技術者の負担になっていたのだそうだ。
「計測地点まで歩き、ポールを立てて登録、という単純な作業を繰り返すうちに、すぐに水面の高さが計測できました。必要な地点を歩いて周るだけですから、現場に入ったその日のうちに、一人でサクサクと作業を進められました」(川崎氏)
ICT活用と聞くと、3次元データを活用するイメージを抱くかもしれないが、従来どおり、2次元図面の作成にも使うことができる。
各所にポールを立て、右岸・左岸・掘削高・地盤高……と、作図に必要な座標を計測したデータをCADソフトに読み込み、点と点を結ぶだけで縦横断図が完成する。扱うデータは高精度なものだが、作業自体は非常にシンプルなので、専門知識や現場経験のない若手社員にも任せられるだろう。
日常の業務と新人教育の両立に悩む中小事業者は、多いのではないだろうか。同社のようにICT技術を導入すれば、熟練技術者が担当業務に集中する環境と、新人技術者が実績を積む環境、どちらも両立させつつ、さらに生産性の向上にも期待ができそうだ。
「作業の簡易化だけでなく、裁量が大きい点が魅力的です。現況データとして残すために、この地点も計測しておこうかな?など、自分で考えながら業務に取組めるので、楽しいですね」(川崎氏)
必ずしも3次元データを使いこなす環境が整っていなくても、OPTiM GeoScanは現場の生産性向上に大きく貢献しているようだ。さらに同社では、操作の簡易性が若手が能動的に業務に取り組む余地を生み出していた。
若手技術者の成長の機会が増えることは、自社にとって大きな財産となるだろう。
大手ゼネコンが主導する大規模現場で、多様なノウハウを獲得してきた同社では、近年スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を導入。ICT利用を進めるとともに、若手社員の指導・教育に役立てているという。
今回は、同社が現在施工を行っている鹿島川の土砂撤去工事現場を訪ね、現場の測量を担当する工務部 川﨑 貴晃氏にお話をお聞きした。
河川の縦横断測量&図面作成を、若手社員が一人で担当
OPTiM Geo Scanは、iPhone(iPad proも可)とGNSSレシーバーさえあれば、誰でも簡単に3次元測量ができるプロダクトだ。しかし、設計や施工で3次元データを使いこなせるほど、ICT活用が進んでいる中小建設事業者は、現状ではそこまで多くはないだろう。大川内建設では、データ活用ではなく若手社員の活躍に焦点を絞り、OPTiM Geo Scanを活用しているのだそうだ。
事前準備不要!たった一人でも、縦横断測量ができる!
「高校卒業後に入社して、今年で4年目になります。まだ一人で測量作業を担当した経験もなく、今回の現場はすべてが初めてでしたが、OPTiM Geo Scanのおかげで、自信をもって作業を進められました。簡単に高精度な位置情報を取得できるので、非常に頼もしかったです」(川崎氏)
こちらの現場では、縦横断測量にOPTiM Geo Pointを使用しているという。
OPTiM Geo Pointとは、「OPTiM Geo Scan」の機能の一つ。現場の全域を面で計測するOPTiM Geo Scanにたいし、任意のポイントを「点」で計測していくので、工区全域の計測が不要な場合や、特定のエリアの水面の高さをピンポイントに計測したいときなどに便利だ。
TSと測量用ポールを用いて縦横断測量を行い、個所ごとに縦横断図を書き起こす従来の方法では、測量前の除草・ゴミの撤去や杭打ちなどの事前準備、測量、そして作図までにかなりの工数を要する上に、常に2〜3名体制で作業を行う必要があり、技術者の負担になっていたのだそうだ。
「計測地点まで歩き、ポールを立てて登録、という単純な作業を繰り返すうちに、すぐに水面の高さが計測できました。必要な地点を歩いて周るだけですから、現場に入ったその日のうちに、一人でサクサクと作業を進められました」(川崎氏)
計測した座標点を結ぶだけで、すぐに縦横断図面が完成
ICT活用と聞くと、3次元データを活用するイメージを抱くかもしれないが、従来どおり、2次元図面の作成にも使うことができる。
各所にポールを立て、右岸・左岸・掘削高・地盤高……と、作図に必要な座標を計測したデータをCADソフトに読み込み、点と点を結ぶだけで縦横断図が完成する。扱うデータは高精度なものだが、作業自体は非常にシンプルなので、専門知識や現場経験のない若手社員にも任せられるだろう。
現場を歩き回るうちに好奇心が芽生え、主体的に作業に取組めるように
日常の業務と新人教育の両立に悩む中小事業者は、多いのではないだろうか。同社のようにICT技術を導入すれば、熟練技術者が担当業務に集中する環境と、新人技術者が実績を積む環境、どちらも両立させつつ、さらに生産性の向上にも期待ができそうだ。
「作業の簡易化だけでなく、裁量が大きい点が魅力的です。現況データとして残すために、この地点も計測しておこうかな?など、自分で考えながら業務に取組めるので、楽しいですね」(川崎氏)
必ずしも3次元データを使いこなす環境が整っていなくても、OPTiM GeoScanは現場の生産性向上に大きく貢献しているようだ。さらに同社では、操作の簡易性が若手が能動的に業務に取り組む余地を生み出していた。
若手技術者の成長の機会が増えることは、自社にとって大きな財産となるだろう。
WRITTEN by
高橋 奈那
神奈川県生まれのコピーライター。コピーライター事務所アシスタント、広告制作会社を経て、2020年より独立。企画・構成からコピーライティング・取材執筆など、ライティング業務全般を手がける。学校法人や企業の発行する広報誌やオウンドメディアといった、広告主のメッセージをじっくり伝える媒体を得意とする。
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