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デジコン編集部 2026.7.6
大人気シリーズ!【いまさら聞けない?】測量のことイチから解説 〜 連載記事一覧 〜

杭ナビ対応アプリ3種を比較! 〜 TopLayout / 快測ナビ / FIELD-TERRACE、あなたの現場に合うのはどれか? 〜

CONTENTS
  1. はじめに 〜 杭ナビの実力は「アプリ」で決まる 〜
  2. TopLayout:無料で使えるトプコン純正アプリ
    1. 価格:無料
    2. 機能:杭打ちと放射観測に特化
    3. 対応OS:iOSとAndroidの両方
  3. 快測ナビ:3D施工データを活用する土木の定番アプリ
    1. 価格:有料の年間ライセンス制(Std/Adv/Adv Plusの3エディション)
    2. 機能:「どこでもナビ」と「どこでも丁張」が代名詞
    3. 対応機器:杭ナビ以外のTS・GNSSにも幅広く対応
  4. FIELD-TERRACE:EX-TREND武蔵と連携するAR搭載アプリ
    1. 価格:有料の年間ライセンス制(Standard/Professional/Professional Plus/MGの4プラン)
    2. 機能:測設・丁張・出来形に加え「AR」が個性
    3. 対応機器とデータ連携
  5. アプリ比較のおさらい
    1. 基本情報の比較
    2. 機能面の比較
    3. 選び方の方向性
    4. あわせて確認したい2つの補足点
  6. 高精度スマホ測量「OPTiM Geo Scan」という、もう一つの選択肢

はじめに 〜 杭ナビの実力は「アプリ」で決まる 〜


トプコンの杭ナビは、1人で杭打ちができるワンマン測量の代表的なツールだ。

しかし、杭ナビ本体はあくまで「自動追尾で測る機械」であり、何をどう測り、どう誘導し、どんなデータとして扱うかは、すべてコントローラー(スマートフォンやタブレット)に入れるアプリが担っている。

つまり、同じ杭ナビでも、組み合わせるアプリによって「できること」は大きく変わる。

杭ナビ対応アプリの代表格は次の3つ。

  • トプコン純正の無料アプリ:TopLayout
  • 建設システム(KENTEM):快測ナビ
  • 福井コンピュータ:FIELD-TERRACE

本記事では、この3アプリの特徴や機能などを公式情報に基づいて整理し、現場に合った選び方を解説していく。

TopLayout:無料で使えるトプコン純正アプリ


TopLayoutは、杭ナビの開発元であるトプコンが提供する純正アプリだ。

価格:無料


App Store・Google Playで無料で提供されており、ライセンス費用はかからない。杭ナビを導入すれば、追加コストゼロで使い始められるのが最大の魅力だ。

機能:杭打ちと放射観測に特化


TopLayoutは3次元の座標データ(設計座標)の杭打ちと、放射観測による3次元の点データの測定を行うアプリであり、機能を杭打ち作業や放射観測に限定することで、操作の簡略化を実現している。


座標データはCSVまたはSIMA形式で取り込むことができる。

毎秒20回(20Hz)の高速データ更新に対応し、プリズム追尾のレスポンスも良好だ。

後方交会をはじめとする複数種類での器械設置、杭打ち精度制限による品質管理など、杭打ちに必要な基本機能はひととおり揃っている。

対応OS:iOSとAndroidの両方


TopLayoutはiOS(iOS 16以上)とAndroid(OS 9以上推奨)の両方に対応している。

3アプリの中でiPhoneで使えるのはTopLayoutのみであり、これは意外と見逃せない違いだ(快測ナビとFIELD-TERRACEはAndroidアプリとして提供されている)。

《 向いている現場 》

決まった座標の点をピンポイントで出す作業、たとえば基礎の芯出しや境界杭の復元、小規模な位置出しが中心であれば、TopLayoutで十分に完結する。

一方で、CAD図面を背景に表示したり、3D施工データを使って「設計面まであと何センチ」を確認したりする機能はないため、土木の面的な施工管理には物足りなさが出てくる。

また、TopLayoutは公式の説明にあるとおり、あくまで杭ナビ(レイアウトナビゲーターLNシリーズ)を操作するための専用アプリである。

他メーカーのトータルステーション(TS)やGNSS測量機と接続して使うことは想定されていない点は、押さえておきたい。


快測ナビ:3D施工データを活用する土木の定番アプリ


快測ナビは、デキスパートなどの土木施工管理ソフトで知られる建設システム(KENTEM)が開発した、ICT施工現場端末アプリだ。

価格:有料の年間ライセンス制(Std/Adv/Adv Plusの3エディション)


快測ナビには、基本機能を搭載したStd(スタンダード版)、上位のAdv(アドバンス版)、さらにマシンガイダンス機能を搭載したAdv Plus(アドバンスプラス版)の3エディションがある。

価格は1ライセンス・年間契約制で、快測ナビWEBサイトでは以下の価格帯で案内されている。

(画像元:快測ナビWEBサイトより引用)


機能:「どこでもナビ」と「どこでも丁張」が代名詞


快測ナビの真骨頂は、3D施工データの活用にある。代表機能の「どこでもナビ」は、現在位置の横断形状をリアルタイムに生成・表示し、計画データとの標高差を常に表示する機能だ。
(画像元:快測ナビWEBサイトより引用)

現場のどこに立っても「設計面まであとどれだけか」が分かるため、施工ナビゲーションとして活用できる。

また「どこでも丁張」(Adv版)は、事前の丁張計算を一切不要にし、リアルタイムに確認しながら丁張を設置できる特許取得機能である。

(画像元:快測ナビWEBサイトより引用)

このほか、CAD図面を背景に表示するCAD View、図面上の点をタップして測設するCAD測設、路線データからセンター杭・幅杭を計算して測設する機能、TS出来形計測・検査(Adv版)、i-Constructionの面管理に対応するSurface出来形(Adv版)など、土木施工の一連の計測業務をカバーする。

騒音下でも設計差を伝えられる音声読み上げ機能など、現場目線の作り込みも特徴だ。

契約プランによって対応機能が変わってくるので、詳細は快測ナビWEBサイトで確認していただきたい。


対応機器:杭ナビ以外のTS・GNSSにも幅広く対応


快測ナビは杭ナビ(LN-150/LN-100)とのコンビが看板で、公式のバージョンアップ情報によれば、2025年3月には最新機種LN-160との通信にも対応した。

さらに、トプコン・ソキアのTSやGNSS測量機、Leica製TS(別途ライセンス要)、Nikon-Trimble製の一部機種にも対応する。

GNSS測量機との接続では、RTKやネットワーク型RTKの観測方式にも対応している。

《 向いている現場 》

3D施工データを活用する土木工事、特にi-Construction対応工事や、丁張・出来形管理までアプリで完結させたい現場に向いている。

デキスパートをはじめとするKENTEM製品を社内で使っている場合、データ連携の面でも親和性が高い。


FIELD-TERRACE:EX-TREND武蔵と連携するAR搭載アプリ


FIELD-TERRACEは、土木施工管理CAD「EX-TREND武蔵」で知られる福井コンピュータが開発した現場計測アプリだ。

(画像元:FIELD-TERRACE WEBサイトより引用)

価格:有料の年間ライセンス制(Standard/Professional/Professional Plus/MGの4プラン)


FIELD-TERRACEには、Standard、Professional、AR機能を利用できる上位のProfessional Plus、そして簡易3Dマシンガイダンスシステム「Holfee3D」との連携に対応したMGの、4つの料金プランがある(2026年時点)。

公式サイトの価格表(執筆時点)によれば、1ライセンスあたりの年間価格(税抜)は、Standardが42,000円、Professionalが84,000円、Professional Plusが126,000円、MG(Holfee3D)が108,000円だ。

契約は1年単位(最大5年)で、契約中はナビダイヤルでの電話サポート(年間12回)が付帯する。

下位プランから上位プランへのアップグレードは差額で可能だが、ダウングレードはできない。インストール後は試用版(機能制限版)として動作確認ができる。

機能:測設・丁張・出来形に加え「AR」が個性


FIELD-TERRACEは、座標・CAD図面・路線データを使った測設、横断放射観測やレベル観測、丁張設置、TS出来形、構造物モデル計測、TIN(不整三角網)を活用した計測など、土木現場の計測業務を幅広くカバーする。

中でも個性的なのがAR機能だ。2D図面や3Dモデルを現場の映像に重ね合わせる図面AR・路線AR・構造物ARにより、施工前に仕上がりイメージを確認したり、発注者との合意形成に活用したりできる。
(画像元:FIELD-TERRACE WEBサイトより引用)

杭打ちや丁張設置の誘導時にもARを利用でき、端末の向きを気にせず映像を通して移動方向を確認できるAR誘導機能を備えている。
(画像元:FIELD-TERRACE WEBサイトより引用)

なお、公式の価格表によれば、AR誘導・AR投影の機能は上位プランのProfessional Plusで利用できるもので、AR投影にはAR Core搭載の端末が必要となる。

また、FIELD-TERRACEは国交省の「NETIS」に登録されており(登録番号:KK-200057-VE)、公共工事での活用提案が工事成績評定の加点対象となり得る点も見逃せない。

対応機器とデータ連携


杭ナビ以外には、トプコン・ソキアブランドのTS・GNSS、Nikon-Trimbleの一部機種とも連携できる。

データ形式は、SIMA・CSV・DWG・DXF・基本設計データXML・LandXMLといった汎用形式に加え、福井コンピュータ独自形式(XFD等)に対応する。

EX-TREND武蔵とのデータ連携により、現場の観測データから図面化・帳票化までをスムーズにつなげられるのが強みだ。

クラウドサービス「CIMPHONY Plus」との連携による遠隔検査(遠隔臨場支援)にも対応している。

《 向いている現場 》

EX-TREND武蔵を社内で使っている企業であれば、データ連携の観点でFIELD-TERRACEが第一候補になるだろう。

ARによる可視化や遠隔臨場など、計測にとどまらない現場コミュニケーションの効率化を重視する現場にも向いている。


アプリ比較のおさらい


ここまでの内容を整理しよう。

基本情報の比較


  • TopLayout:
    開発元がトプコン(測量機メーカー純正)、価格は無料、対応OSはiOS/Androidの両方
  • 快測ナビ:
    開発元が建設システム(KENTEM)、価格は有料の年間ライセンス制(Std/Adv/Adv Plus)、Androidアプリとして提供。
  • FIELD-TERRACE:
    開発元が福井コンピュータ、価格は有料の年間ライセンス制(Standard/Professional/Professional Plus/MG)、Androidアプリとして提供され、NETIS登録済み。

機能面の比較


座標の杭打ち・放射観測は3アプリとも対応。

CAD図面の背景表示・CAD測設は、快測ナビとFIELD-TERRACEが対応し、TopLayoutは非対応。

3D施工データを使ったリアルタイムのナビゲーション(どこでもナビ等)や丁張支援、TS出来形は、快測ナビとFIELD-TERRACEの有料版が対応。

AR機能はFIELD-TERRACEならではの個性だ。

選び方の方向性


選び方の軸はシンプルに整理できる。

1つ目の軸は「作業の範囲」だ。決まった座標の点出しだけなら、無料のTopLayoutで十分である。

CAD図面や3D施工データを使った面的な施工管理・丁張・出来形まで求めるなら、快測ナビかFIELD-TERRACEの有料アプリが必要になる。

2つ目の軸は「社内のオフィスソフトとの連携」だ。

デキスパートなどKENTEM製品の利用が多い会社なら快測ナビ、EX-TREND武蔵を使っている会社ならFIELD-TERRACEと、事務所側のソフトに合わせて選ぶことで、現場と事務所のデータの流れが滑らかになる。

あわせて確認したい2つの補足点


軸となる2点に加えて、確認しておきたい視点が2つある。

1つは「保有機材の広がり」だ。

TopLayoutは杭ナビ(LNシリーズ)専用アプリであるのに対し、快測ナビとFIELD-TERRACEは、トプコン・ソキア製にとどまらず、Leica製やNikon-Trimble製の測量機・GNSS機器とも連携できる(対応機種や接続条件は各公式サイトで要確認)。

杭ナビ以外の測量機も保有している会社であれば、有料アプリを1本導入することで、複数メーカーの機材を同じ操作感で一元運用できるというメリットがある。

もう1つは「現場端末との相性」だ。

快測ナビとFIELD-TERRACEはAndroidアプリとして提供されているが、これは現場実務では弱点になりにくい。

土木現場では、パナソニック「TOUGHBOOK」や京セラ「DuraForce」に代表される、防塵・防水・耐衝撃性に優れたタフネス端末を現場端末として使う運用が広く見られ、こうした堅牢端末の多くはAndroidだからだ。

実際、FIELD-TERRACEの動作推奨端末はパナソニックFZ-N1系と京セラDuraForce系の堅牢端末に限定されている。

(画像元:KYOCERA WEBサイトより引用)

アプリ単体の機能比較だけでなく、「観測した後のデータを誰がどう使うか」「どの機材・端末で運用するか」まで含めて選定することがアプリ選びのポイントになる。

高精度スマホ測量「OPTiM Geo Scan」という、もう一つの選択肢


ここまで見てきたとおり、杭ナビの運用には、無料か有料かのアプリ選定、年間ライセンス費、オフィスソフトとの連携、そしてAndroidのタフネス端末の用意といった検討事項がセットでついてくる。

こうした「測量機+アプリ+端末」の組み合わせという前提そのものを不要にしたのが、オプティム社の高精度スマホ測量「OPTiM Geo Scan」だ。


日常で使うiPhone ProとRTK-GNSS受信機だけで測量が完結し、杭打ち・墨出しなどの位置出しにも対応する。

さらに2026年3月には、独自の測量データ処理技術により、水平・鉛直方向ともにミリ級精度(単点計測時)を実現している。


これにより、杭打ち/位置出し/墨出しが、ミリ精度で行えるようになったのだ。しかもスマホで。

杭ナビ専用のアプリの比較検討に悩む前に、まったく別のアプローチを一度見ておく価値はあるはずだ。

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WRITTEN by

デジコン編集部

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