コラム・特集
平田 佳子 2024.3.21

TS(トータルステーション)で注意すべき〈誤差〉とは?【測量のことイチから解説!】

土木・建設業界において多くの現場で利用されているデジタル測量機器TS(トータルステーション)」。

距離や角度を同時に測ることができる便利な製品だが、精度の高い測量を行うためには、TSを利用する際に生じる誤差について押さえておきたい。

距離測定での誤差とは?


距離測定で、毎回決まった値で生じる誤差がある。

まず押さえておきたいのが、TS自体の測定値と実寸値の誤差だ。

TSの中心と光源の位置がずれて生じる器械の誤差で、測量距離には比例しない。この誤差は「器械定数」という。

また、反射鏡の中心と光が反射する位置のズレによって生じる誤差も測量距離には比例せず、この誤差は「反射鏡定数(プリズム定数)」という。

これらの誤差分を、測量の精度を上げるために補正することが必要だ。具体的には、測定した距離に機械定数と反射鏡定数を足して調整した数値が観測値となる。


角測定での誤差とは?


TSで水平角を測定する場合にも、器械の誤差が生じる。

TSの3軸と言われる、視準軸・水平軸・鉛直軸これらの軸が直交・水平していないために生じる誤差を「3軸誤差」という。

(画像元:https://gitenblog.com/sokuryo-takaku6/)


視準軸誤差


視準軸が水平軸と直交せずに生じる誤差。正反観測(通常の観測に加え、望遠鏡を180度回転し反位の測定値を出して平均化する)で誤差をなくす必要がある。

水平軸誤差


水平軸が鉛直軸と直交せずに生じる誤差。視準軸誤差と同様、正反観測で誤差をなくす必要がある。

鉛直軸誤差


鉛直軸が鉛直でなく、傾いていることで生じる誤差。誤差は正反観測で消去できないが、補正値を算出して誤差を小さくすることは可能。

このように、TSで生じる器械の誤差の原因を把握し、そのつど注意・補正していく必要がある。

その他にも、TSによる測量では、気温・気圧・湿度や、電源・電圧の変化等の変調周波数などでも誤差が生じる。

自動的に誤差を補正してくれる機能付のTSもあるので、製品の最新情報をチェックしてみると良いだろう。

ひとり測量ができるのに高精度!スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Point」がアツい!!


TSのように多様な誤差の補正をする手間がなく、誰でも一人で高精度な測量ができるアプリがある。

人工衛星を用いたGNSS測量を用いて、スマホで簡単に3D測量ができる「OPTiM GIO SCAN」だ。

手軽に使える上、国土交通省の出来高管理要領にも準拠しているため、精度の高さは国のお墨付きである。


OPTiM Geo ScanではGNSS測量・杭打ちができる機能「OPTiM Geo Point」が無料で使え、スマホのアプリ上でワンタップすればほぼリアルタイムでGNSS測量が完了。専門的な機器を使わずに杭打ちができる。

初心者でも簡単にゲーム感覚で測量ができ、現場での境界の位置出しや現地調査の座標取得などをたったの一人で行うことが可能だ。


どんな天候や時間でも測量できるというメリットも大きい。汎用性の高いCSV形式で測量データを出力でき、既存のCADソフトに読み込めば、平面図の作成や横断図の作成なども行える便利な機能も。

TSとOPTiM Geo Pointで測量した際の工数を比較した実証データも興味深い。OPTiM Geo Pointでは平面測量や縦断測量で97%の工数を削減(※1)。

現場で約50箇所の杭打ちを行った場合、TSでは2~3名体制で一日かかるが、OPTiM Geo Pointでは一人で数時間〜半日で対応でき、杭打ち時間の90%削減(※2)したという。(※1 ※2オプティム調べ)

国交省も認める高精度な“ひとり測量”アプリ。興味がある方は、まずはウェブセミナーや集団体験会に参加してみると良いだろう。





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WRITTEN by

平田 佳子

ライター歴15年。幅広い業界の広告・Webのライティングのほか、建設会社の人材採用関連の取材・ライティングも多く手がける。祖父が土木・建設の仕事をしていたため、小さな頃から憧れあり。

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