
建設現場において、丁張りは正確な位置や高さを示すための重要な目印である。
特にU字溝のような排水施設の設置では、わずかな誤差が水の流れに大きな影響を与えるため、精度の高い丁張り作業が求められる。
本記事では、U字溝を設置するために必要な門型丁張りの掛け方を、ステップバイステップで解説する。初心者でも理解しやすいよう、各工程の重要ポイントを押さえながら説明していくので、現場作業の参考にしていただきたい。
U字溝とは、断面がU字型をした排水用の構造物で、道路や建設現場などで雨水を排水するために設置される。
U字溝を正確に設置するためには、その内面の位置と天端(上部)の高さを適切に定める必要がある。
門型丁張りは、水平な横木(ヌキ)と2本の支柱(杭)で構成される「門」の形をした丁張りであり、U字溝の位置と高さを同時に示すことができるため、施工精度の向上に役立つ。
U字溝の丁張り作業には、以下の道具が必要となる。
まず、U字溝を設置する位置を正確に決定する必要がある。

U字溝は内面の位置が重要となるため、内面の位置で測量を行う。測量によって位置が確定したら、その場所に鋲を打つ。これがU字溝内面の基準点となる。
鋲を打った位置を中心に、両サイドに杭を打つ。杭を打つ際は、U字溝を設置する際に邪魔にならないよう、適切な間隔を空けることが重要である。大ハンマーを使用して、しっかりと地面に固定する。

次に、一方の杭に釘を打つ。この釘が高さの基準となる。

測量機器を使用して、釘の現在の高さを測定する。今回の例では釘の高さが「101.00」であることが分かった。

設置予定のU字溝の天端標高は「100.0」なので、釘から100mm下げた位置に新たに釘を打つ必要がある。
この調整により釘の標高が正確に「100.0」となる。なお、この釘は完全に打ち込まず、頭を少し出しておく。
釘が打たれたら、その上に横木(ヌキ)を置く。
先ほど釘を最後まで打ち込まなかったことで、ヌキを釘の上に乗せることができる。
そしてヌキの上に水平器を置き、完全に水平になるように調整する。水平が確保できたら、もう一方の杭にも釘を打ってヌキを固定する。
これにより、ヌキの標高がU字溝の天端高さである「100.0」に設定される。
次に、最初に鋲で示したU字溝内面の位置を、ヌキ上に移す必要がある。水平器を垂直に使用して、地面の鋲の位置からヌキ上の対応する位置を特定する。

このとき、水平器が完全に垂直になっていることを確認することが重要である。
位置が特定できたら、その場所のヌキに釘を打つ。これにより、U字溝の内面位置と天端高さの両方が丁張りによって示されることになる。
丁張り作業の最後に、下図に示されているように丁張りに説明書きを加える。
説明書きには以下の情報を含める。

この説明書きがないと、後の施工段階で混乱や誤りが生じる可能性があるため、必ず明記する。
丁張り作業完了後、以下の点を再確認する。
これらの確認を怠らないことで、施工時の誤りを防ぐことができる。
今回は門型丁張りの掛け方について紹介した。U字溝の門型丁張りは、正確な位置と高さを現場で示すための重要な作業である。本記事で解説した手順を踏まえることで、以下の利点が得られる。
特に重要なのは、U字溝内面の位置を正確に出すこと、ヌキを完全に水平にすること、そして丁張りに適切な説明書きを加えることである。
これらのポイントを押さえることで、品質の高いU字溝設置工事が実現できるだろう。
しかし、丁張り作業は精度が求められるため、決して楽な作業とは言えないのが正直なところ……。なぜなら丁張りで示した位置基準が構造物の精度に直結するからだ。
特に正しく掛けられているかを確認する場面は、熟練の技術者でも神経を使う。また、その際、高額で重量のある測量機器を持ち歩き、複数人の人手を要して行う必要があるという、人的負担もある。

そんな手間のかかる丁張り作業だが、ワンマン測量アプリ「OPTiM Geo Scan」であれば、普段から使い慣れたiPhoneやiPadを使って、誰でも簡単に、丁張りに必要な測量が一人で行えてしまう。
iPhone pro/iPad proに搭載されているLiDARという計測機能と衛星測位システムのGNSSレシーバーを組み合わせるため、高精度の計測が可能なのだ。

ぜひ、以下の動画をチェックしてその利便性の高さを確認していただきたい。
特にU字溝のような排水施設の設置では、わずかな誤差が水の流れに大きな影響を与えるため、精度の高い丁張り作業が求められる。
本記事では、U字溝を設置するために必要な門型丁張りの掛け方を、ステップバイステップで解説する。初心者でも理解しやすいよう、各工程の重要ポイントを押さえながら説明していくので、現場作業の参考にしていただきたい。
U字溝丁張りの基本
U字溝とは、断面がU字型をした排水用の構造物で、道路や建設現場などで雨水を排水するために設置される。
U字溝を正確に設置するためには、その内面の位置と天端(上部)の高さを適切に定める必要がある。
門型丁張りは、水平な横木(ヌキ)と2本の支柱(杭)で構成される「門」の形をした丁張りであり、U字溝の位置と高さを同時に示すことができるため、施工精度の向上に役立つ。
2. 必要な道具
U字溝の丁張り作業には、以下の道具が必要となる。
- 測量機器(レベル、トランシットなど)
- 鋲(内面位置を示すため)
- 杭
- 大ハンマー(杭を打つため)
- 釘
- 金づち
- 水平器
- ヌキ(横木)
- マーキングペン(説明書きのため)
3. U字溝丁張りの手順
3.1 U字溝内面の位置出し
まず、U字溝を設置する位置を正確に決定する必要がある。

U字溝は内面の位置が重要となるため、内面の位置で測量を行う。測量によって位置が確定したら、その場所に鋲を打つ。これがU字溝内面の基準点となる。
3.2 支柱の設置
鋲を打った位置を中心に、両サイドに杭を打つ。杭を打つ際は、U字溝を設置する際に邪魔にならないよう、適切な間隔を空けることが重要である。大ハンマーを使用して、しっかりと地面に固定する。

3.3 高さの設定
次に、一方の杭に釘を打つ。この釘が高さの基準となる。

測量機器を使用して、釘の現在の高さを測定する。今回の例では釘の高さが「101.00」であることが分かった。

設置予定のU字溝の天端標高は「100.0」なので、釘から100mm下げた位置に新たに釘を打つ必要がある。
この調整により釘の標高が正確に「100.0」となる。なお、この釘は完全に打ち込まず、頭を少し出しておく。
3.4 横木(ヌキ)の取り付け
釘が打たれたら、その上に横木(ヌキ)を置く。
先ほど釘を最後まで打ち込まなかったことで、ヌキを釘の上に乗せることができる。


3.5 U字溝内面位置の移設
次に、最初に鋲で示したU字溝内面の位置を、ヌキ上に移す必要がある。水平器を垂直に使用して、地面の鋲の位置からヌキ上の対応する位置を特定する。

このとき、水平器が完全に垂直になっていることを確認することが重要である。
位置が特定できたら、その場所のヌキに釘を打つ。これにより、U字溝の内面位置と天端高さの両方が丁張りによって示されることになる。
3.6 説明書きの追加
丁張り作業の最後に、下図に示されているように丁張りに説明書きを加える。
説明書きには以下の情報を含める。
- 釘の位置が示すU字溝のどの部分か(例:内面)
- ヌキの高さが示すU字溝のどの部分か(例:「U天」= U字溝天端)

この説明書きがないと、後の施工段階で混乱や誤りが生じる可能性があるため、必ず明記する。
4. 確認ポイント
丁張り作業完了後、以下の点を再確認する。
- ヌキが完全に水平になっているか
- ヌキの高さがU字溝天端の計画高さ(この例では80.0)に合っているか
- ヌキ上の釘がU字溝内面の正確な位置を示しているか
- 説明書きが明確に記載されているか
これらの確認を怠らないことで、施工時の誤りを防ぐことができる。
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今回は門型丁張りの掛け方について紹介した。U字溝の門型丁張りは、正確な位置と高さを現場で示すための重要な作業である。本記事で解説した手順を踏まえることで、以下の利点が得られる。
- U字溝の内面位置と天端高さを同時に示すことができる
- 施工精度が向上する
- 作業効率が上がる
特に重要なのは、U字溝内面の位置を正確に出すこと、ヌキを完全に水平にすること、そして丁張りに適切な説明書きを加えることである。
これらのポイントを押さえることで、品質の高いU字溝設置工事が実現できるだろう。
しかし、丁張り作業は精度が求められるため、決して楽な作業とは言えないのが正直なところ……。なぜなら丁張りで示した位置基準が構造物の精度に直結するからだ。
特に正しく掛けられているかを確認する場面は、熟練の技術者でも神経を使う。また、その際、高額で重量のある測量機器を持ち歩き、複数人の人手を要して行う必要があるという、人的負担もある。

そんな手間のかかる丁張り作業だが、ワンマン測量アプリ「OPTiM Geo Scan」であれば、普段から使い慣れたiPhoneやiPadを使って、誰でも簡単に、丁張りに必要な測量が一人で行えてしまう。
iPhone pro/iPad proに搭載されているLiDARという計測機能と衛星測位システムのGNSSレシーバーを組み合わせるため、高精度の計測が可能なのだ。

ぜひ、以下の動画をチェックしてその利便性の高さを確認していただきたい。
【丁張り紹介パートは、以下動画の10分35秒から】
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