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デジコン編集部 2026.8.25
大人気シリーズ!【いまさら聞けない?】測量のことイチから解説 〜 連載記事一覧 〜

トラバース測量(多角測量)とは? 《閉合 / 結合 / 開放》それぞれの違いも紹介!【測量のことイチから解説】

CONTENTS
  1. さまざまな現場で使われるトラバース測量、その基本知識
  2. トラバース測量には3種類。閉合・結合・開放それぞれの違いとは!?
  3. 閉合トラバース・結合トラバースはどうやって使い分ける??
  4. トラバース測量の基本的な手順は?
  5. おさらい 〜 トラバース測量に関するよくある質問 〜
    1. Q. トラバース測量と多角測量の違いは?
    2. Q. 閉合トラバースと結合トラバースの違いは?
    3. Q. 開放トラバースはなぜ精度が低いとされる?
    4. Q. トラバース測量とGNSS測量はどちらが良い?
  6. 測量業務を変革するスマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」
器械を使って地上に存在する物体の大きさ・位置を測定する「測量」は、建設現場の準備段階において、重要となるプロセスだ。

土木・建設現場で長く用いられている主な測量方法には、三角測量、平板測量、水準測量などがある。

これに加えて、一般的に用いられているのがトラバース測量だ。

トラバース測量(多角測量)とは?
既知点を出発点として測点を連続的に設け、各測点間の角度と距離の観測を積み上げることで、順次、各点の平面座標を決定していく測量方法のことである。

本記事では、閉合トラバース・結合トラバース・開放トラバースの違いと使い分け、観測から計算・調整までの流れ、さらにGNSS測量やスマホ測量との棲み分けを、基礎から整理していく。

さまざまな現場で使われるトラバース測量、その基本知識


トラバース測量は「多角測量」とも呼ばれ、測点間の距離と角度を順次観測して折れ線(トラバース)を構成し、各測点の平面座標を決める作業である。

既知点から開始し、測線の連鎖で未知点の位置へと座標を伝達していく。

基本となるのは「距離・角度の観測」と「順次の座標計算」であり、国土地理院の「作業規程の準則」でも、基準点測量の方式のひとつとして多角測量(トラバース測量)が位置づけられている。

土木・建設工事における位置把握だけでなく、地形図や設計図の作成に必要な基準点や境界の設定、土地の境界線を引く作業など、さまざまな場面で使われている。

では、このトラバース測量はどのように行われるのか。まず、使用する主な道具を挙げておこう。

  • トータルステーション(TS) :角度と距離を同時に測量する機器。セオドライト(角度測定)と光波測距儀(EDM:Electronic Distance Measurement/距離測定)が一体化し、データ処理に優れたトータルステーションが広く流通している。
(画像:日本建設機械施工協会「TSを用いた出来形管理ガイド」資料より)

  • GNSS受信機:TSと併用して、測点の座標を取得する。
  • プリズム:測定対象の位置に設置し、TSから受けた光を反射して距離を測定する。
  • 測量用三脚:TSやセオドライトを設置する。
  • 測量杭:測点の位置を地面に示す。
  • 野帳:測量データや現場の状況を記録するノート。デジタル化されたものもある。
  • 計算機・測量計算ソフトウェア: 測定データの処理・解析を行う。TSと連携するソフトウェアもある。
  • その他:高さを測るレベル(オートレベルまたは電子レベル)、方位を調べるコンパス、短い距離を測る巻尺など。

観測は一般に、トータルステーション(角度・斜距離)を用い、必要に応じて方位角の起点(既知2点間、またはGNSS等)を与える。

得られた角度・距離は、水平成分(緯距・経距)に分解して累積することで座標へと反映される。

これらの計算の手順は、国土地理院の「作業規程の準則」や測量学の教材に整備されており、現場での標準的な流れとなっている。

トラバース測量には3種類。閉合・結合・開放それぞれの違いとは!?


ひとくちにトラバース測量といっても、3つの形式がある。それぞれに特徴があり、用途も異なる。まず、3種類の違いを整理しよう。

種類 経路の形 検定(誤差の点検 主な用途
閉合トラバース 出発点に戻る(ループ) できる 精度検証を重視する測量
結合トラバース 既知点から別の既知点へ結ぶ できる 既設の基準点網をつなぐ測量
開放トラバース 既知点に結び付かず終わる できない 迅速性を優先する仮設・簡易測量

  1. 閉合トラバース
    出発点から測量を始めて、最終的に同じ出発点へループして戻ってくる方式のことである。出発点に閉合する過程で、測量中に生じた誤差(閉合誤差)を検出できるため、精度を検証しながら測量を進められる。品質評価が行いやすいのが特徴だ。
  2. 結合トラバース
    既知点(基準点)から出発し、別の既知点へと結び付ける方式のことである。出発点と終点の両方が既知の座標を持つため、閉合トラバースと同様に誤差の点検ができる。すでに整備された基準点網を活用して、線形や街区をつなぐ場面に適している。

  3. 開放トラバース
    出発点から測点を延ばしていき、終点がどの既知点にも結び付かない方式のことである。最も簡易的に広い範囲を測量できる一方、終点で座標を照合する相手がないため、誤差の点検(検定)ができないという弱点がある。そのため、高い精度が求められる測量には向かない。



閉合トラバース・結合トラバースはどうやって使い分ける??


方式の選定は、以下の4つのポイントを踏まえて決めるのが一般的だ。

  • 既知点の有無と配置
  • 見通し(遮蔽物・屈折環境)
  • 要求精度(点検のしやすさ・閉合の確保)
  • 工程・手戻りの許容度

これらを踏まえると、それぞれの向き・不向きは次のように整理できる。

  • 閉合トラバース:手戻りが発生しても、検定性(精度の確かめやすさ)を重視したい場面
  • 結合トラバース:既設の基準点網を活用して、線形や街区をつなぎたい場面
  • 開放トラバース:仮設のレイアウトなど、精度よりも迅速性を優先したい場面

いずれにしてもトラバース測量は高い精度で位置関係を把握できるうえ、その土地の状況に応じて測点を自由に設定が可能である。

(画像:日本建設機械施工協会「TSを用いた出来形管理ガイド」資料より)

障害物が多い場所や地形が複雑な場所、アクセスの悪いエリアでも、比較的正確な地形データや位置情報を得られるのが強みだ。

しかし、測点ごとの小さな誤差が累積した場合の補正や、複雑な地形の測量には、経験や技術が求められる。

測点の設置、角度・距離の測定や計算といった作業量も多く、人手を要する。加えて、天候に左右されるケースも起こりうる。

より正確性を期すために測点を増やす必要があり、時間と労力のコストが増大する場合もあることは、頭に入れておきたい。

トラバース測量の基本的な手順は?


次にトラバース測量の標準的な流れを解説していこう。

  1. 事前踏査(測点案の設計・見通し確認)
  2. 器械点・後視点の設定
  3. 往復・反復による観測(観測の重複化)
  4. 現場での点検・検定
  5. 帳票・計算書の作成

公共測量では「作業規程の準則」に、測量機器の検定基準、現場での試験基準、標準様式、計算式集、標準図式などが体系化されており、これに準拠するのが基本である。

観測品質の担保は、現場での器械点の安定化、温度・風・陽炎などへの配慮、記録の完全化によって成り立つ。

おさらい 〜 トラバース測量に関するよくある質問 〜


Q. トラバース測量と多角測量の違いは?


A. 同じ測量方法を指す。測点をつないで折れ線(多角形)を構成することから「多角測量」とも呼ばれ、「トラバース測量」と同義である。

Q. 閉合トラバースと結合トラバースの違いは?


A. 閉合トラバースは出発点に戻ってくるループ型で、結合トラバースは既知点から別の既知点へ結ぶ型である。どちらも誤差の点検ができる点は共通するが、経路の形が異なる。

Q. 開放トラバースはなぜ精度が低いとされる?


A. 終点がどの既知点にも結び付かないため、観測した座標を照合して誤差を点検(検定)できないからだ。そのため、迅速性を優先する簡易的な測量に用いられる。

Q. トラバース測量とGNSS測量はどちらが良い?


A. 目的による。見通しが確保しにくい場所や高い検定性が求められる基準点測量ではトラバース測量が、上空が開けた現場で短時間・省人化を優先する場合はGNSS測量が向いている。近年は両者を使い分ける、あるいはスマホ測量で併用する現場も増えている。

測量業務を変革するスマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」


トラバース測量は、その正確性ゆえに多くの現場で用いられている手法だ。

しかし、これまで見てきたように、専門的な知識が求められるうえ、測点を一つずつ観測して座標を積み上げていくため、どうしても時間と人手がかかる…。

そこで近年、土木・建設現場に急速に普及しているのが、GNSS(Global Navigation Satellite System=全球測位衛星システム)を使った測量だ。

複数の衛星から届く信号をもとに、衛星と受信機の「距離」から地点の座標を求める仕組みで、測点が上空の開けた場所であれば、事前に基準点を設置しなくても短時間で位置情報を取得できる。


このGNSS測量を、いつものスマートフォンで実現するのが、高精度スマホ測量「OPTiM Geo Scanである。

LiDAR(光による検知・測距)センサー搭載のiPhone (iPhone Pro やiPad Pro)と、GNSSレシーバーで取得した位置情報を組み合わせることで、専門家でなくても、1人で高精度な測量が行えるのだ。

注目すべきはその精度だ。

Geo Scanは、単点計測において水平・鉛直方向ともにミリ単位の測位精度を実現している(2026年3月発表の公称値)。


これにより、位置のXYZ座標を高精度に取得でき、測量から杭打ち・位置出しまでをスマホで完結できる。

しかもその技術力は、公的にも認められている。

国土交通省の新技術情報提供システムNETISにおいて、Geo Scanは事後評価で最高評価「VE」を獲得しているのだ(登録番号:QS-210050-VE)。


これは、公共工事での活用提案が、工事成績評定などの加点対象となり得ることを意味する。

トラバース測量で培われてきた「正確に位置を求める」という価値を、スマホ一台で、しかも1人で実現する。

測量が、もはや一部の熟練者だけではなくなっているのだ。その実力をまずはGeo Scanスペシャルサイトで確かめてみてほしい。

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