土木・建設業界の測量や施工に欠かせない、位置情報を数値化して何がどこにあるかを示す座標。
デジタル施工での3次元(3D)モデル作成などにおいても必要な知識となるため、押さえておきたいものだ。基本となるのが、「測地系」と「座標系」。それぞれのポイントを解説していこう。
「測地系」は、地球上での位置情報を緯度・経度・標高を用いて示す基準。地球の形や大きさ、経緯度の基準となる位置を決めて測量を行うもので、「日本測地系」と「世界測地系」という2つに大きく分けられる。
日本測地系は、明治時代に全国の地形図を整備するために始まった日本独自の基準。
明治政府がドイツを見本に、ベッセル楕円体(ドイツの天文学者・ベッセルが算出)を地球の形とし、当時の東京天文台の子午環(観測装置)の中心を日本経緯度原点と定めた。
しかし、2002年に測量法が改正され、VLBI(天体からの電波を利用してアンテナの位置を測る超長基線電波干渉法)やGNSSなどで測った地球の正確な形状と大きさに基づく国際な基準である「世界測地系」での測量に移行。
現在、日本では、世界測地系である「日本測地系2011」(前述の日本測地系とは異なる)が採用されている。
ちなみに、日常生活でもなじみ深い「GPS」は、アメリカ発の世界測地系「WGS84」座標系で運用されており、日本測地系2011とWGS84の誤差はわずかだという。
座標系は、平面や空間の位置を表すために、原点や座標軸などで座標を定める基準。
例えば、緯度・経度を地球中心からの角度で示す「緯度経度座標系」や、曲面である地球を2次元の平面上に投影しXY座標で表す地図投影法「平面直角座標系」がある。
日本の公共測量で利用されているのが、平面直角座標系。曲面の地球を平面として便利に計算できるように定められた座標系で、狭い範囲の測量に適している。
ガウス・クリューゲル投影法(地球が回転楕円体であることを考慮し、中央子午線上の子午線弧長が保存されるように投影。横メルカトル図法の一種)を適用し、楕円体面を平面に投影することで生じる歪みを小さくするために、日本列島を19の区域に分けて19の座標原点を設定。
その原点を通る子午線をX軸、それに直交する方向をY軸として座標を作成する。
国土交通省の「BIM/CIMモデル等電子納品要領(案)及び同解説 (令和4年3月)」には、作成する3Dモデルについて、地図投影法は平面直角座標系と記載されている。
こうした公共測量に対応した3次元測量におすすめなのが、LiDARセンサーを搭載したiPhoneとGNSSレシーバーの位置情報によって高精度な測量ができるアプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
搭載されている「Geo Point」機能を使えば、国土地理院が定める平面直角座標系のX(東西の軸)、y (南北の軸)、z(高度)の位置情報を、レシーバーによってピンポイントで取得できる。
取得したxyzの値をスマホで見ながら登録していくことで、一人でも短時間でGNSS測量を行うことが可能だ。
さらに、アプリ「Geo Design」を使えば、取得した位置データが自動で地図上に反映され、パソコンでスムーズに2次元図面の作成もできるという。
また、国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」に準拠し、ゼネコンやデジタル化に力を入れる中小企業が、今、続々とOPTiM Geo Scanを導入している。
公共測量や国交省の基準に対応した高精度の測量がしたい、しかも手間をかけずに作業効率を大きく上げたいという土木・建設業界の方はぜひ、導入の検討してみてはいかがだろうか。
デジタル施工での3次元(3D)モデル作成などにおいても必要な知識となるため、押さえておきたいものだ。基本となるのが、「測地系」と「座標系」。それぞれのポイントを解説していこう。
明治時代から始まり、世界基準に移行した「測地系」
「測地系」は、地球上での位置情報を緯度・経度・標高を用いて示す基準。地球の形や大きさ、経緯度の基準となる位置を決めて測量を行うもので、「日本測地系」と「世界測地系」という2つに大きく分けられる。
日本測地系は、明治時代に全国の地形図を整備するために始まった日本独自の基準。
明治政府がドイツを見本に、ベッセル楕円体(ドイツの天文学者・ベッセルが算出)を地球の形とし、当時の東京天文台の子午環(観測装置)の中心を日本経緯度原点と定めた。
しかし、2002年に測量法が改正され、VLBI(天体からの電波を利用してアンテナの位置を測る超長基線電波干渉法)やGNSSなどで測った地球の正確な形状と大きさに基づく国際な基準である「世界測地系」での測量に移行。
現在、日本では、世界測地系である「日本測地系2011」(前述の日本測地系とは異なる)が採用されている。
ちなみに、日常生活でもなじみ深い「GPS」は、アメリカ発の世界測地系「WGS84」座標系で運用されており、日本測地系2011とWGS84の誤差はわずかだという。
平面や空間での点の位置を示す「座標系」
座標系は、平面や空間の位置を表すために、原点や座標軸などで座標を定める基準。
例えば、緯度・経度を地球中心からの角度で示す「緯度経度座標系」や、曲面である地球を2次元の平面上に投影しXY座標で表す地図投影法「平面直角座標系」がある。
日本の公共測量で利用されているのが、平面直角座標系。曲面の地球を平面として便利に計算できるように定められた座標系で、狭い範囲の測量に適している。
ガウス・クリューゲル投影法(地球が回転楕円体であることを考慮し、中央子午線上の子午線弧長が保存されるように投影。横メルカトル図法の一種)を適用し、楕円体面を平面に投影することで生じる歪みを小さくするために、日本列島を19の区域に分けて19の座標原点を設定。
その原点を通る子午線をX軸、それに直交する方向をY軸として座標を作成する。
国土交通省の「BIM/CIMモデル等電子納品要領(案)及び同解説 (令和4年3月)」には、作成する3Dモデルについて、地図投影法は平面直角座標系と記載されている。
公共測量に対応し、高精度&簡単に測量ができるスマホアプリ「OPTiM Geo Scan」
こうした公共測量に対応した3次元測量におすすめなのが、LiDARセンサーを搭載したiPhoneとGNSSレシーバーの位置情報によって高精度な測量ができるアプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
搭載されている「Geo Point」機能を使えば、国土地理院が定める平面直角座標系のX(東西の軸)、y (南北の軸)、z(高度)の位置情報を、レシーバーによってピンポイントで取得できる。
取得したxyzの値をスマホで見ながら登録していくことで、一人でも短時間でGNSS測量を行うことが可能だ。
さらに、アプリ「Geo Design」を使えば、取得した位置データが自動で地図上に反映され、パソコンでスムーズに2次元図面の作成もできるという。
また、国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」に準拠し、ゼネコンやデジタル化に力を入れる中小企業が、今、続々とOPTiM Geo Scanを導入している。
公共測量や国交省の基準に対応した高精度の測量がしたい、しかも手間をかけずに作業効率を大きく上げたいという土木・建設業界の方はぜひ、導入の検討してみてはいかがだろうか。
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