コラム・特集
平田 佳子 2024.8.26

建設プロセスで発生する《測量の種類》を紹介!【測量のことイチから解説!】

測量は、建設プロジェクトにおいて重要な役割を果たす技術である。

建設物の正確な位置や形状を把握し、安全かつ効率的な施工を可能にするため、さまざまな種類の測量が行われる。

本記事では、建設プロセスの各段階で用いられる主要な測量の種類について詳しく解説する。

起工測量 (Initial Survey)


起工測量は、建設プロジェクトの初期段階で行われる測量であり、建設予定地の地形や既存のインフラストラクチャを詳細に把握するために実施される。この測量によって、設計図と実際の地形の整合性が確認され、必要に応じて設計の調整が行われる。

(画像:関東地方整備局 起工測量の実施より)

起工測量では、建設予定地全体の地形データが収集される。このデータには、敷地内の起伏、地形の傾斜、土壌の性質、地下水位の測定が含まれる。

これらのデータは、地形の模型を作成したり、3Dモデルを使用して建設の進捗をシミュレーションするために使用される。

例えば、建設現場に山や谷がある場合、その地形を正確に把握し、設計変更が必要かどうかを判断することができる。

また、起工測量では、敷地の境界線や既存のインフラストラクチャ(道路、電線、水道管など)も確認され、これらの要素が施工に与える影響を最小限に抑えるための計画が立てられる。

起工測量の結果は、後続のすべての施工活動の基盤となるため、その精度がプロジェクト全体の成功に直結する。

中間測量 (Intermediate Survey)


中間測量は、建設プロジェクトの進行中に行われる測量であり、施工が計画通りに進んでいるかを確認するために実施される。

この測量は、施工プロセスの途中で必要な修正や調整を行うための重要な情報を提供する。

中間測量は、施工が進む過程で、設計図通りに工事が行われているかを確認するための測量である。

例えば、道路工事や橋梁建設などのプロジェクトにおいて、基礎工事が完了した段階や構造物が部分的に完成した段階で実施されることが多い。

この測量によって、施工精度が保たれているか、計画と実際の施工にズレがないかを確認し、必要に応じて修正を行うことができる。

中間測量の結果は、工事の進捗状況を評価するための基礎資料となり、施工管理者が今後の工事を適切に進めるための指針となる。

また、施工中に予期せぬ地盤変動や材料の不均一性が発生した場合にも、中間測量によって迅速に対応することが可能である。

この測量は、施工の品質を保証し、プロジェクトが予定通りに進行するために不可欠な工程である。

出来形管理測量 (As-Built Survey)


出来形管理測量は、施工中および施工後に行われる測量であり、実際の施工が設計図面通りに進行しているかを確認するために実施される。

この測量は、施工精度を保証し、設計図との整合性を保つために不可欠である。

出来形管理測量では、施工の進行に合わせて、建設物の寸法、位置、角度、高さなどが設計図通りであるかを確認する。

(画像:関東地方整備局 3次元計測技術を用いた出来形管理の活用手引き(案))

例えば、建物の基礎工事が完了した時点で、基礎の位置や高さが設計図と一致しているかを測量する。

これにより、設計図通りに施工が進んでいるか、または修正が必要かどうかを判断する。

さらに、出来形管理測量では、建設物が設計通りに完成しているかどうかを確認するための最終的なチェックも行われる。

これには、建物の外壁や屋根の高さ、内装の配置、電気配線や配管の配置などが含まれる。この測量データは、最終的な品質保証の一環として保存され、将来的なメンテナンスや修理にも活用される。

出来形管理測量は、施工の品質を確保し、設計図と施工結果が一致していることを確認するために不可欠なプロセスである。

この測量が正確に行われることで、建設物が長期にわたって安全に使用できることが保証される。

丁張測量 (Setting Out)


丁張測量は施工現場で建物や構造物の正確な位置を示すための測量である。

設計図面に基づいて現場に建物の位置、角度、そして高さを確定する基準点を設定する。

丁張測量は、現場での施工の精度を確保するために極めて重要である。

(画像:Shutterstock)

まず、建物のコーナーや中心線を示すための杭(丁張)を設置し、それを基にして建物の位置を地面に反映させる。この作業により、施工が正確に設計図通りに進行するための基準が確立される。

丁張は、建物の基礎や壁の位置、道路の中心線、さらには橋梁の支柱の位置を示すためにも使用される。

このように、丁張測量は、現場での施工が誤差なく行われるようにするための不可欠なプロセスである。丁張の設置後、施工中も随時確認され、必要に応じて修正が行われる。これにより、施工の精度が保たれ、建設物の品質が保証される。

また、丁張測量は、建設プロジェクトの進行中に発生するズレや誤差を早期に発見するための重要な役割も果たす。

このプロセスによって、建設物が設計通りに配置され、施工が進むことが確実になる。

4. 路床・路盤測量 (Subgrade and Base Course Survey)


路床・路盤測量は、道路や橋梁の基礎部分を測量する作業であり、路床と路盤が正確に設計通りの高さや形状で施工されているかを確認する。

路床とは、道路の最下層に位置する部分であり、路盤はその上に設置される層を指す。

これらの部分は、道路の荷重を支え、長期間にわたって耐久性を保つための重要な役割を果たす。

路床・路盤測量では、地面の状態を詳細に測定し、その上に設置される路盤が設計通りに配置されるようにする。

この測量では、まず地形の状態を詳細に把握し、路床の高さや勾配を正確に設定する。

次に、路盤を設置する際に、その高さや平坦度が設計通りであるかを確認する。特に、路盤が正確に敷かれていない場合、道路の耐久性や安全性に大きな影響を与える可能性があるため、この測量は非常に重要である。

また、路床・路盤測量では、道路の排水計画も考慮される。道路の表面に水が溜まらないように、適切な勾配が設定され、排水設備が配置される。

このように、路床・路盤測量は、道路や橋梁の品質を確保し、長期的な耐久性を保証するために不可欠なプロセスである。

法面測量 (Slope Measurement)


法面測量は、斜面や法面の安定性を確認するために行われる測量である。

特に道路や橋梁、ダムなどの建設において、斜面の角度や高さを測定し、地滑りや崩壊のリスクを評価するために実施される。

詳細な解説: 法面測量は、山間部や傾斜地での土木工事において重要な役割を果たす。斜面の安定性は、土砂崩れや地滑りなどの災害を防ぐために非常に重要である。

この測量では、斜面の角度や高さ、土壌の性質を詳細に測定し、地形の変動や安定性を評価する。

(画像:Shutterstock)

特に急峻な斜面や地質が不安定な地域では、法面測量のデータに基づいて、補強工事や排水設備の設計が行われる。

また、法面測量は、施工中および施工後も繰り返し実施され、斜面の状態を監視する。施工中に斜面が動いていないか、地形が変化していないかを確認し、必要な修正を行うためのデータを提供する。

法面測量は、斜面の安定性を確保し、建設物やその周辺環境の安全性を保証するために不可欠なプロセスである。

竣工測量 (Completion Survey)


竣工測量は、建設プロジェクトの最終段階で行われる測量であり、施工が計画通りに完了したことを確認するために実施される。

これは、プロジェクト全体が設計図や仕様書に基づいて適切に完成しているかを検証するための重要な工程である。

竣工測量は、建設プロジェクトが全ての工程を終えた後に行われ、工事が正確に行われたかを確認するための測量である。

この測量では、建物や構造物の位置、寸法、角度などが設計通りであるかどうかが確認される。

例えば、道路工事の場合、竣工測量によって路面の勾配や幅員が設計通りであるか、橋梁の構造が計画に沿っているかなどがチェックされる。

竣工測量の結果は、最終的な施工報告書に反映され、発注者に提出される。これにより、建設物が契約条件や法的基準に適合していることが証明され、引き渡しが行われる。

維持管理での測量 (Maintenance and Management Survey)


維持管理測量は、完成したインフラや建物を長期的に安全に運用するために、定期的に行われる測量である。

この測量は、建設後の構造物の状態を監視し、必要な補修や改善を行うためのデータを提供する。

維持管理測量は、建設物が使用される期間中に定期的に実施され、時間の経過とともに発生する劣化や変形、損傷を監視するためのものである。

(画像:Shutterstock)

この測量では、構造物の沈下や傾き、ひび割れ、表面の摩耗などを詳細に測定し、その結果に基づいて適切な補修や補強工事が計画される。

例えば、道路や橋梁などのインフラでは、交通量や気象条件の影響で時間とともに損傷が進行することがある。

維持管理測量を通じて、こうした損傷がどの程度進行しているかを把握し、早期に対応することで、大規模な修繕や事故の発生を未然に防ぐことができる。

起工事測量、中間測量、出来形管理測量など!建設プロセスのあらゆる測量シーンで使える《iPhoneアプリ》をご存知ですか!?


本記事で紹介したように、建設プロジェクトの各プロセスで測量業務が発生し、それぞれの測量において、精度が求められることは、理解していただけたであろう。

そして今、土木・建設現場の測量現場で注目を集めているiPhoneアプリがある。それが測量アプリOPTiM Geo Scan」だ。

(画像:Shutterstock)


このアプリは、スマートフォンだけで誰でも簡単に測量ができるという画期的なソリューションで、起工測量や中間測量、出来形管理測量、法面測量など、様々な測量シーンで活用できる優れた測量アプリである。






「OPTiM Geo Scan」の特長は、測量士(測量士補)の資格や専門知識がなくても、誰でも簡単にひとり測量ができる点だ。専用の機器や高度な知識を必要とせず、スマホ一つで精度の高い測量が可能となる。

さらに、測位精度についても懸念する必要はない。令和4年度の国土交通省「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」にも準拠しており、「出来形測量」や「起工測量」において使用することが可能である。このアプリは、出来形管理計測に求められる高い精度(±50mm)を実現しており、これにより土木・建設現場でも安心して使用できる。

このように、技術革新によって測量が誰にでも手軽に行える時代となり、測量のプロセスは一層効率的にできる業務になっている。

「OPTiM Geo Scan」は、これからの測量業務の在り方を大きく変える測量アプリであり、測量の専門知識がなくても、高い精度を求める業務に対応できる信頼性を持っている。気になる方は、まずは以下の限定無料をゲットしてみよう。



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WRITTEN by

平田 佳子

ライター歴15年。幅広い業界の広告・Webのライティングのほか、建設会社の人材採用関連の取材・ライティングも多く手がける。祖父が土木・建設の仕事をしていたため、小さな頃から憧れあり。

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