コラム・特集
國廣 愛佳 2024.4.26

点群データの定義とは?【測量のことイチから解説】

土木・建設業に従事している方なら馴染み深い「点群」。ただ、そもそも点群とはなんなのか?点群の定義を答えられるか?と質問されたら、答えられる方はどれだけいるだろうか?

本記事では点群の定義と取得方法、建設・土木の現場で活用する際のメリットとデメリットを紹介していく。

点群データの定義とは?


点群データは英語で「Point cloud data」と表記する。その名の通り、点の集まりによって構成されるデータのことだ。

レーザースキャナーや写真測量MMSなどを活用して取得できる。地形や構造物が複雑であっても、点の集合によって、3次元データ化することができる。

一つひとつの点には3D座標値、色情報、反射強度値、法線ベクトルを付与できる。

そのため、点の密度が高く、位置情報も正確であれば、写真に近い再現度で3次元化されるのが特徴だ。

最も簡素なファイルは次のようなデータ構造になっており、この構造が点の数だけ羅列された集合体が点群データとなる。

<点群データの基本的なデータ構造>

  • 座標値のみ(X・Y・Z)
  • 座標値+色情報(X・Y・Z・R・G・B)
  • 座標値+反射強度値(X・Y・Z・I)
  • 座標値+法線ベクトル(X・Y・Z・Nx・Ny・Nz)


3次元点群データは用途は多彩


取得した3次元の点群データは、例えば、施工計画を立てるためのシミュレーションに使ったり、地滑りなど危険性の高い場所の予測にも使うことができる。

静岡県を始めとする自治体では、保有する3次元点群データをオープンデータして事業者などに提供する自治体もあり、ハザードマップの制作、建物や地形のデジタルアーカイブとしても活用されている。


線や面でも地形などを再現することはできるが、点群データは、地形が複雑であっても計測結果の記録や再現がしやすいことがメリットだ。

図面がなくても地形や物を3次元モデル化できるため、そうした面ではCADモデルよりも優位性がある。


点群データの取得から使用まで


点群データを取得する際には、地形をすべての部分を網羅できるよう、様々な角度から複数回撮影してデータを収集する必要がある。

取得したデータは、専用のソフトウェアで読み込み、処理することによって使用できる状態になる。

<点群データを使用するために必要な処理例>

  • 位置合わせ(レジストレーション)
    さまざまな角度から取得した点のデータを合成する

  • ノイズ除去、穴埋め、平滑化、点密度の調整処理
    対象の地形や物以外も一緒に点群データ化されてしまうため、不要な部分を除去する。データの欠損やエラーが含まれていることが多く、適切な処理を施して見え方を改善する

  • データ量の調整
    点群データ量が膨大な場合は、八分木(オクトツリー)などに従って管理し、処理時間を短くする

  • 3Dモデル、メッシュデータ、サーフェスデータへの変換


点の精度と密度を最適な設定にすることが不可欠!


取得した点群データを使用できる状態にするために必要な処理の多さ、専用ソフトウェアや計測のために必要なスキャナーなどの導入コストは、点群データを活用する場合のデメリットといえる。

また、地形の形状を正しく3D化するためには、点の位置精度と密度が高いことが重要。点の密度が低いと、地形を再現することができない。


ただし、やみくもに密度を上げすぎると、データを生成したり閲覧するための処理時間が膨らみ、作業効率が落ちてしまう。高い精度で、かつ、適切な密度となる計測ができるよう、計測方法やデータ生成を行うソフトウェアの選び方が重要になる。

高密度で精確な3次元点群データを取得できる!

土木・建設の現場で手軽に測量をしたいなら、iPhoneアプリ「OPTiM Geo Scan」がオススメ!!


導入コストをできるだけかけず、正確で手軽な3Dデータを取得するなら、土木・建設に特化した測量アプリOPTiM Geo Scan」がおすすめ。

高い精度が求められる土木・建設、インフラの測量現場で、多数のゼネコンや中小規模の建設会社が導入している実績あるアプリだ。

(写真:Shutterstock)


iPhone 12 Pro / Pro MAX以降の機種であれば、誰でも簡単に高精度3次元測量ができる本格的なスマホ測量アプリだ。

OPTiM Geo Scanは、LiDARセンサーを搭載したiPhoneと、GNSSレシーバーが取得した位置情報を組み合わせて測量する。


特徴は、対象をアプリでスキャンするだけという手軽な操作方法。測量の資格や経験がない人でも高精度の測量ができ、長時間の研修を受ける必要もない。

その場ですぐに測量ができるため、常にリアルタイムのデータを取得することが可能だ。


国交省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」に準拠しており、起工測量だけでなく、中間出来高測量、出来形測量など多様な工程で利用できるという。もちろんNETIS登録製品でもある。

土木・建設、インフラ業界で、手軽で高精度な3次元測量を取り入れるなら、「OPTiM Geo Scan」から試してみてはいかがだろうか。




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WRITTEN by

國廣 愛佳

創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。

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