コラム・特集
AR/MRによる “可視化ソリューション mixpace(ミクスペース)” が、BIM活用を大きく推進していく【② 体験レポート編】
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【① 解説編】 に引き続き、本記事ではHoloLens 2、iPadを使ったAR/VRによる可視化ソリューション『mixpace』の使い勝手を、実際に体感させてもらいながら、迫っていく。
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SB C&S 株式会社のICT事業本部 MD本部 ビジネスソフトウェア統括部 インダストリービジネス推進部 CAD&ドローン&AR事業推進課 AR /VR /MRプロジェクトマネージャー 遠藤 文昭氏
HoloLens 2を装着し、側から見ると何も無い空間をタッチするSB C&Sの遠藤氏。HoloLens 2を通した映像が、プロジェクターにも映されており、3Dモデルのドローンが会議机の上を浮遊している。遠藤氏がつまんだり引っ張ったりする仕草をするたびに、ドローンもそれに合わせて動く。まるで近未来を描いた映画を見ているようだ。
遠藤氏に一通り設定をしていただき、HoloLens 2を装着する。全体的な視認性は色の薄いサングラスをかけている程度だ。手を伸ばしてドローンをつまんでみる。
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一瞬、距離感がわからず戸惑うが、すぐに感覚は掴めた。恐る恐る引っ張って見ると動作がもたつくような感覚は全くなく、思った以上にスムーズに移動した。操作には多少慣れが必要だが、数分触っただけでも直感的に動作することができる。
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次に天井裏設備の3Dモデルを表示してもらった。驚いたのは奥行きをしっかり感じることができる立体感。透過した天井にダクトや配管があり、色々な角度から見ることができるのだが、裏側を見ようと回り込む感覚に不思議なくらい現実感がある。プロジェクターで見ていた時とは全く違う、まさにMRならではの感覚だろう。
iPadに映る現実空間。つまり内蔵カメラが映している映像だ。その現実空間に3Dモデルのビルが出現した。デモンストレーションでは、現実空間の会議室に収まるよう、原寸の10の1程度の大きさになっている。
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このサンプルには設備、構造、意匠のそれぞれのデータがあり、同じ基準点で表示することで外壁を透過したり、設備を非表示にしたりすることができる。
当然だが3Dモデルは自体はデジタル画像なので、グリッドラインを表示してスケール代わりにしたり、一部に色をつけたり、まるで画像編集ソフトで現実を編集しているような感覚だ。ビルの大きさを原寸大にすれば、内部を見て周ることもできる。
3Dモデルを表示する際に重要なのが基準点。現在は「位置合わせAR マーカー」を印刷した紙が基準点となり、表示したい場所の床や壁に基準点となる紙を貼る。
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その位置を基準にして3Dモデルが表示される。位置合わせや基準点は重要な要素であり、より精度を高めていくために今後も頻繁にアップデートしていく予定だという。
HoloLens2とiPadが対応デバイスになっているのだが、それぞれに無料アプリが提供されている。無料アプリにはデモコンテンツが付いているため、まずは試してみてから導入を検討することができる。
資料:SB C&S 提供
BIMで多く使用されているrvtファイルをはじめ、全14種類のファイルフォーマットに対応している。現在一般的に使用されている3D CADソフトはほとんど対応しているといって良いだろう。
基本メニュー2種類(rvtファイルに対応しているか否か)と初回ユーザー限定の検証・短期向けのメニューがある。デバイスの項でも説明しているが、アプリは無料なので、まずはデモコンテンツを試してみて、次に検証・短期メニューと段階的に進むことで、せっかく導入しても、うまく活用できない……という事態を避けることができる。基本メニューは年間契約でのサブスクリプション制。
i-Constructionが推し進められている中、“現場の実作業”と“ICT活用の概念”に大きな隔たりを感じているという声は決して少なくない。どれだけ先進的で素晴らしい技術であっても、ICTの専門家ではない現場作業員が、実際にきちんと使用できるかどうか。また使用することが目的になってしまい、生産性の向上に繋がっているのか?など課題は山積みだ。
しかしmixpaceは、「誰でも使える」という問題を解決している。また実際に体験しみると、3Dモデルと自身との位置関係がとても自然に表現されており、直感的に認識することができた。
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多少の慣れは必要だが、スムーズに現実空間と融合しており、情報を共有する際にPCや紙の図面を見るよりも圧倒的にわかりやすいだろう。形ばかり前借りした未来の技術でなく、今、リアルな現場で使用するための地に足ついた技術であるように感じた。
現場の声をがより反映され、どんどん使いやすくなることを期待したいとともに、mixpaceが建設現場に当たり前にある数年後の風景が楽しみだ。
【① 解説編】の記事はこちら
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HoloLens 2でMR(複合現実)の世界を体験
遠藤氏に一通り設定をしていただき、HoloLens 2を装着する。全体的な視認性は色の薄いサングラスをかけている程度だ。手を伸ばしてドローンをつまんでみる。
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一瞬、距離感がわからず戸惑うが、すぐに感覚は掴めた。恐る恐る引っ張って見ると動作がもたつくような感覚は全くなく、思った以上にスムーズに移動した。操作には多少慣れが必要だが、数分触っただけでも直感的に動作することができる。
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次に天井裏設備の3Dモデルを表示してもらった。驚いたのは奥行きをしっかり感じることができる立体感。透過した天井にダクトや配管があり、色々な角度から見ることができるのだが、裏側を見ようと回り込む感覚に不思議なくらい現実感がある。プロジェクターで見ていた時とは全く違う、まさにMRならではの感覚だろう。
iPadでAR(拡張現実)体験
iPadに映る現実空間。つまり内蔵カメラが映している映像だ。その現実空間に3Dモデルのビルが出現した。デモンストレーションでは、現実空間の会議室に収まるよう、原寸の10の1程度の大きさになっている。
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このサンプルには設備、構造、意匠のそれぞれのデータがあり、同じ基準点で表示することで外壁を透過したり、設備を非表示にしたりすることができる。
当然だが3Dモデルは自体はデジタル画像なので、グリッドラインを表示してスケール代わりにしたり、一部に色をつけたり、まるで画像編集ソフトで現実を編集しているような感覚だ。ビルの大きさを原寸大にすれば、内部を見て周ることもできる。
基準点は、高精度をめざして随時アップデート予定
3Dモデルを表示する際に重要なのが基準点。現在は「位置合わせAR マーカー」を印刷した紙が基準点となり、表示したい場所の床や壁に基準点となる紙を貼る。
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その位置を基準にして3Dモデルが表示される。位置合わせや基準点は重要な要素であり、より精度を高めていくために今後も頻繁にアップデートしていく予定だという。
無料アプリでお試ししてから、導入検討できる
HoloLens2とiPadが対応デバイスになっているのだが、それぞれに無料アプリが提供されている。無料アプリにはデモコンテンツが付いているため、まずは試してみてから導入を検討することができる。
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全14種類のファイル形式に対応
BIMで多く使用されているrvtファイルをはじめ、全14種類のファイルフォーマットに対応している。現在一般的に使用されている3D CADソフトはほとんど対応しているといって良いだろう。
サービスプラン
基本メニュー2種類(rvtファイルに対応しているか否か)と初回ユーザー限定の検証・短期向けのメニューがある。デバイスの項でも説明しているが、アプリは無料なので、まずはデモコンテンツを試してみて、次に検証・短期メニューと段階的に進むことで、せっかく導入しても、うまく活用できない……という事態を避けることができる。基本メニューは年間契約でのサブスクリプション制。
mixpaceを体験してみて
i-Constructionが推し進められている中、“現場の実作業”と“ICT活用の概念”に大きな隔たりを感じているという声は決して少なくない。どれだけ先進的で素晴らしい技術であっても、ICTの専門家ではない現場作業員が、実際にきちんと使用できるかどうか。また使用することが目的になってしまい、生産性の向上に繋がっているのか?など課題は山積みだ。
しかしmixpaceは、「誰でも使える」という問題を解決している。また実際に体験しみると、3Dモデルと自身との位置関係がとても自然に表現されており、直感的に認識することができた。
![](/images/upload/2020/12/066afb60adfab71aaf10fef4bba79bd6.jpg)
多少の慣れは必要だが、スムーズに現実空間と融合しており、情報を共有する際にPCや紙の図面を見るよりも圧倒的にわかりやすいだろう。形ばかり前借りした未来の技術でなく、今、リアルな現場で使用するための地に足ついた技術であるように感じた。
現場の声をがより反映され、どんどん使いやすくなることを期待したいとともに、mixpaceが建設現場に当たり前にある数年後の風景が楽しみだ。
【① 解説編】の記事はこちら
公式YouTubeチャンネルより:実践編 施工現場での活用例とテクニック
編集:デジコン編集部 / 取材・文:角田 憲 / 写真:宇佐美 亮
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角田 憲
有限会社さくらぐみにライターとして所属。宅地建物取引士。祖父が宮大工だったことから建築、不動産に興味を持ち、戸建て、マンション等の販売・管理・メンテナンス業務に従事。食、音楽、格闘技・スポーツ全般、健康、トラベルまで幅広く執筆。読書量は年間約300冊。
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