「簡易型ICT活用工事」で1人スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が注目されている理由とは？小規模土工のICT化をワンストップで解決！

2020年に国土交通省が打ち出した「簡易型ICT活用工事（土工）」。

この簡易型ICT活用工事において1人スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan（以下、Geo Scan）」が大きな注目を集めている。

デジコン編集部では、簡易型ICT活用工事の概要や、1人スマホ測量アプリ「Geo Scan」が支持される理由について調査した。

小規模土工のICT化を促進し生産性向上へ

そもそも、簡易型ICT活用工事とは小規模土工におけるICT化の普及を目的として国土交通省が2020年に打ち出した施策だ。

この背景には、i-Construction推進における課題があった。

2016年に国交省がi-Constructionを打ち出した際、ICT活用工事では、

1. 3次元起工測量
2. 3次元設計データ作成
3. ICT建設機械による施工
4. 3次元出来形管等の施工管理
5. 3次元データ納品

上記、全てのフローをICT化する必要があった。



国交省直轄の道路や橋脚、トンネルを作るなどの大規模工事は発注金額が大きく、最新のICT技術を全工程に導入するハードルはそこまで高くない。

そのため、スーパーゼネコンが関わるような大規模土工では、順調にICTが広がっていった。

しかし、国内において発注数が圧倒的に多いのは自治体規模の小規模土工だ。

小さな河川工事や道路の補修工事など、数百万〜数千万円クラスの工事において、全てをICT化するのは受注する建設事業者にとって現実的ではなかった。


3次元起工測量で必要なドローンやレーザースキャナー、ICT建機を導入するとそれぞれ何千万円もかかる上、3次元データ作成も高額のソフトが必要で操作も難しい。

こうした理由から、小規模土工においてはICTがなかなか普及しなかったのだ。

簡易型なら一部工程のICT化でOK

そこで、自治体が発注する小規模土工のICT化を促進するため「ICT化は全工程でなく一部でいい」とする簡易型ICT活用工事が2020年に打ち出された。

簡易型では建設プロセスの中で、膨大なコストがかかる「①3次元起工測量」と「③ICT建設機械による施工」はICTでやらなくてもよいとされている。


従来だとすべての建設プロセスでICTを導入する必要があり、小規模土工では導入ハードルが高く、費用面でも労力の面でも負担が大きすぎた。

小規模な工事を請け負う地元の建設会社が受注できないケースや、もし受注できたとしてもICT化へのハードルが高くて外注頼みになってしまうため、自社にノウハウが残らないという問題があった。

そもそも、i-Constructionの本来の目的は、ICT工事を受注することではなく、その先にある業界の生産性向上や、小規模工事の人手不足や高齢化問題の解決にある。

しかし、ICT化という手段が目的になってしまっているという問題が根底にあったのだ。

なぜ今、簡易型ICT活用工事が注目されているのか？

簡易型ICT活用工事が始動したのは上述した通り約5年前だが、なぜ今になって注目されているのか。

2020年に国交省が指針を打ち出してから数年を経て、ようやく各地方自治体に波及し、今のタイミングで簡易型ICT活用工事が発注されるようになったからだ。


水道工事や道路補修工事などでも簡易型ならできる。自治体が勉強会などを行い「私たちでもやってみよう」という事業者が増えている。

実際、市町村の自治体が発注する工事を手がける地元のゼネコンや工事会社の簡易型ICT活用工事の件数が増加している。

そんな中で、「ICT化したいけどどうやって始めればいいのか」という建設事業者にとって、1人スマホ測量アプリ「Geo Scan」はICT化の第一歩としてうってつけのソリューションとして浮上してきた。


使用する機材はスマホ(iPhone Pro／iPad)とGNSSレシーバー(別売)だけで、誰でも簡単にでき、導入コストも運用コストも安いため始めやすいのが特徴だ。

1人スマホ測量アプリ「Geo Scan」ならワンストップで簡単にICT施工を実現

簡易型ICT活用工事にGeo Scanはどう寄与するのか。

実は、簡易型で必須の②④⑤のプロセスだけでなく、Geo Scanがあれば、①から⑤までの全工程をGeo Scanで対応できてしまう。

全工程をカバーする「Geo Scan エコシステム」

①3次元起工測量では、小さなGNSSレシーバーを設置し、スマホで測量したい対象をスキャンすれば短時間で高精度な測量が可能だ。


②3次元設計データ作成では、3ヶ月前にリリースされた「3D設計」という新機能により、さらに利便性が高まった。

アプリにテンプレートが用意されているため、盛土や切土の形、下端や天端の長さを入れると断面が作成できる。2次元の平面図や断面図の直感的なやり方の感覚のまま、3次元設計データが作成できるのだ。


③ICT建設機械による施工においても、Geo Scanでデータを取得すれば、ICT建機に地形データを読み込んでMG（マシンガイダンス）として機能させることができる。

④3次元出来形管等の施工管理でも、国交省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」に準拠しているため、スマホで取得したデータを中間出来高測量や出来形測量などに利用が可能だ。ICT活用が公共工事の加点評価の対象になるので、積極的に加点を狙える。

ユーザーから高評価「Geo Scanだけあれば、何でもできる」

これまでは、数あるメーカーの測量器や設計・編集ソフトから「この工事なら測量機はこれで、ソフトはこれ」と、それぞれの製品を比較して選択することが必要だった。

製品の取捨選択ですら時間がかかり、代理店などに頼んでいたのが常態化していた。

全部バラバラのメーカーの製品を使うとなると、一つ一つ勉強をして使い方を習熟しないといけない……。

時間も労力も費用面でもコストが大きく掛かっていたのだ。


その点、1人スマホ測量アプリ「Geo Scan」であれば、スマホアプリだけでワンストップで完結する。

普段から使い慣れているスマホだからこそ、使用するハードルも限りなく低くなる。

オプティムでは、測量機器などのハードウェアやソフトウェアを、スマホアプリにすべて集約させることを「Geo Scanエコシステム」と呼んでいる。


Geo Scanひとつあれば専門の技術者は必要なくなり、Geo Scanをフルに活用することで、日々の業務を圧倒的に効率化できる。

「うちの会社でもICT化できそう！」建設業界のICT化を加速させる1人スマホ測量アプリ

費用も時間も人材も限られていて「ICTなんてやれない」と諦める中小の事業者は、全国的に見れば、まだまだ多いのが現状だ。


しかし、そうした事業者にこそGeo Scanは適している。オプティムによると「うちでもICTできるようになった」「測量がかなりラクになる」「毎日使っている」といった反響が、実際に今、続々と寄せられているという。

建設プロセスのあらゆるポイントで活用できる点、そして「スマホのアプリを操作するだけでできてしまう」手軽さが、Geo Scanの唯一無二の価値といえるだろう。

まとめ

国交省の簡易型ICT活用工事の導入は、中小規模の建設現場のICT化、ひいては建設業界全体の生産性向上のための大きな後押しになっている。

これまで、国交省直轄の大規模な土工を始め、さまざまな現場で導入されてきた1人スマホ測量アプリGeo Scanが、自治体発注の中小規模の現場でも本格的に活用され始めた。

ワンストップで全てをまかなえるという安心感や手軽さが、今後さらなる普及につながっていくことが期待される。