コラム・特集
点群密度の調整が可能に!スマホ測量アプリ「OPTiM Geo Scan 」〜 土工だけでなくインフラの現場でも活用広がる〜
オプティムが開発・提供する3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が、またバージョンアップした。
端的にアップデート内容を説明するなら、「点群密度の調整が可能になった」ということ。つまり、高密度で3次元点群を取得したり、逆に、密度設定を低くして測量したりと、目的に応じて3次元測量ができるようになったというわけだ。
今回のアップデート内容は、かねてより多くのユーザーから要望があったため、オプティムでは、開発スピードを早めたという。今回の新機能「点群密度の調整」について、さらにはスマホ測量の現在のトレンドなどを、オプティム OPTiM Geo Scanセールス担当の八尋氏(以下、敬称略)に伺った。
―― OPTiM Geo Scanのバージョンアップが行われたそうですね。
八尋:ご存知の方も増えてきましたが、OPTiM Geo Scanは、国交省が定めた3次元計測技術を用いた出来形管理要領に準拠する精度を有する、3次元スマホ測量アプリです。
全国の現場に積極的に出向き、地道にユーザーの皆様の声を汲み取っていく中で、以前より要望が多かったのが、「3次元点群密度を調整できて測量ができたらもっといいな」というものでした。
―― どういうことなのでしょうか?もう少し具体的にお聞かせください。
八尋:じつは今、電力や通信、道路など各インフラ事業者が3次元点群データで計測したり、そのデータを活用する動きが加速しているんです。
例えば、地下埋設物を3次元点群データで計測するケースですね。ただ、点群密度が粗いと、せっかく3次元データを取得しても役に立たないんですよね。
―― 確かに。配管など「どこになにが埋まっているか」が、3次元点群データからでも鮮明にわからなければ、意味がないですね。
八尋:そうなんです。構造物のエッジをしっかりと捉えられるくらい密度が濃くなければ駄目なんですよね。
さらにいうと、配管などがどこに埋まっているのか?その正確な位置情報もわかるともっと助かるという声も多かったんです。
――「正確な位置情報」はOPTiM Geo Scanのストロングポイントですよね
八尋:その通りです。OPTiM Geo Scanは国土地理院の「平面直角座標系」に対応しており、測量誤差はわずか±50mmです。
先ほども申したとおり、国交省が定めた3次元計測技術を用いた出来形管理要領に準拠する精度を有しておりますので、地下埋設物などにおいて「どこに、なにがあるか」を正確に知ることができるんです。
また、インフラの埋設物はもちろん、トンネル・橋梁といった構造物の距離計算でも活用しやすくなっていると思います。
高密度で3次元点群を取得できるようになったことで、これまで引き合いの多かった土木の事業者様だけでなく、インフラ関係の事業者様からも、多くのお問い合わせをいただけるようになっています。
――点群密度の調整について概要は理解できました。本機能の使い方などを具体的に教えていただけますか?
八尋:従来は1フレームに500ポイント、つまり画面の範囲に500個の3次元点群を表示できていました。
この点群の数を「10倍」と「20倍」まで増やして計測することが可能になりました。20倍が1フレーム1万ポイント、高密度と呼ばれるレベルになります。
――リアルな空間が、3次元点群内でもイメージできますね。モノの境界線も鮮明ですね。
八尋:写真にかなり近い画像になっていますよね。高密度で表示できると、遠隔でも対象物が視覚的に捉えやすくなります。たとえば「埋まっている管は塩ビパイプだな」というところまで判別できれば、業務効率はかなり向上します。
今回のバージョンアップに際して従来の1フレーム500ポイントをデフォルトに、そして新たに10倍と20倍の選択肢を増やしました。
――点群密度は「3段階から選択」できるようになっているのですね。
八尋:そうです。高密度計測が必要のない場合もありますので、点群密度は簡単に変更できるようになっています。
ちなみに新機能実装に合わせて、点群の処理速度も大幅に改善しています。
旧来の性能のままですと、点群処理を待ってゆっくり計測していると誤差が生じやすくなります。それに処理に時間がかかるとやはり「使い勝手が悪いな…」という印象ができてしまい良くありませんからね。
――おお、スマートフォンをサッと動かしても、OPTiM Geo Scanでの計測がスムーズですね。
八尋:使い方次第では、地上型レーザースキャナよりも密度を濃く表示させることが可能です。
――それはすごい。どのように使うのですか?
八尋:地上型レーザースキャナは地面に設置して撮影するため、機器から距離が遠くなればなるほど、どうしてもデータが粗くなってしまいます。
一方で、OPTiM Geo Scanはスマホを手に持って計測できるので、均等な濃さで撮影が可能です。
地上型レーザースキャナのように三脚で固定して測定する場合は、必要ないところも入り込んでしまいますが、OPTiM Geo Scanであれば、必要な場所だけをより濃く計測できるというのも、便利なポイントと言えるでしょう。
――少し気になったのが、高密度で点群が取得できようになったことで、データ容量が大きくなってしまいそうですが。
八尋:デフォルトモードで容量は10MB程度、高密度の点群モードでも100MBクラスかと思います。
もちろん、計測エリアが広いほど、データ容量は増えますが、それはどんな機器でも同じですからね。OPTiM Geo Scanの場合、ギガバイト(GB)になることはめったにないと思います。
――OPTiM Geo Scan全体の話についても伺いたいのですが、2022年、2023年は、オプティムも全国各地の展示会に積極的に出展されていましたよね?展示会で感じたことなどありますか?
八尋:以前は「生産性向上」というキーワードに対して、みなさん関心が高いように感じました。
もちろん今でも「生産性向上」は事業者のみなさんにとって大事なテーマではあるのですが、とくに最近は「働き方改革」というキーワードへの注目度が一気に上がっているように感じます。
オプティムの展示ブースに来ていただく業界関係者様、とくに現場の方々は、「これまで自分たちは時間をかけて泥臭くやってきた測量だけど、Geo Scanがあれば、かなりラクに、スマートに測量ができるようになるな」「若手社員に長く働いてもらうためにも絶対に必要なソリューションだ」などと、より期待感に溢れたリアルな感想をいただく機会が一気に増えてきましたね。
端的にアップデート内容を説明するなら、「点群密度の調整が可能になった」ということ。つまり、高密度で3次元点群を取得したり、逆に、密度設定を低くして測量したりと、目的に応じて3次元測量ができるようになったというわけだ。
今回のアップデート内容は、かねてより多くのユーザーから要望があったため、オプティムでは、開発スピードを早めたという。今回の新機能「点群密度の調整」について、さらにはスマホ測量の現在のトレンドなどを、オプティム OPTiM Geo Scanセールス担当の八尋氏(以下、敬称略)に伺った。
インフラの現場で求められていた、高密度での3次元測量
―― OPTiM Geo Scanのバージョンアップが行われたそうですね。
八尋:ご存知の方も増えてきましたが、OPTiM Geo Scanは、国交省が定めた3次元計測技術を用いた出来形管理要領に準拠する精度を有する、3次元スマホ測量アプリです。
全国の現場に積極的に出向き、地道にユーザーの皆様の声を汲み取っていく中で、以前より要望が多かったのが、「3次元点群密度を調整できて測量ができたらもっといいな」というものでした。
―― どういうことなのでしょうか?もう少し具体的にお聞かせください。
八尋:じつは今、電力や通信、道路など各インフラ事業者が3次元点群データで計測したり、そのデータを活用する動きが加速しているんです。
例えば、地下埋設物を3次元点群データで計測するケースですね。ただ、点群密度が粗いと、せっかく3次元データを取得しても役に立たないんですよね。
―― 確かに。配管など「どこになにが埋まっているか」が、3次元点群データからでも鮮明にわからなければ、意味がないですね。
八尋:そうなんです。構造物のエッジをしっかりと捉えられるくらい密度が濃くなければ駄目なんですよね。
さらにいうと、配管などがどこに埋まっているのか?その正確な位置情報もわかるともっと助かるという声も多かったんです。
――「正確な位置情報」はOPTiM Geo Scanのストロングポイントですよね
八尋:その通りです。OPTiM Geo Scanは国土地理院の「平面直角座標系」に対応しており、測量誤差はわずか±50mmです。
先ほども申したとおり、国交省が定めた3次元計測技術を用いた出来形管理要領に準拠する精度を有しておりますので、地下埋設物などにおいて「どこに、なにがあるか」を正確に知ることができるんです。
また、インフラの埋設物はもちろん、トンネル・橋梁といった構造物の距離計算でも活用しやすくなっていると思います。
高密度で3次元点群を取得できるようになったことで、これまで引き合いの多かった土木の事業者様だけでなく、インフラ関係の事業者様からも、多くのお問い合わせをいただけるようになっています。
高密度な3次元点群データは、まるで写真のよう
――点群密度の調整について概要は理解できました。本機能の使い方などを具体的に教えていただけますか?
八尋:従来は1フレームに500ポイント、つまり画面の範囲に500個の3次元点群を表示できていました。
この点群の数を「10倍」と「20倍」まで増やして計測することが可能になりました。20倍が1フレーム1万ポイント、高密度と呼ばれるレベルになります。
――リアルな空間が、3次元点群内でもイメージできますね。モノの境界線も鮮明ですね。
八尋:写真にかなり近い画像になっていますよね。高密度で表示できると、遠隔でも対象物が視覚的に捉えやすくなります。たとえば「埋まっている管は塩ビパイプだな」というところまで判別できれば、業務効率はかなり向上します。
今回のバージョンアップに際して従来の1フレーム500ポイントをデフォルトに、そして新たに10倍と20倍の選択肢を増やしました。
――点群密度は「3段階から選択」できるようになっているのですね。
八尋:そうです。高密度計測が必要のない場合もありますので、点群密度は簡単に変更できるようになっています。
ちなみに新機能実装に合わせて、点群の処理速度も大幅に改善しています。
旧来の性能のままですと、点群処理を待ってゆっくり計測していると誤差が生じやすくなります。それに処理に時間がかかるとやはり「使い勝手が悪いな…」という印象ができてしまい良くありませんからね。
――おお、スマートフォンをサッと動かしても、OPTiM Geo Scanでの計測がスムーズですね。
八尋:使い方次第では、地上型レーザースキャナよりも密度を濃く表示させることが可能です。
――それはすごい。どのように使うのですか?
八尋:地上型レーザースキャナは地面に設置して撮影するため、機器から距離が遠くなればなるほど、どうしてもデータが粗くなってしまいます。
一方で、OPTiM Geo Scanはスマホを手に持って計測できるので、均等な濃さで撮影が可能です。
地上型レーザースキャナのように三脚で固定して測定する場合は、必要ないところも入り込んでしまいますが、OPTiM Geo Scanであれば、必要な場所だけをより濃く計測できるというのも、便利なポイントと言えるでしょう。
――少し気になったのが、高密度で点群が取得できようになったことで、データ容量が大きくなってしまいそうですが。
八尋:デフォルトモードで容量は10MB程度、高密度の点群モードでも100MBクラスかと思います。
もちろん、計測エリアが広いほど、データ容量は増えますが、それはどんな機器でも同じですからね。OPTiM Geo Scanの場合、ギガバイト(GB)になることはめったにないと思います。
「2024年問題」を契機に、事業者の関心にも大きな変化が。
――OPTiM Geo Scan全体の話についても伺いたいのですが、2022年、2023年は、オプティムも全国各地の展示会に積極的に出展されていましたよね?展示会で感じたことなどありますか?
八尋:以前は「生産性向上」というキーワードに対して、みなさん関心が高いように感じました。
もちろん今でも「生産性向上」は事業者のみなさんにとって大事なテーマではあるのですが、とくに最近は「働き方改革」というキーワードへの注目度が一気に上がっているように感じます。
オプティムの展示ブースに来ていただく業界関係者様、とくに現場の方々は、「これまで自分たちは時間をかけて泥臭くやってきた測量だけど、Geo Scanがあれば、かなりラクに、スマートに測量ができるようになるな」「若手社員に長く働いてもらうためにも絶対に必要なソリューションだ」などと、より期待感に溢れたリアルな感想をいただく機会が一気に増えてきましたね。
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