コラム・特集
スマホ測量のパイオニア「OPTiM Geo Scan」に新機能「Geo Point」が搭載!ユーザーファーストを貫く、その使い勝手の良さに迫る
2021年のリリースからわずか1年で、スマホ測量のパイオニア的存在になりつつある「OPTiM Geo Scan」。iPhoneやiPad Proで誰でもカンタンに測量ができるソリューションだが、リリース当初は「スマホで測量といっても、精度はどうなの?」「実際の業務では活用できないでしょ?」と、懐疑的な意見があったのも事実……。
しかし2022年度4月、国交省から、 ICT施工におけるモバイル端末を使用したLiDAR測量方法が、出来形管理計測利用のための必要な精度(±50mm)を有すると評価され、新たに「出来形管理要領」が策定された。
「OPTiM Geo Scan」はこの要領に準拠しており、起工測量、中間出来高測量、出来形測量といった工程で、正式に利用できる測量ソリューションとして、その地位を確固たるものに。測量機器として、ひときわ存在感を強くしている。
そして出来形管理要領に準拠のニュースの1ヶ月前(2022年3月)には「OPTiM Geo Scan」に新機能が搭載された。その名も「Geo Point」。どうやらICT初心者でも馴染みのある新機能らしい。その全容を探るべく、「OPTiM Geo Scan」開発・販売を手掛ける株式会社オプティム ゼネラルマネージャー 坂田氏に話を聞いた。
――「OPTiM Geo Scan」の新機能「Geo Point」とは、そもそもどういった機能なのでしょうか?
坂田:Geo Pointは2つの機能に大別されます。「GNSS測量機能」と「杭打ち機能」です。「OPTiM Geo Scan」アプリをインストールしているiPhone(iPad Pro)とGNSSレシーバーさえあれば、どちらの新機能も使っていただけます。
――では「GNSS測量機能」について詳しく教えてください。
坂田:これまでの「OPTiM Geo Scan」だと、測量したいエリアを「面」で測定していくイメージでした。しかし、新機能の「GNSS測量」を使えば、位置情報(平面直角座標系のXYZ)をピンポイントで取得できます。つまり、知りたい座標を「点」で得られるのです。
「点」での位置情報取得は、従来ですと数百万円はする専門的なデバイス(GNSSローバーなど)が必要でしたが、それが「OPTiM Geo Scan」を契約していれば、値段は変わらずに使用していただけるようになっています。
――「GeoPoint」の1つ目の新機能「GNSS測量」は、いわば「面」ではなく「点」でXYZのデータが得られると。
坂田:そうですね。おかげさまで「OPTiM Geo Scan」はその使い勝手の良さから多くの建設会社さん、建設コンサルタント会社さん、測量会社さん、インフラ会社さんなどで活用いただけるようになっています。ただ、私が全国の事業者さんに伺い、ヒアリングを重ねていく中で、明らかになったことがあるんです。
3次元とかICTとか、スマホ測量が初めての方々から、OPTiM Geo Scanで広域で3D点群を取得したところで、結局、そのデータを持て余してしまったり、活用しきれない」という声が多く上がっていたんですよね。
しかし、彼らも「点」と「点」を結んで「縦断図」「横断図」を作成していくことには馴染みがあるわけですよ。普段から2次元でやっていることですからね。
そこで「OPTiM Geo Scan」でも「点」で高精度な位置情報を取得できれば、スマホ測量に難しさを感じている事業者さんでも、心理的ハードルを下げて、気軽にお使えいただけるようになると考えたんです。
――なるほど!すでに事業者さんに馴染みのある作業を、「OPTiM Geo Scan」(スマホ測量)で可能にしたというわけですね。坂田さん、実際にGNSS機能をやってみていただけますか?
坂田:実際に「点」と「点」を取得していきますね。スマホだけで高精度な位置情報が取得できますし、点と点を結んでカンタンに「線(図面)」が描けます。
現況の把握をするための平面測量や縦断測量においてトータルステーションを用いた従来の手法と比較すると9割以上の時間短縮になります。
―― そんなに大幅に短縮できるんですね。逆に、従来は大きな手間と時間がかかっていたんですね
坂田:そうなんです。某県の事業者さんの現場の話をさせていただきます。「小規模河川の工事を前にして、発注者側が所持していたのは、全長3キロメートルの河川に対して、数カ所だけの図面しかありませんでした。
しかしそれでは、施工をする際にズレが生じるのは明らかです。だから受注した事業者さんは自らで細かく測量を行う必要がありました。しかし、詳細に測量をといってもその程度の規模だと、約1ヶ月は測量だけでもかかってしまいます。しかも、そんな大変な思いをしても、受注額は変わらないわけです。
―― 地元の小さな建設会社のベテラン社員の方々が、地域のインフラを守るためとはいえ、結構な重労働ですよね……。
坂田:そうですよね。そんな方たちから、ある時「スマホで測量ができるって聞いたんですけど、オプティムさんなんとかなりませんか?」というお問い合わせがあったんです。
そこで我々は現場に飛んでいきました。ちょうど新機能の「Geo Scan」を実装したばかりでしたから、絶好のタイミングだったんですよ。
ポールにGNSSレシーバーを取付ければ、生い茂る草木や河川上でもピンポイントで位置情報が取得可能です。「OPTiM Geo Scan」がなければ1ヶ月はかかっていたであろう測量作業を、3日程度で終えることができました。
その事業者さんも本当に喜んでくれましたし「こんなに早く正確にできるなんて」と驚いてくださっていました。
――「Geo Point」のもう一つの機能「杭打ち」についても教えていただけますか?
坂田:iPhoneとGNSSレシーバーを手に持って歩くだけで、目標地点(あらかじめOPTiM Geo Scanアプリに登録する)まで正確に誘導してくれる。それが「杭打ち機能」です。
――「誘導してくれる」というのはどういうことでしょうか?
坂田:ふたつのモードがありまして「地図モード」では、従来の地図アプリのように、目的地点と自身の現在の場所がiPhone上に表示されます。
もうひとつの「接近モード」を使えば、目標地点に近づくにつれて「ピー!」っと音で知らせてくれます。ですから、迷わずに目標地点を見つけ出し、杭打ちすることが可能です。
――すごい!ドラゴンボールのドラゴンレーダーみたいでワクワクしますね
坂田:現場での境界の位置出しや、地中埋設物の位置確認などで活用していただけますよ。「杭打ち」作業自体は、従来からある作業ですが、例えば、50箇所の「杭打ち」をするとなると、トータルステーションを活用しても、2、3名体制で丸一日はかかります。しかし、「Geo Point」の杭打ち機能を使えば、1名体制で半日程度で作業を終えることができるんです。
――「杭打ち」機能も大幅な作業時間短縮につながるんですね!新機能をリリース後、反響はいかがですか?
坂田:先ほども申した通り、建設会社や測量会社だけでなく、建設コンサルタント企業やインフラ系の企業、自治体、農業や林業系企業など、様々な業種の方々からお問い合わせをいただく機会が増えましたね。
あとは、「こういうシーンでも使えますか?」「こんなふうに活用できそうですね」と、私たちが気づかない使い方を提案してくださることも多く、大変勉強になりますし、それらの声を開発にもつなげていければと考えています。
――最後に今後の展開や展望などについてお聞かせください。
坂田:新規のお客様、既存のお客様に関わらず、ユーザーの皆様の満足度を高め続けていくことは、大切だと捉えています。立ち止まらないことですね。あとは、「OPTiM Geo Scan」によって、測量がラクになって、コストも時間も大きく削減できた!という好循環をもっともっと、多くの現場で作っていきたいですね。
しかし2022年度4月、国交省から、 ICT施工におけるモバイル端末を使用したLiDAR測量方法が、出来形管理計測利用のための必要な精度(±50mm)を有すると評価され、新たに「出来形管理要領」が策定された。
「OPTiM Geo Scan」はこの要領に準拠しており、起工測量、中間出来高測量、出来形測量といった工程で、正式に利用できる測量ソリューションとして、その地位を確固たるものに。測量機器として、ひときわ存在感を強くしている。
そして出来形管理要領に準拠のニュースの1ヶ月前(2022年3月)には「OPTiM Geo Scan」に新機能が搭載された。その名も「Geo Point」。どうやらICT初心者でも馴染みのある新機能らしい。その全容を探るべく、「OPTiM Geo Scan」開発・販売を手掛ける株式会社オプティム ゼネラルマネージャー 坂田氏に話を聞いた。
「面」だけでなく「点」での測量が可能に
――「OPTiM Geo Scan」の新機能「Geo Point」とは、そもそもどういった機能なのでしょうか?
坂田:Geo Pointは2つの機能に大別されます。「GNSS測量機能」と「杭打ち機能」です。「OPTiM Geo Scan」アプリをインストールしているiPhone(iPad Pro)とGNSSレシーバーさえあれば、どちらの新機能も使っていただけます。
――では「GNSS測量機能」について詳しく教えてください。
坂田:これまでの「OPTiM Geo Scan」だと、測量したいエリアを「面」で測定していくイメージでした。しかし、新機能の「GNSS測量」を使えば、位置情報(平面直角座標系のXYZ)をピンポイントで取得できます。つまり、知りたい座標を「点」で得られるのです。
「点」での位置情報取得は、従来ですと数百万円はする専門的なデバイス(GNSSローバーなど)が必要でしたが、それが「OPTiM Geo Scan」を契約していれば、値段は変わらずに使用していただけるようになっています。
――「GeoPoint」の1つ目の新機能「GNSS測量」は、いわば「面」ではなく「点」でXYZのデータが得られると。
坂田:そうですね。おかげさまで「OPTiM Geo Scan」はその使い勝手の良さから多くの建設会社さん、建設コンサルタント会社さん、測量会社さん、インフラ会社さんなどで活用いただけるようになっています。ただ、私が全国の事業者さんに伺い、ヒアリングを重ねていく中で、明らかになったことがあるんです。
3次元とかICTとか、スマホ測量が初めての方々から、OPTiM Geo Scanで広域で3D点群を取得したところで、結局、そのデータを持て余してしまったり、活用しきれない」という声が多く上がっていたんですよね。
しかし、彼らも「点」と「点」を結んで「縦断図」「横断図」を作成していくことには馴染みがあるわけですよ。普段から2次元でやっていることですからね。
そこで「OPTiM Geo Scan」でも「点」で高精度な位置情報を取得できれば、スマホ測量に難しさを感じている事業者さんでも、心理的ハードルを下げて、気軽にお使えいただけるようになると考えたんです。
GNSS測量で圧倒的な作業時間の短縮を実現
――なるほど!すでに事業者さんに馴染みのある作業を、「OPTiM Geo Scan」(スマホ測量)で可能にしたというわけですね。坂田さん、実際にGNSS機能をやってみていただけますか?
坂田:実際に「点」と「点」を取得していきますね。スマホだけで高精度な位置情報が取得できますし、点と点を結んでカンタンに「線(図面)」が描けます。
▼Geo Point「GNSS測量機能」を動画でもチェック!▼
現況の把握をするための平面測量や縦断測量においてトータルステーションを用いた従来の手法と比較すると9割以上の時間短縮になります。
―― そんなに大幅に短縮できるんですね。逆に、従来は大きな手間と時間がかかっていたんですね
坂田:そうなんです。某県の事業者さんの現場の話をさせていただきます。「小規模河川の工事を前にして、発注者側が所持していたのは、全長3キロメートルの河川に対して、数カ所だけの図面しかありませんでした。
しかしそれでは、施工をする際にズレが生じるのは明らかです。だから受注した事業者さんは自らで細かく測量を行う必要がありました。しかし、詳細に測量をといってもその程度の規模だと、約1ヶ月は測量だけでもかかってしまいます。しかも、そんな大変な思いをしても、受注額は変わらないわけです。
―― 地元の小さな建設会社のベテラン社員の方々が、地域のインフラを守るためとはいえ、結構な重労働ですよね……。
坂田:そうですよね。そんな方たちから、ある時「スマホで測量ができるって聞いたんですけど、オプティムさんなんとかなりませんか?」というお問い合わせがあったんです。
そこで我々は現場に飛んでいきました。ちょうど新機能の「Geo Scan」を実装したばかりでしたから、絶好のタイミングだったんですよ。
ポールにGNSSレシーバーを取付ければ、生い茂る草木や河川上でもピンポイントで位置情報が取得可能です。「OPTiM Geo Scan」がなければ1ヶ月はかかっていたであろう測量作業を、3日程度で終えることができました。
その事業者さんも本当に喜んでくれましたし「こんなに早く正確にできるなんて」と驚いてくださっていました。
――「Geo Point」のもう一つの機能「杭打ち」についても教えていただけますか?
坂田:iPhoneとGNSSレシーバーを手に持って歩くだけで、目標地点(あらかじめOPTiM Geo Scanアプリに登録する)まで正確に誘導してくれる。それが「杭打ち機能」です。
――「誘導してくれる」というのはどういうことでしょうか?
坂田:ふたつのモードがありまして「地図モード」では、従来の地図アプリのように、目的地点と自身の現在の場所がiPhone上に表示されます。
もうひとつの「接近モード」を使えば、目標地点に近づくにつれて「ピー!」っと音で知らせてくれます。ですから、迷わずに目標地点を見つけ出し、杭打ちすることが可能です。
▼Geo Point「杭打ち機能」を動画でもチェック!▼
――すごい!ドラゴンボールのドラゴンレーダーみたいでワクワクしますね
坂田:現場での境界の位置出しや、地中埋設物の位置確認などで活用していただけますよ。「杭打ち」作業自体は、従来からある作業ですが、例えば、50箇所の「杭打ち」をするとなると、トータルステーションを活用しても、2、3名体制で丸一日はかかります。しかし、「Geo Point」の杭打ち機能を使えば、1名体制で半日程度で作業を終えることができるんです。
現場のニーズをキャッチアップして、新たな開発に繋げる
――「杭打ち」機能も大幅な作業時間短縮につながるんですね!新機能をリリース後、反響はいかがですか?
坂田:先ほども申した通り、建設会社や測量会社だけでなく、建設コンサルタント企業やインフラ系の企業、自治体、農業や林業系企業など、様々な業種の方々からお問い合わせをいただく機会が増えましたね。
あとは、「こういうシーンでも使えますか?」「こんなふうに活用できそうですね」と、私たちが気づかない使い方を提案してくださることも多く、大変勉強になりますし、それらの声を開発にもつなげていければと考えています。
――最後に今後の展開や展望などについてお聞かせください。
坂田:新規のお客様、既存のお客様に関わらず、ユーザーの皆様の満足度を高め続けていくことは、大切だと捉えています。立ち止まらないことですね。あとは、「OPTiM Geo Scan」によって、測量がラクになって、コストも時間も大きく削減できた!という好循環をもっともっと、多くの現場で作っていきたいですね。
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