コラム・特集
デジコン編集部 2024.12.19
測量アプリの現在地〜現場で使える?最新事例を紹介

大林組社員向け展示会にてワンマン測量アプリ『OPTiM Geo Scan』に大きな反響! 〜 現場の声から見えた測量アプリの可能性と活用シーンとは? 〜

CONTENTS
  1. 途切れない来場者 〜 ワンマン測量アプリ「Geo Scan」への高い関心 〜
  2. 若手技術者を支援し、コスト削減も実現するワンマン測量アプリ「Geo Scan」
  3. 地域・エリア特性に応じた「Geo Scan」の多様な活用可能性
  4. 編集部 後記
大手ゼネコン大林組2024年10月10日、次世代技術社内で共有・展開する展示会を開催した。


同社が社内外の新規ICT技術やロボット技術等を広く社内で情報共有するために定期的に開催しているもので、各プロダクトの担当者から直接説明を聞き、実際に製品に見て、触れて機能を体感できる場として、当日は13時から17時まで来場者を迎えた。


土木、建築現場で活用できる最新技術が一堂に会する中、スマートフォンによるワンマン測量アプリOPTiM Geo Scan(以下、Geo Scan)」も大きな注目を集めた。

Geo Scanは、高価な測量機、CAD等をスマホの中に集約しており、「最先端の3次元ICT工事対応から、日常的な施工管理業務、測量や検査対応まで」をスマホ上にて1人で完結できる。

そのため、測量にとどまらず、建設現場の総合的な業務効率化を実現する。

大林組土木本部推薦による出展となったワンマン測量アプリ「Geo Scan」について、展示会で取材した大林組の社員たちの生の声をもとに、現場での具体的な活用の可能性を探る。

途切れない来場者 〜 ワンマン測量アプリ「Geo Scan」への高い関心 〜


オプティム社の「Geo Scan」の展示ブースには、17時の終了時刻まで多くの来場者が訪れ、とくに実機による測量デモに高い関心を示していた。


この推薦の背景について、大林組・土木本部・先端技術推進室技術企画部長の吉田陽一氏は「現場で簡単に測量ができるという点が、とにかく魅力的でした」と語る。

続けて吉田氏は「現場で、ちょっとした生コンのボリュームを出したり、位置出しをしたいといった時に、スマホで完結するので使いやすいという実用性の高さが評価ポイントとなって導入を進めていこうということになり、「Geo Scanは使える!」という手応えを、社内の他部署や他エリアで働く社員とも共有したいとの思いから、今回の展示会に出展していただきました」


Geo Scanの全社的な活用可能性を探る機会となった今回の展示会において、Geo Scanブースに訪れた、関係者の声を中心に紹介していく。

若手技術者を支援し、コスト削減も実現するワンマン測量アプリ「Geo Scan」



現場監督を務める社員は、今回初めてワンマン測量アプリ「Geo Scan」の存在を知ったという。

「3次元測量や単点測量だけでなく、体積計算もできるというのには驚きました。生コンの発注シーンにおいて、簡単に体積(㎥)が算出できるので、若手でも不安なく生コンを発注できそうですね」と、若手技術者の業務支援ツールとしてGeo Scanが寄与し得ることに言及した。


さらに、ワンマン測量アプリGeo Scanのデータ管理方法にも注目が集まった。

「異なる日時に取得した点群データであっても、クラウドにアップロードすれば地図データ上に自動で測量データが重ね合わせられるという点は、時系列での現況確認・共有が容易になるため、非常に魅力的だ」(支店建築部門所属)




「従来の測量は外注すると、一日あたり数十万円かかるケースも珍しくありませんでした。その点で、ワンマン測量アプリGeo Scanを導入すれば大幅なコスト削減が見込めます」(本社建築部門所属)


さらに「施工時はもちろん、図面段階や計画段階でも活用できそう。特にGeo Scan Advanceを使えば、長距離&広範囲を一度に点群を取得できるので、用途の幅が広がりそうですね」といった声も、複数あがった。

地域・エリア特性に応じた「Geo Scan」の多様な活用可能性


札幌支店から訪れた建築部門の社員は「広大な土地が広がる北海道では、普段はドローンや地上型レーザースキャナなどの機材で3次元点群を取得することが多いです」と前置きしつつ、「ただドローンは準備や申請に時間がかかるのが難点でした。一方で、ワンマン測量アプリGeo Scanなら、その手間がなくとても手軽。土木の現場であれば、精度も申し分ないと感じました」と評価した。












続いて、現在は沖縄県の島しょ部での建設プロジェクトに従事する社員からは、「普段からドローン測量を行っているが、ドローンだと、どうしても取りこぼしが発生する。その取りこぼし部分を補完する意味でGeo Scanが活用できそう」とコメント。


また、工場建設の担当者からは、工場建設の前段階の活用可能性について言及。

「例えば、既存の工場敷地内に、新たに工場を新設するケースがあります。しかし、既存工場の図面は数十年前のものしかない場合もあり、その際には、現況把握が重要になります。従来は、高額な外注費用を払って点群取得をしていましたが、Geo Scanがあれば、手軽に点群データを取得できるので、自分たちだけで時間と費用をかけずにデータ取得ができそう」と、期待を寄せた。




さらにシンガポールにて建設プロジェクトに従事する担当者からは「現在、シンガポールは国をあげて、建設、建築分野のデジタル化を推進している」としつつ「ワンマン測量アプリGeo Scanは直感的な操作性が魅力だと感じた。これなら日本語がわからない現地作業員にも、画面を見せながら操作方法を伝えられそうだ」と、海外現場での活用可能性が示唆された。







さらに、設計部門の社員からは「造成工事や根切り、床付けなどのプロセスで重宝しそう」との声が上がった。

加えて、「自然の地形を活かして建築するランドスケープデザインにおいては、従来の数メートル間隔の測量では不十分な場合があります。Geo Scanなら数十センチ間隔で地形の起伏を把握できるため、コンタ(建築模型)作成時に非常に有用ではないか」との具体的な活用シーンも示された。










編集部 後記


今回の展示会会場では、全国各地の土木、建築のあらゆる現場が抱える多様なニーズにワンマン測量アプリ「Geo Scan」が一つの解決策となる可能性が示された。

特に、従来の測量手法では取得しきれなかった細かな地形データの取得や、日々変化する現場状況の記録・共有、さらには設計プロセスでの地形把握など、幅広い活用の可能性が示された。

スマートフォン1台で実現する手軽なワンマン測量アプリは、建設DXの実現に向けた有力なソリューションとして、大林組の土木現場を皮切りに全社的な導入、展開が期待される。


株式会社 大林組




WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。
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