建設業の倒産件数、10月までに1566件。人手不足と人件費高騰が主因に

帝国データバンクによる2024年1月から10月までの建設業倒産状況調査で、過去10年で最多のペースとなることが判明した。

深刻化する人材確保の課題

建設業界における人手不足感は69.8％に達し、特に資格保持者の確保が困難な状況が続いている。

現金給与総額は前年同月比で約10％上昇し、全産業平均を大きく上回る水準で推移している。

この人件費の高騰が、特に中小零細企業の経営を圧迫している。

複合的な経営環境の悪化

建築資材価格の高止まりに加え、4月からの残業時間上限規制導入により、建設現場の運営が一層厳しさを増している。

都市部での再開発事業や災害復旧工事による需要は旺盛である一方、人材確保の困難さから工期の延長や後ろ倒しが発生している。

さらに、住宅価格の高騰や金利上昇の影響で、戸建て住宅の着工数も低迷している。

こうした状況下で、賃上げ余力の乏しい中小建設業者の倒産増加傾向は今後も続く可能性が高いとされている。