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デジコン編集部 2022.4.20

大林組ら3社、山岳トンネルの鉄鋼支保工を遠隔で建て込み

大林組、マルマテクニカ(建機関連機器の製造を手掛ける)、カトウ(機械加工等を手掛ける)は共同で、山岳トンネルの掘削作業においての鋼製支保工を遠隔で建て込みする「クイックテレクター」を開発したと発表した。

山岳トンネルにおける掘削作業は、穿孔(せんこう)・装薬・発破・ずり出し・吹付けコンクリート・支保工建込み・ロックボルト打設の一連のサイクルとなる。


4〜5人必要だった作業員を2人まで省人化


これらすべての工程において、専用機械と複数の作業員が狭あいな作業環境の中で共存するうえ、山岳トンネル特有の地山に接近した状況での作業となる。

(従来の作業状況)

こうした作業環境において、重機との接触災害や崩落災害の危険性もあるため、切羽から作業員を遠ざけ、機械のみで遠隔操作をできるようにすることが長年の課題だった。

「クイックテレクター」は、吹付け機のアームの先端に取付ける4組のエレクター(トンネルの天井や壁面を支える支保工を所定の位置に移動させ据え付ける機械)で鋼製支保工を所定の位置に円滑に移動。

(クイックテレクター全景とガイダンスシステム)

支保工の天端(てんば)接合部には、ワンタッチで接合ができる特殊ジョイントを有しており、遠隔からの操作が可能だ。

また、簡易マーカーを使用したガイダンスシステムを併用することで、建て込む位置がデジタルデータとして表示されるため、従来の人力作業に遜色ない精度で建て込みができる。

加えて、取得したデータは今後の作業効率や精度向上、遠隔操作支援にもつながる。これら技術を組み合わせることで、従来は4~5人で行っていた作業を2人まで省人化することが可能になる。

今後は現場での実証実験などを重ねあらゆる現場に対応できる信頼性の高い装置に仕上げていくという。


大林組 土木事業
https://www.obayashi.co.jp/business/civil_engineering.html


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デジコン編集部

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