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デジコン編集部 2022.2.15

奥村組ら3社、「5次元施工シミュレーションシステム」開発。鉄道高架工事の実検証にて有効性を確認

株式会社奥村組、株式会社パスコ、株式会社ビーイングの3社は、これまで、建設工事における構造物の3次元モデルと工程情報(時間軸)を連携した「4次元施工シミュレーションシステム」の開発・適用を進めてきたが、このほど、このシステムに「積算情報」を加えた「5次元施工シミュレーションシステム」を開発。

鉄道高架工事の実検証において、その有効性を確認したと発表した。「5次元施工シミュレーションシステム」により、工事における進捗状況の管理に加え、施工計画の変更に伴うコスト情報の一元管理が可能となり、建設現場における業務効率化が図れるように。


5次元施工シミュレーションシステム ※サンプル画面


5次元施工シミュレーションシステムの概要


建設工事では、さまざまな条件により施工計画の変更が発生し、その都度、工程やコストなどの見直しが必要となるが、構造物の3次元モデル(設計図)、工程情報、積算情報はそれぞれ異なるシステムで管理されることが多く、施工計画の変更に伴う各情報への反映に時間を要してしまうという課題があった。

次元施工シミュレーションシステムは、パスコの3次元データ統合ソフト「PADMS(パダムス)」をベースとし、ビーイングの工程管理ソフト「BeingProject-CCPM(ビーイングプロジェクト-シーシーピーエム)」および積算ソフト「Gaia(ガイア)」を連携させたもの。

シミュレーション機能を搭載し、工事の進捗状況とコスト情報を一つの画面上で確認できるため、施工計画の変更に柔軟に対応することが可能だ。

システム概要図

5次元施工シミュレーションシステムの概要


1)積算情報・工程情報・構造物3次元モデルを一元化

  • 個別ソフトから出力される積算情報・工程情報・構造物の3次元モデル(CADオブジェクト)をIDで関連付け
  • IDで関連付けされた各情報を一元化し、時間軸で連動させることが可能
  • 工程情報を修正すると、工程管理ソフトに修正情報をフィードバック

2)施工計画・計画変更時のシミュレーションが可能

  • 簡単な操作で施工計画変更時のシミュレーションが可能
  • CADオブジェクトを、型枠工・鉄筋工・コンクリート工などの工種ごとで色分けし、工程の進捗を可視化
  • 足場や型枠支保工などの仮設部材は範囲および高さを簡易表示


システム画面・帳票イメージ


1)シミュレーション結果とコスト情報の表示

  • 工事全体および指定月における施工完了部分のコスト情報を円グラフで表示
  • 作業箇所のCADオブジェクトを着色し工事の進捗を可視化

システム画面 ※サンプル画面

2)出来高帳票の出力

  • 月毎の出来高金額をグラフ化
  • 当初計画と実績の進捗率をグラフ化
  • Excel書式で出来高帳票を出力

出来高帳票出力


今後、奥村組、パスコ、ビーイングは、実工事において本システムの適用を進め、ノウハウの蓄積とシステムの改良を重ねるとともに、多様な工種への展開を図っていく。BIM/CIMの原則適用を見据え、本システムの機能向上を図り、生産性向上に寄与するシステムとして展開して行く予定だ。


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