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デジコン編集部 2021.9.28

コベルコ建機、超長距離&多接続切替えによる遠隔操作の実証実験。札幌で広島の建機を操縦

コベルコ建機株式会社と北海道総合通信網株式会社(本社:北海道札幌市、以下、HOTnet)は、コベルコ建機の目指す「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」K-DIVE CONCEPT※の技術確立のために、建設機械の超長距離および多接続切り替え遠隔操作に関する実証実験を実施した。

コベルコ建機は、「誰でも働ける現場へ KOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定し、その実現に向けて中長期的に研究・開発を進めている。

そのひとつの柱であるK-DIVE CONCEPTは、クラウドマッチングシステムと建設機械の遠隔操作を融合させることで、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、建設現場での施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」を目指している。

この実現により、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保などが可能になると考えており、来年以降、段階的な実用化を目指しているという。


実証実験のイメージ図

今回の実証実験は、2020年9月に実施した札幌・帯広間での総距離約300kmの遠隔操作実証実験に続くもので、より長距離(総距離約1,800km)での通信ネットワークやデータセンターを介した建設機械の遠隔操作の検証に加え、今回新たに遠隔での操作機械の切り替えを試行するもの。

実証実験の様子(左:札幌での操作の様子、右:帯広/広島での遠隔稼働の様子)

今回の実験では、前回同様に北海道札幌市内にコックピット(建機の操縦席)を設置し、帯広市(コックピットとの総距離300km)と広島県広島市のコベルコ建機五日市工場内(コックピットとの総距離1,800km)にある2台の建設機械を札幌のコックピットで切り替えながら遠隔操作。

HOTnetは、通信事業者としてのノウハウや強みを活かし、K-DIVE CONCEPTに必要不可欠なネットワーク構築と自社データセンターおよびクラウドサービスの連携実現に協力した。

実証実験では、約1,800kmの遠隔地でも実際に機械に搭乗して操作した場合とほぼ同等の品質(通信遅延、作業効率等)で遠隔操作が可能であることに加え、オペレータが異なる場所にある複数の機械を切り替えながら効率的に作業できることを確認し、来年以降の段階的な実用化に向けて、大きな成果を得た。



※ “K-DIVE CONCEPT”とは、コベルコ建機が研究・開発を進める、次世代遠隔操縦技術を用いた「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」のことで、建設現場で働く人の働き方を大きく変え、豊かな生活、社会を実現することを目的としている。



参考:コベルコ建機株式会社 リリースより
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デジコン編集部

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