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デジコン編集部 2025.7.16

清水建設、自律施工型ブルドーザー「Smart Dozer」開発。2025年内に実現場適用を目指す

清水建設は、ボッシュエンジニアリング、山﨑建設と共同で自律施工型ブルドーザー「Smart Dozer」を開発したと発表した。

実証フィールドでの動作検証を経て、2025年内に実現場への適用を目指す。

高度な環境認識システムと経路自動生成で最適施工経路を自律判断


Smart Dozerは、運転動作の自律制御システムと環境認識システムを実装したブルドーザーで、動的に変化する周囲の環境に応じて最適な施工経路を自ら判断する自律施工機能を備えている。

他産業と比べて従業者の高齢化が進む建設業界では、熟練作業員の減少による生産能力の低下が懸念されており、施工の省人化技術の開発が急務の課題となっている。

3社は2020年度から、盛土作業に従事するブルドーザーの自動運転・自律施工機能の開発に取り組んできた。

2024年度までの研究成果として、自律施工の実現に不可欠な高度な環境認識システムを新たに開発している。


このシステムは周囲に存在する土砂山や建設機械、人、障害物を高精度に識別し、地形の高さをリアルタイムに検知できる機能を持つ。

車体の移動やブレードの上下動、緊急停止動作等の自律制御システムをブルドーザーに実装し、設定したプログラム通りに敷均し作業を遂行する自動運転を実現している。

実証フィールドでの動作検証では、待機場所から敷均しエリアまでの移動経路やエリア内での施工経路を自律的に導出する経路自動生成ソフトを環境認識システムに組み込んでいる。

建設機械が自ら周辺状況を検知して最適動作を判断する自律運転の実現を目指している。

環境認識機能の一部は、国土交通省が取り組んでいる「宇宙無人建設革新技術開発」の一環として同社が同省から研究開発を受託したものである。

建設機械による自律施工の拡大は、生産性向上や省人化に加え、作業員の業務負荷の軽減、労働環境の改善にもつながる。

現在進めているブルドーザーによる盛土工事の自律施工の取り組みを着実に進めるとともに、他の建設機械の自律化にも順次着手し、無人化施工を具現化していく考えである。




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デジコン編集部

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