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アクティオ。トンネル補修用ダクタル板把持装置を熊谷組と共同開発

アクティオは熊谷組と共同で、トンネルの補強や保護に用いるダクタル板を機械で設置するための把持装置を開発した。
従来の人力による設置作業を機械化することで、特に作業が困難なトンネル上半部においても安全性と施工効率の向上を実現している。
トンネル覆工の補強やはく落防止を目的としたサポートライニング工法において、ダクタル板を用いたライニング工事は従来、人が持てる重量に分割したダクタル板を人力で設置するのが一般的だった。
特にトンネル上半部の設置作業は高所での作業となり、作業者の負担が大きい苦渋作業となっていた。
今回開発された装置は、この課題を解決するためにクレーンとパネル把持機構を組み合わせたもので、ダクタル板を細分化することなくトンネルの全周を網羅して設置できることが特徴だ。
操作者は高所作業車からリモコン操作が可能なため、作業の安全性と容易さが大幅に向上している。
この把持装置の構成は、レンタル対応の前田製作所製テレスコピッククローラークレーン(CC423S、最大定格総荷重2.93t×作業半径1.5m)と、WIRTH GMBH社製オクトパス ガラスジャック(GL-CC600)のバキューム式吸着器を、専用の回転機構を介して組み合わせたものである。
バキューム式吸着器の特徴は、吸着器本体にバキューム機構が内蔵されていることで、4個のサクションカップで把持する設計となっている。

サクションカップ1個当たりの吸着力は定格で75kgで、動力はバッテリー駆動、操作は無線式リモコンにより行う。
実用化に向けては、数々の検証が行われている。
まず、4個のサクションカップのうち1系統が吸引不能となったと想定した試験が実施された。

製造メーカーの負荷試験(定格荷重の2倍)をダクタル板と鉄板を用いて行い、ダクタル板66kgと鉄板86kgを合わせた152kgを2個のサクションカップで把持させ、問題なく吸着できることが確認された。
また、1個のサクションカップの吸着力の限界も確認され、ダクタル板を水平方向に引っ張り、滑りを生じる荷重を引張型ロードセルで計測した結果、実験時の最小値で引張荷重1,614N(約164kg)となり、定格荷重の2倍以上の耐力があることが証明された。
さらに、実際の施工条件を想定し、半径5,000mmの鋼製支保工2本を設けた環境で、ダクタル板を鋼製支保工のフランジ内側に設置する場合と外側に設置する場合の2通りの施工検証が行われた。
3種類のダクタル板を使用した検証の結果、いずれの場合も施工性に問題がないことが確認されている。
従来の人力による設置作業を機械化することで、特に作業が困難なトンネル上半部においても安全性と施工効率の向上を実現している。
バキューム式吸着器と汎用クレーンを組み合わせ、定格の2倍の吸着力を実証試験で確認
トンネル覆工の補強やはく落防止を目的としたサポートライニング工法において、ダクタル板を用いたライニング工事は従来、人が持てる重量に分割したダクタル板を人力で設置するのが一般的だった。
特にトンネル上半部の設置作業は高所での作業となり、作業者の負担が大きい苦渋作業となっていた。
今回開発された装置は、この課題を解決するためにクレーンとパネル把持機構を組み合わせたもので、ダクタル板を細分化することなくトンネルの全周を網羅して設置できることが特徴だ。
操作者は高所作業車からリモコン操作が可能なため、作業の安全性と容易さが大幅に向上している。
この把持装置の構成は、レンタル対応の前田製作所製テレスコピッククローラークレーン(CC423S、最大定格総荷重2.93t×作業半径1.5m)と、WIRTH GMBH社製オクトパス ガラスジャック(GL-CC600)のバキューム式吸着器を、専用の回転機構を介して組み合わせたものである。
バキューム式吸着器の特徴は、吸着器本体にバキューム機構が内蔵されていることで、4個のサクションカップで把持する設計となっている。

サクションカップ1個当たりの吸着力は定格で75kgで、動力はバッテリー駆動、操作は無線式リモコンにより行う。
実用化に向けては、数々の検証が行われている。
まず、4個のサクションカップのうち1系統が吸引不能となったと想定した試験が実施された。

製造メーカーの負荷試験(定格荷重の2倍)をダクタル板と鉄板を用いて行い、ダクタル板66kgと鉄板86kgを合わせた152kgを2個のサクションカップで把持させ、問題なく吸着できることが確認された。
また、1個のサクションカップの吸着力の限界も確認され、ダクタル板を水平方向に引っ張り、滑りを生じる荷重を引張型ロードセルで計測した結果、実験時の最小値で引張荷重1,614N(約164kg)となり、定格荷重の2倍以上の耐力があることが証明された。
さらに、実際の施工条件を想定し、半径5,000mmの鋼製支保工2本を設けた環境で、ダクタル板を鋼製支保工のフランジ内側に設置する場合と外側に設置する場合の2通りの施工検証が行われた。
3種類のダクタル板を使用した検証の結果、いずれの場合も施工性に問題がないことが確認されている。
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