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デジコン編集部 2024.9.18

大東建託、ウズベキスタンから建設技術者を採用。建設業の人材不足解消へ新たな一手

建設業界の人材不足が深刻化する中、大手建設会社の大東建託が革新的な取り組みを開始した。

同社はウズベキスタンから高度外国人材を採用し、建設技術者として育成する計画を発表。この施策は、建設業界が直面する2024年問題への対応策として注目を集めている。

建設業の人材不足に挑む大東建託の新戦略


大東建託株式会社は9月14日から15日にかけて、ウズベキスタンの首都タシケントにある国立工科大学で現地面接を実施。5名の優秀な学生を採用する予定だ。

この取り組みは、国内の学生人口減少や理系学生の減少、さらには2024年4月から適用される建設業の時間外労働の上限規制など、建設業界を取り巻く厳しい環境に対応するものである。

ウズベキスタン人材の特性を活かした即戦力化


大東建託が注目したのは、ウズベキスタン人材の優れた特性だ。真面目さやコミュニケーション能力の高さ、建設業への強い関心などを評価し、即戦力となる建設技術者の育成を目指している。

採用された学生は12月に来日し、2025年4月から日本人新卒社員と共に研修を受ける。その後、東京都内3拠点の工事部門に配属され、施工管理業務を担当する予定だ。

1級建築施工管理技士の資格取得支援


注目すべきは、同社が採用した外国人材に対し、最短4年での1級建築施工管理技士の資格取得を支援する点だ。

これは、ライセンスを要する第一線現場人材の獲得としては日本初の試みとなる。1級建築施工管理技士は、建築工事全般の施工計画作成や現場での工程管理、品質・安全面の指導を行う重要な国家資格である。

2024年度からは資格取得要件が厳格化され、第二次検定受験には最短4年の実務経験が必要となる。

外国人材採用後の手厚いサポート体制


大東建託は外国人建設技術者の採用後も手厚いサポートを行う。来日前には日本語研修や仕事の事前研修、ビザ取得支援を実施。来日後も社宅の提供や生活サポート、継続的な日本語教育、OJTなどを通じて、円滑な業務遂行と日本社会への適応を支援する。

この取り組みを通じて、大東建託は高品質な賃貸建物の安定供給に向けた品質管理と直接施工体制の維持・強化を図る考えだ。建設業界全体が人材不足に悩む中、同社の外国人建設技術者活用策は、業界他社からも注目を集めている。

建設業における外国人材の活用は今後さらに広がりを見せる可能性がある。しかし、言語や文化の違いによる課題も予想され、各社の取り組み次第では、業界全体の生産性向上や国際化にもつながる可能性を秘めている。

大東建託の試みが、建設業界における人材戦略の新たなモデルケースとなるか、今後の展開が注目される。


参考・画像元:大東建託プレスリリース
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デジコン編集部

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