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デジコン編集部 2023.5.31

横浜市とパスコ、AIと3次元計測での実証をスタート。河川管理の目視点検ゼロへ!

パスコと横浜市は、河川の堆積土砂を解消する実証実験を開始した。

実証実験では、航空写真をAI画像判読により、堆積土砂の位置をあらかじめ把握し、該当する場所の3次元計測データによる土砂堆積状況の把握と、情報の蓄積による堆積傾向の把握について検証する。

河川管理の目視点検ゼロを目指すAIと3D計測の河川DX


大雨の際には、雨水と土砂が同時に河川へ流れ込み、河道に土砂が堆積することで流れが阻害され、氾濫の原因となる。

防止のため、横浜市では職員による目視点検により、土砂堆積状況を把握しているが、対象となる河川の延長は約86キロにものぼり、点検作業には多大な時間と労力がかかるだけでなく、職員のスキルや経験によって点検結果に差が生じる。

そのため横浜市では、DXの取組みとして、行政業務や行政サービスの課題改善に関する要望(ニーズ)と、解決する民間企業などが有するデジタル技術(シーズ)提案をマッチングするオープンなプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!(ヨコハマハック)」で民間から提案を募集したところ、パスコの提案が採択された。

実証実験は2023年6月30日までの期間行われ、対象となる河川は平戸永谷川、柏尾川、日野川、和泉川の4河川で、延長は約5.24キロ。

実証では、「土砂堆積箇所の抽出」「土砂堆積量の算出」「土砂堆積傾向の把握」の3項目で高度化や効率化を目的としている。

土砂堆積箇所の抽出では、横浜市が撮影した直近の航空写真をもとに、AIで画像を判読し、土砂堆積箇所の発生や拡大の箇所を「見える化」する。

次に土砂堆積量の算出では、AI画像判読で抽出された土砂堆積箇所を、従来の標定点測量よりも効率的なパスコの現地調査ツール「SmartSOKURYO POLE」を用いて地表面標高を測量し、堆積厚(「測量した地表面標高」-「管理掘削高(計画河床高/計画高水敷高など)」)を確認。

SmartSOKURYO POLEは、高性能なGNSSアンテナからリアルタイムで座標を取得し、現地で記録するアプリケーションを備えたパスコ製の現地調査ツール。

堆積厚が大きく川の流れを大きく阻害しているエリアは、現地の写真撮影、またはレーザースキャナーで3次元データを取得し、3次元モデルを作成して、堆積量を算出する。

土砂堆積傾向の把握では、航空写真の表示と対策箇所を重ねて表示できる3次元表示ソフトにデータを移行することで、データの蓄積や確認が可能となり、対策箇所の合意形成の効率化を図る。


参考・画像元:パスコプレスリリース
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デジコン編集部

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