ニュース
デジコン編集部 2025.7.4

熊谷組、山岳トンネル鋼製支保工自動建込技術を国内初適用。イタリアMACCAFERRI社技術で切羽作業の無人化推進

熊谷組は岡三リビック、伊藤忠丸紅住商テクノスチールと共同で、MACCAFERRI社開発の鋼製支保工自動建込技術の国内初となる試験施工を実施した。

山岳トンネル切羽作業の無人化・遠隔化・機械化を推進し、作業員の高リスク環境下での作業を大幅に削減する技術として期待される。

ヒンジ機構付き上下半一体型支保工で作業員の切羽立ち入りを不要に


近年、山岳トンネル工事では機械化が進んでいるものの、切羽直近での支保工設置作業では依然として作業員が高リスク環境下で作業を行う必要がある状況が続いている。

従来の支保工設置作業では位置合わせ、締結作業、金網設置等で作業員の坑内立ち入りが不可欠であり、安全性向上の観点から作業プロセスの抜本的な見直しが求められていた。

「AUTOMATED TUNNEL RIBS」はヒンジ機構により折り畳み可能な上下半一体型の鋼製支保工とインバートストラットから構成されており、専用機械を用いることで作業員が切羽近傍に立ち入ることなく建込作業を完了できる仕様となっている。


既設の鋼製支保工との接続も機械的に設置できる機構であり、高さ調整機構により鋼製支保工を設計位置に正確な設置が可能である。

実証試験は既存トンネルの切羽後方部にて「AUTOMATED TUNNEL RIBS」をエレクタ付吹付機により、上・下半支保工からインバートストラットまでの一連の鋼製支保工の建込み作業を行い、既存の機械との互換性や施工性の検証を行った。


支保工の建込み手順は、まず上下半支保工を畳んだ状態で専用機械により把持し、切羽位置まで運搬してから上下半支保工を建込み、最後にインバート支保工を接続する流れとなっている。

今回の試験施工により、本技術は作業員が切羽へ立ち入ることなく、かつ既存の機械を用いて鋼製支保工の建て込みが出来ることを確認した。



印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。