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角田 憲 2020.10.12

建設ICTを推進するために、中小企業が利用できる“補助金・助成金”リスト

中小企業者におけるI-Construction普及の、ネックとなっている導入コスト。人手不足や構造変化、または働き方改革に対応していくためにも、積極的に補助金や、助成金、税制の優遇などを活用していきたいところだ。以下、ICT施工に利用できる可能性が高い補助金制度の概要を見ていこう。

ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業補助金(経済産業省)


事業者間でデータ共有・活用し生産性を高める取り組みや、 ICTシステム機器やICT建機などハード面での導入経費の一部を補助する制度。複数事業者での連携が前提となっており「企業間連携型」と「サプライチェーン型」がある。1次公募は終了、2次公募の開始は未定。1者につき上限額2,000万円。



中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)


ⅰ.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(一般型)

「ものづくり補助金 一般型」とも呼ばれている。中小企業などが行う生産性の改善に必要な設備投資を支援する制度。ICT建機やドローンなど3D測量機器ICT施工機器を導入する経費の一部を補助してくれる。上限額1,000万円。現在、4次締切の申請受付中(9月1日〜11月26日)。


ⅱ. I T導入補助金

オフィス業務の効率化や、ソフトウェアの導入などを支援する制度。生産性向上に向けた課題解決のためのITツールにかかる経費の一部を補助してくれる。通常枠(A類型、B類型)に加え、新型コロナウィルス感染予防の影響を受けて、非対面型ビジネスモデルへの転換やテレワーク環境の整備を補助する特別枠(C類型)がある。上限額450万円。2020年12月下旬までに複数回にわたり締切が設けられている。一般型8次締切分(特別枠7次締切分)は締切日を10月2日に予定している。



人材開発支援助成金(厚生労働省)


専門知識および技能取得を促し、人材の育成を支援する制度。職務に関連した技能の習得のためにかかった訓練費用や訓練中の賃金の一部を助成してくれる。建設事業者向けの助成金としては、トライアル雇用助成金や人材確保等支援助成金などもあり、担い手確保への支援もしている(申請受付中)。



固定資産税優遇措置(中小企業庁、市区町村)


国から「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村に所在している中小企業が、ICTシステム機器などを導入した場合、3年間固定資産税の減免(0〜1/2)を受けることができる。2020年7月末時点では1,648の自治体が固定資産税ゼロの措置を行なっている。



中小企業経営強化法税制(中小企業庁、国、市区町村)


中小企業が「稼ぐ力」を身につけることを、国が後押しするために整備された法律。経営力向上計画を策定、申請し、認定を受けることで、経営力向上計画に基づく設備投資についての即時償却もしくは税額控除(7%〜10%)のいずれかの適用を認める措置。働き方改革に資する設備に対しても適用される。2021年3月31日まで。



中小企業投資促進税制(中小企業庁、国、市区町村)


中小企業の設備投資を後押しするための制度。働き方改革、生産性向上のために一定額以上の設備投資を行なった場合に特別償却(30%)または税額控除(7%)の適用が認められている。2021年3月31日まで。



低利融資制度


ⅰ.IT活用促進資金(日本政策金融公庫)

ICT施工におけるIT機器導入に対して、中小企業事業で7億2,000万円、国民生活事業(個人事業主や小規模事業者向け)で7,200万円までの融資を受けられる制度。IT機器を利用した業務改善や、ソフトウェアやクラウドシステム、周辺装置などの導入に利用できる。要件に応じた特別利率などが設けられており、契約時の利率が適用されるので、都度問い合わせ窓口に問い合わせることが重要。


ⅱ.環境エネルギー対策資金(日本政策金融公庫)

環境対策型建設機器(国土交通省の規定又は法律により、認定、指定されたもの)を取得するために必要な資金に対して中小企業事業で7億2,000万円まで、国民生活事業で7,200万円までの融資を受けられる制度。油圧ショベルやブルドーザーなど高額な機器が対象となり、融資制度の利用による導入の促進が期待されている。要件に応じた特別利率などが設けられており、契約時の利率が適用される。



※各内容は国土交通省による「i-Construction(ICT施工)の導入に関する補助金」を参考にしています。詳細または最新情報に関しましては、各窓口へお問い合わせください。
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WRITTEN by

角田 憲

有限会社さくらぐみにライターとして所属。宅地建物取引士。祖父が宮大工だったことから建築、不動産に興味を持ち、戸建て、マンション等の販売・管理・メンテナンス業務に従事。食、音楽、格闘技・スポーツ全般、健康、トラベルまで幅広く執筆。読書量は年間約300冊。

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