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デジコン編集部 2025.10.7

Synspectiveがだいち4号のサービス事業を提供開始。地盤変動モニタリングが年20回に向上

Synspectiveは、宇宙航空研究開発機構が運用する先進レーダ衛星「だいち4号」のサービス事業の提供を開始した。

Lバンドの特性を活かし盛土検知の精度向上に貢献


同社の「地盤変動モニタリングサービス」は、SAR衛星の観測データを用いて、広範囲の地盤の変動をミリ単位で検出するソリューションである。これまでもJAXAの「だいち2号」のデータを活用し、インフラやダム、鉱山などの維持管理に貢献してきた。

今回、新たに「だいち4号」のデータが加わることで、データ更新の頻度が従来の年3回程度から最大で年20回へと大幅に向上する。

これにより、より高頻度な地盤変動の察知が可能となり、トンネル工事やダムなどの重要インフラの安全管理をさらに高度化する。



また、「だいち2号」が蓄積してきた過去のアーカイブデータと組み合わせることで、長期的な変動傾向の分析も可能になる。

2021年の土石流災害を契機に施行された「盛土規制法」により、全国で危険な盛土の総点検が求められている。

同社の盛土検知サービスは、この机上調査を効率化するソリューションとして、すでに多くの自治体で活用されている。

「だいち4号」が搭載するLバンドSARは、電波が草木を透過しやすい特性を持っている。

そのため、植生豊かな日本の山間部においても、地表面の変化を正確に捉えることができ、新たに造成された盛土の検知に最適である。観測頻度も向上するため、積雪期などを避けて最適なデータを選択できるようになり、検知の精度と効率が飛躍的に向上することが期待される。

ALOS-4は、H3ロケット3号機によって種子島宇宙センターから打ち上げられたJAXAの人工衛星で、Lバンド合成開口レーダーが搭載。

前号機ALOS-2の性能を向上させ、高いレベルの解像度と観測カバレッジを実現している。





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