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デジコン編集部 2025.9.30

川田工業。建設現場向けAGV資材搬送台車「EGmobile」を開発。港大橋の鋼床版大規模修繕現場で実運用を開始

川田工業が建設現場の省人化・省力化を図るために、AGV資材搬送台車「EGmobile(仮称)」の活用を開始した。

阪神高速道路湾岸線港大橋における車道直上の検査路での実運用実現は、同社が長年培ってきた建設現場の機械化・ロボティクス技術導入の成果であり、建設業界の労働不足・担い手不足に貢献するものである。

牽引質量100kgで大量の補強部材を運搬。高さ1.4m梁をくぐる検査路作業の負担を大幅軽減


建設業界では労働者の高齢化、担い手不足、労働時間の上限規制、猛暑やゲリラ豪雨といった地球温暖化による屋外作業環境の悪化など多数の課題を抱えている。

特に現場においてはDXと人的作業を融合したハイブリッドなアプローチが急務となる中、かねてよりロボティクス技術の現場活用の研究・開発を続けてきた川田工業がその要素技術を融合させた。

現場の作業環境に合わせた資材搬送台車の開発に至っている。

現在実稼働中の鋼床版大規模修繕現場(港大橋)の検査路は縦断勾配があり、2m毎に高さ1.4mの梁が設置されているため頭部をぶつけるリスクが高い。

(写真:検査路は車道直上に位置する。高さ1.4mの梁をくぐる)

くぐる際に作業員の身体に与える負担が極めて大きくなるため、EGmobileの活用は大幅な作業負担軽減につながる。

港大橋は中央径間510m、桁下空間51mのトラス橋で、検査路は車道直上に位置している。

EGmobileは建設現場での使用を前提とした特長を複数有している。

1台の牽引質量は100kgで手押し台車の場合50kgに対して2倍の大量の補強部材を運搬できる。

検査路の側面に貼付した走行テープと距離を保ちながらレーザー誘導で走行する仕組みだ。

自律移動とラジコンによる手動操作が選択可能で、リモート端末で状況確認ができる。

高さ、幅、重量などの物理制限を考慮した設計となっており、防塵防滴機能を装備している。

クローラ駆動で段差や床面が振動しても走行可能で、グレーチング、チェッカープレート上を走行できる点も特徴だ。

手押し台車はキャスターがグレーチングの隙間に干渉するリスクがあるが、EGmobileはそうした問題を解決している。障害物センサーによる安全装置も装備している。





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