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デジコン編集部 2025.6.27

シリコンスタジオ、西松建設のトンネル3Dデジタルツイン構築をゲームエンジン活用で支援。現場環境データと重機位置情報をリアルタイム可視化

シリコンスタジオが西松建設による山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム構築において、ゲームエンジンを活用した可視化技術で支援したと発表した。

現場トンネル内の環境や建設重機の状態を仮想空間にリアルタイムで可視化するシステムの開発に取り組んでいる。

Unity活用で重機動作をリアルタイム再現、4つの視点切り替えと透過モード表示にも対応


山岳トンネルデジタルツインプラットフォームは、建設機器やトンネル内部の状態など複数の情報をリアルタイムに可視化することにより、各種情報の共有や課題の早期発見、安全性の確認やルートのシミュレーションなどを実現するために活用されるものである。

シリコンスタジオは3Dグラフィックスで仮想空間にトンネルを再現し、現場トンネル内の「環境データ」および人・重機の「位置データ」を仮想空間にリアルタイムで取り込んで反映・表示する仕組み部分を開発した。

(山岳トンネルデジタルツインプラットフォームにおけるシリコンスタジオの開発範囲)


開発にはゲームエンジン「Unity(ユニティ)」を使用している。

環境データには温度、湿度のほか、風速、気圧、照度、CO2濃度、電流値などが含まれている。

2DグラフィックスによるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で表示・更新される仕様となっている。

位置データにはトンネル切羽で掘削作業を行っている人・重機の位置や姿勢、稼働状態などが含まれている。

専用クラウドからリアルタイムに転送されるROSデータをUnityでデータ変換処理し、3Dモデル化した重機本体およびパーツに反映することで、移動・回転などの動きを再現している。

仮想空間内の重機はトンネル仕様のホイールローダー(サイドダンプバケット仕様)である。


図面および点群データを元に3Dモデル化され、画面表示は4つの視点切り替え(自由視点、運転席視点、追従視点、切羽側視点)が可能となっている。

また「通常モード」のほか、ワイヤーフレームと透過マテリアルによる「透過モード」に切り替えることもできる仕様になっている。

点群データは3Dレーザースキャナーなどで計測することにより得られる、無数の点の集合体として取得された座標情報(XYZ)と色情報(RGB)を持つ物体表面の形状情報である。

ROSはロボットアプリケーションを開発するためのオープンソースのフレームワークとツールセットとなっている。

ゲームエンジンはコンピューターグラフィックスによるコンテンツ開発に必要なライブラリやツールなどの機能がまとまった統合開発環境である。

デジタルツイン技術の建設現場への活用により、現場の安全性向上と効率的な工事管理が期待される。



参考・画像元:シリコンスタジオプレスリリースより

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デジコン編集部

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