ニュース
デジコン編集部 2025.5.21

フジタが重機搭載レーザー計測とブロックチェーン基盤連携システムを開発。国交省現場で遠隔検査の効率化効果を実証

フジタは、ICT土工施工管理データを重機から直接クラウドに送信し、監督員が遠隔で確認できるシステムを開発した。

玉島笠岡道路浜中地区中工区改良工事(国土交通省中国地方整備局発注)での現場試行により、従来の実地確認の省略化と監督・検査の効率化に成功している。

バックホウに後付けレーザースキャナで3D計測し改ざん防止機能付きR-CDEへ直送、臨場・書類作成を大幅削減


開発されたシステムは、フジタがICT土工向けに開発した重機搭載レーザー計測システムと、「iConstruction システム学寄付講座」協調領域検討会の施工ワーキンググループが開発した共通データ環境「R-CDE」をAPI連携で統合したものである。

重機搭載レーザー計測システムは、バックホウなどの建設機械に搭載したレーザースキャナによる計測で、作業現場内を移動しながら特定の範囲全体の出来形座標を取得できるシステムであり、ライカ ジオシステムズとの共同開発となっている。

一方、R-CDEはReliable Common Data Environmentの略で、ブロックチェーンを活用した受発注者間の共通データ環境を提供するシステムである。

システムの仕組みとしては、まずバックホウに2Dレーザースキャナを後付けで取り付け、旋回することで法面の出来形を3Dで計測する。

計測された施工管理データは重機から直接R-CDEへ送信され、従来必要だった別途の出来形計測作業が省略される。


R-CDEではブロックチェーン機能により保存データの真正性が保証され、改ざんを防止した施工管理データを一元管理することで、関係者はいつでも共通データを確認できる環境が整備される。

監督員はR-CDE上で出来形データを確認することで、現場に臨場することなく監督・検査が可能となる。

この連携システムの主な効果として、施工中にオペレータがいつでも計測を行い、現地でヒートマップの確認が可能になる点がある。

さらに、ブロックチェーンによる改ざん防止機能を備えた共通データ環境で法面の出来形データを確認することで、監督・検査に関連する臨場や帳票作成作業を省略できることが確認されている。

2025年2月27日には試行現場にて、発注者向けに本技術の現場説明会が開催され、中国地方整備局、岡山国道事務所、福山河川国道事務所から約40名が参加した。

この説明会では、国土交通省が推進するi-Construction2.0の目的である建設現場のオートメーション化に寄与する新技術として、「重機搭載レーザー計測システムと共通データ基盤の連携」についての概要説明と実機デモが行われ、実務での活用可能性が示された。



印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。