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デジコン編集部 2025.4.21

イスラエル発のドローン通信大手「Elsight」が日本で本格始動。多回線統合技術「Halo」で目視外飛行を実現

イスラエル発のドローン通信技術企業Elsightは2025年4月8日、日本市場での情報発信を活発化し、本格的な事業展開を開始すると発表した。

複数の4G/5G・衛星回線を統合し途切れない接続を実現、欧米で実績ある技術を日本の防災・物流分野へ


Elsightはこれまで日本市場において、総販売代理店であるナビコムアビエーションを通じて各省庁や自治体への拡販を行ってきた。

今回の情報発信強化を通じて、日本での活動を本格化させる方針である。

同社が日本市場に注目する背景には、地震などの自然災害の多発、人口減少による物流やインフラ点検の担い手不足といった社会課題の深刻化がある。

日本では2022年にレベル4飛行(有人地帯での目視外自律飛行)が法的に解禁され、ドローンの社会実装に向けた実証が全国各地で進行している。

特に山間部や離島を含む「物流のラストワンマイル」問題に対し、ドローンによる効率的かつ安全な配送手段が期待されている。

Elsightの主力製品「Halo」は、ドローンの目視外飛行に特化して設計された、複数の通信回線を統合するプラットフォームである。

最大の特徴は、複数の4G/5Gネットワーク・衛星通信・Wi-Fiなどを統合し、どのような環境下でも途切れない接続を保証する点にある。

ドローンにとって通信の遮断は「失踪」を意味するため、特に広範囲での運用には安定した通信環境が不可欠となる。

この技術により、オペレーターがドローンの近くにいなくても、世界のどこからでも複数のドローンを同時に管理・操作することが可能になる。

「Halo」はすでに欧米や中東の多くの国で導入が進んでおり、アメリカ合衆国の救急サービス、ドバイの警察機関、EU諸国の消防・公共安全機関などで採用され、災害救助や緊急医療配送などに活用されている。


Elsight CEO のヨアブ・アミタイ氏は、「特に日本は、これからドローン分野が大きく成長する巨大な市場です。『Halo』が災害救助やラストワンマイルでの物資輸送、インフラ点検など、日本の様々な分野で活躍していくことをご期待ください」とコメントしている。

今後は、ナビコムアビエーションとのパートナーシップを通じて、「Halo」の国内導入に向けた実証、技術サポート、販売体制の整備を段階的に進める計画である。




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