ニュース
デジコン編集部 2025.7.10

2機体制橋梁点検デモンストレーション開催。ELIOS3とMatrice350RTKで3D点群データ生成し紙媒体野帳を不要化。旭テクノロジー

旭テクノロジーは6月18日、姫路市内の橋梁において最新の手法を用いた橋梁点検デモンストレーションを開催した。

地方自治体および建設コンサルタント各社が参加し、今後の橋梁点検の効率化・安全性の向上・長期的な予防保全へ活用するデジタルデータについての点検手法説明を行った。

ELIOS3で狭隘部点検し2台タブレット活用で前回損傷箇所確認と新規記録を同時実施


橋梁点検は老朽化する社会インフラの維持管理において不可欠な業務だが、従来手法には多くの課題が存在していた。

橋梁点検車を使用する際には周辺の環境整備が必要であり、点検車の利用料も発生する。

また高所での点検では人が点検を行うことによる危険性が高く、足場の設置費用やロープアクセス作業費用が追加で発生する。

さらに高所にある狭隘部ではそもそも点検自体が困難であること、そして点検記録が紙ベースで保存されていることから、過去の点検履歴の調査や検索性が低いという問題も指摘されてきた。


こうした課題を背景に、同社ではドローンを活用した点検手法を開発し、点検業務の効率化と安全性の向上、さらには将来的な予防保全を見据えたデジタルデータの利活用による新たな橋梁点検モデルの提案を行っている。

デモンストレーションではMatrice350RTKによる橋梁全体を撮影した3D点群データの生成・確認を実施した。


ELIOS3を使用してコンクリート橋および鋼橋の狭隘部を点検し、記録には2台のタブレットを用いて作業効率と正確性を高めた。

Aタブレットは操縦士のプロポ画面をミラーリングしリアルタイム映像を表示し、Bタブレットは前回の点検報告書(調書)を表示する。

(Matrice350RTK+L2による、3D点群データの生成・確認)

この体制により副操縦士はBタブレットで前回の損傷箇所を確認しながら、Aタブレットでのライブ映像を通して操縦士に正確な撮影指示を出すことが可能になる。

またBタブレット上で新たな損傷情報を即座に記録できるため、紙媒体での野帳記録が不要となり、後日の照合作業も省略可能である。


ELIOSシリーズのフライトデータ解析ソフト「Inspector」では、画面左側の「3D点群データ」、画面中央の「静止画」、画面右側の「静止画一覧」を紹介した。

(Inspectorにおける点検記録データ)


簡易的に長さを図る「スケール機能」、表面温度を確認する「赤外線(サーマル)カメラ」による撮影動画等、ELIOS3の狭小部飛行に加えInspectorの多彩な解析機能も確認された。



印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。