ニュース
デジコン編集部 2025.4.15

建設現場の廃PPバンドから万博用演台を3Dプリントで製作。資源循環の具体例として注目。鴻池組とスワニー

鴻池組とスワニーは2025年4月14日、大阪・関西万博の会場で使用する演台と司会者台を建設現場から回収した廃プラスチック素材を活用して製作したと発表した。

焼却処分が主流だった建設廃プラを50%以上リサイクル、環境配慮型素材と組み合わせ


建設現場で発生する廃プラスチックは種類が多様なため、従来はマテリアルリサイクルが難しく、大部分が熱エネルギーとして活用するサーマルリサイクルに留まっていた。

今回の取り組みでは、建設資材の梱包などに使用されたPPバンドを回収し、リサイクル原料として再利用する手法を採用している。


回収したPPバンドはTBMが粉砕・溶融してペレット化し、スワニーが保有する大型ペレット押出式3Dプリンターを用いて製作された。

演台と司会者台にはそれぞれリサイクルPPペレットを50%以上使用し、残りは強度向上と形状安定のためのフィラー材を含むコンポジット材料で構成している。

また、大阪・関西万博の公式ロゴマークなどのデザイン要素を取り入れた意匠部分には、旭化成が製作した環境配慮型材料であるセルロースナノファイバーフィラメントを採用した。

この取り組みは「建設の過程で発生した廃プラスチックを原料に実用的なものを製作し、撤去工事の際はマテリアルリサイクルの資源循環に戻す」という万博のテーマに沿ったものとして博覧会協会に提案され、承認を得て実現したものである。

完成した演台と司会者台は、3月23日の大阪ヘルスケアパビリオン開館式や3月27日の警察と消防の専門部隊発足式ですでに使用されており、万博開催期間中も様々な式典やイベントで活用される予定だ。




印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。