前田建設工業、3Dプリンター活用の建設部材構築技術「WAV3D」を開発

前田建設工業が、3Dプリンティング技術を活用した新しい建設部材構築技術「WAV3D（ウェーブスリーディー）」を開発し、国内で初めて実用化に成功した。

革新的な積層ブロックシステム

WAV3Dの核心は、3Dプリンターで製作される独自の積層ブロックにある。


このブロックは波形状とシアーキーを備え、高い設置安定性と外力への抵抗性を実現している。

ブロックは連環部で接続され、自由な形状や任意のサイズでの構築が可能だ。

機能性とデザインの融合

本技術の特徴は、構造的な機能性と意匠性の高度な両立にある。

波や地層を模したデザインは自然との調和を生み、視線を遮りながらも採光や換気を可能にしている。


さらに、ブロック間の空間を利用した照明や植栽の設置も可能で、多様な用途に対応できる。

環境配慮型の建設技術

WAV3Dは、型枠が不要で材料のロスを最小限に抑えられる。

また、ブロックの組み立てと解体が容易で、リユースが可能なため、循環型社会の実現に貢献する。

特筆すべきは、3Dプリンティングによる着色技術の開発にも成功している点だ。

前田建設は、この技術を自社の研究施設であるICI総合センターに導入し、実証実験を開始している。

今後は屋外での耐久性や色調変化のデータを収集し、活用領域の拡大を目指すとしている。