愛知県。ドローンエンジニア育成のための段階別カリキュラムとテキストを無償提供

愛知県はドローンの開発・製作・保守などに携わる技術者を育成するため、「ドローンエンジニア人材育成カリキュラム」とテキストを作成した。

学生から社会人まで段階別に構成された教材を無償で提供し、県内のドローン産業の振興と人材育成を図る。

学生・社会人初級・中級の3段階で基礎知識から保守技術まで網羅した体系的な教育プログラム

このカリキュラムとテキストは対象者のレベルに応じて3段階に分けて構成されている。

まず「学生編」は工科高等学校や専門学校、大学の学生を対象としており、ドローン業界への興味喚起と就職促進を目的としている。



内容はドローンの基本構成や歴史、活用事例などの入門的な知識で構成されており、若年層のドローン分野への関心を高める工夫がなされている。

次に「社会人初級編」は、異業種の部品メーカーやサプライヤーなどを対象としている。


この編では自社技術のドローン産業への転用可能性を把握することを目的に、ドローンの構造や部品性能、飛行原理などの技術的な内容が盛り込まれている。

最も専門性の高い「社会人中級編」は、既存事業の保守・サービス展開事業者やドローンスクールなどを対象としている。


ドローンのMRO（整備・修理・オーバーホール）事業の実施体制整備を目指し、ドローンの飛行制御方法やログの読み方など、実践的な保守技術に関する内容となっている。

愛知県は自動車産業を中心としたものづくり産業が盛んな地域であり、その技術や人材をドローン産業に活かす狙いがこの取り組みには込められている。

特に部品製造や保守管理などの分野では、既存産業からの技術転用が見込まれており、このカリキュラムがその橋渡しとなることが期待されている。

カリキュラムはPDFファイルで愛知県のウェブサイトから直接ダウンロードできる。

テキストを入手するには、所定の「テキスト活用申込書」に必要事項を記入して愛知県経済産業局次世代モビリティ産業課に提出する必要がある。


手続き完了後、担当者から連絡があり、テキストの活用に際しては事前連絡が求められている。

これらの取り組みを通じて、愛知県はドローン関連産業の人材育成と技術基盤の強化を図ることで、次世代モビリティ産業の振興を目指す。