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デジコン編集部 2025.3.25

大成建設が自動運転技術とデジタル施工管理を連携した無人化施工を実現。成瀬ダムでオペレーター2名による複数台協働運転に成功

大成建設は、成瀬ダム原石山採取工事(秋田県東成瀬村)において、リジッドダンプ自動運転技術「T-iROBO Rigid Dump」と施工管理支援基盤システム「T-iDigital Field」を連携させた無人化施工の現場実証を実施したと発表した。

片道250mの専用エリアで自動運転ダンプ2台と遠隔操作ショベル1台による夜間作業を実現し総運搬量4.7万t達成


本実証は「生産プロセスのDX」の一環として行われたもので、生産労働力人口の減少が社会問題となる中、建設業界の担い手不足に対応するための取り組みである。

実証は、「自動施工における安全ルールVer.1.0」を参考に、片道約250mの自動化・無人化施工専用エリアを設定して行われた。

この専用エリア内で、自動走行リジッドダンプ「T-iROBO Rigid Dump」2台とHOGシステムを設置した遠隔操作油圧ショベル1台の計3台の建設機械を用いて、オペレーター2名による運用を実施した。

ダンプトラックは最高速度約20km/hでの自動運転を行い、夜間作業時間帯にダム用骨材の運搬作業を行い、総運搬量約47,200tを達成した。

運搬作業中の取得データは、「T-iDigital Field」のデジタルツイン技術により建設機械の制御等にフィードバックされ、複数の自動化建設機械の協調運転による作業を実現した。

実証の成果として、3つのオートメーション化に関する効果が確認された。

まず「施工のオートメーション化」では、遠隔操作と自動運転管理のオペレーター2名が施工状況を確認しながら建設機械を制御して連携を図ることで、協調運転を実現した。

安全面では、東京大学と共同開発した無線緊急停止システムを導入し、送信器と受信器間の通信状況を常時確認することで確実な停止が可能な体制を構築した。

「データ連携のオートメーション化」では、運搬量や運搬効率、実運搬距離などのデジタルデータが「T-iDigital Field」のクラウド上でリアルタイムに収集・自動解析され、いつでもどこでも必要なデータの閲覧や表示・印刷が可能となった。

「施工管理のオートメーション化」では、建設現場以外からも各種データの閲覧が可能なため、遠隔地から作業進捗状況や安全確認などの施工管理業務を行うことができるようになった。

大成建設は本実証を通じて、国土交通省が2024年4月に発表したアクションプラン「i-Construction 2.0」が提唱する「施工、データ連携、施工管理の3つのオートメーション化」の実現に向けた効果を検証した。



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