ニュース
デジコン編集部 2024.6.20

全自動型ドローンで「非GNSS環境下」のインフラ遠隔自動点検システムを開発。飛島建設とKDDIスマートドローン

飛島建設はKDDIスマートドローンと共同で、全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを用いたインフラ遠隔自動点検システムを開発した。

開発したシステムは、2022年9月の全自動型ドローンのレベル3飛行とドローンによる地表面変位計測に続く、共同開発の第2弾。

システムは、ドローン部、エッジ部、ネットワークインフラ部、クラウド部で構成。ドローン部は、SkydioのAI自律飛行機体「X2」と、自動充電するドローン基地「Skydio Dock for X2」を採用した。GNSS環境下でも、屋内外でドローンを自動で遠隔運用できる。


エッジ部向けには、「リモート管制システム」を新たに開発した。Skydio Dock for X2周辺の映像データや気象データを取得し、第三者が接近した際や離着陸の際に、警告灯にで警告を発報できる。


ネットワークインフラは、法人向け衛星ブロードバンド「Starlink Business」やIP65メッシュWi-Fiアクセスポイントを導入した。モバイル通信がつながらない地域でも、インターネット環境を広域で構築できる。

有効性の検証は、飛島建設とオリエンタルコンサルタンツが共同運営する山形県米沢市の米沢大平小水力発電所で実証実験を実施。


これまで中山間部に位置する小水力発電所では、地形や樹木により、GNSS衛星電波が遮蔽され、モバイル通信電波も届かずインターネットが利用できなかった。


実験の結果、非GNSS環境下でもドローンの安定した遠隔自動運用が可能で、点検業務の迅速化や省力化が実現した。


また、ドローンのリアルタイム配信映像(カラーカメラと赤外線カメラ)で、人物や車などのAI物体検出と管理者へのプッシュ通知で、第三者立ち入り管理の省力化と自動記録も可能になった。


Skydio機体に搭載した6つの障害物回避用カメラで、周辺環境の視覚情報を取得し、正確な3D環境マップを生成。

異なる時期の構図が一致した写真の空撮、2つの空撮画像を専用アプリ上で比較した差分検出で、発電所設備の経時変化の自動抽出も行った。

両社は、屋内外を問わず工事現場で、技能者や資機材のカウントや位置管理、進捗管理、出来高算出といった業務にも適用できるとしている。また、AIの検出精度向上や検出対象の拡大、他のドローンやロボットとの連携も図っていく。



参考・画像元:飛鳥建設プレスリリース
印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木の未来を
ICTで変えるメディア

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。