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デジコン編集部 2024.5.13

福井の「永平寺」と清水建設、点群測量で社寺建築のデジタルツインを構築。重要文化財19棟

清水建設は、福井県吉田郡の曹洞宗大本山「永平寺」と共同で、3次元点群測量により、永平寺伽藍(がらん)内にある重要文化財19棟の精緻なデジタルツインを制作し、作成したデジタルデータを永平寺に納品した。

併せて、清水建設のアプリ「デジトリ360」を使用し、伽藍内全棟と大小100余棟を360度写真でウォークスルーできるデジタル空間と、オンラインで永平寺を巡る「デジタル参拝」のコンテンツを制作しており、これは2023年11月に先行して納品している。

日本の歴史的建造物は木造で、これまで多くが焼失し、地震による損壊も少なくない。

開創から約800年が経過する永平寺も過去に複数回の火災に遭遇し、関係者の尽力により再建されてきた。





永平寺は、デジタルツインにより、伽藍内の重要文化財を確実に後世に残すことができるとの判断から、2023年7月、清水建設との共同調査に乗り出した。

調査では、重要文化財19棟の内外観や、小屋裏や床下、彫刻など、あらゆる空間/形状を3次元点群測量で捉え、任意の平面、立面、断面を切り出して表示できるようにデータ加工し、デジタルツインを構築した。

測量にあたっては、デジタル技術に長けた宮大工を擁するT&I 3Dの協力を得た。

永平寺で伽藍の維持保全を担う直歳(しっすい)の石田純道氏は「修行の場である永平寺伽藍内の建造物群の姿を確実に後世に残すことはわれわれの使命だ。精緻なデジタルツインの作成はこのニーズを具現化する手段だと評価している。また、平面の図面から維持保全に必要な情報を得るのは難しいが、デジタルツインのデータからは誰でも必要な情報を容易に検索できるため、維持保全業務を効率化できる」と述べた。




参考・画像元:清水建設プレスリリース
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デジコン編集部

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