行政・政策
デジコン編集部 2025.9.8

国交省と厚労省、建設業人材確保で令和8年度予算を拡充。総額270億円超で若者・女性の入職促進と処遇改善を推進

CONTENTS
  1. 人材確保に131億円計上。建設事業主助成金を70億円に拡充
  2. 人材育成で32億円投入。中小建設事業主への支援を4.9億円で継続
  3. 魅力ある職場づくりに163億円。働き方改革推進支援助成金を101億円に増額
国土交通省厚生労働省は9月1日、建設業の人材確保・育成に向けた令和8年度概算要求の概要を発表した。

建設業の技能者のうち60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%という深刻な高齢化に対応するため、総額270億円超の予算を要求している。

人材確保に131億円計上。建設事業主助成金を70億円に拡充


人材確保分野では、建設事業主等に対する助成金による支援を前年度69億円から70億円に拡充し、建設業への入職や定着を促進する。


ハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援には55億円を計上し、建設キャリアアップシステムCCUS)制度の周知と登録済み建設事業主の求人情報提供を強化する。

国土交通省では担い手確保等を通じた持続可能な建設業の実現として6.6億円の内数を要求し、適正な工期設定による働き方改革推進や建設業の生産性向上促進を図る。

高校生に対する地元における職業理解の促進支援には20百万円を計上し、業界団体や地元企業による高校内企業説明会等を実施する。

人材育成で32億円投入。中小建設事業主への支援を4.9億円で継続


人材育成分野では、中小建設事業主等への支援として4.9億円を継続計上し、離転職者や新卒者を対象とした訓練カリキュラム策定から就職支援までをパッケージで業界団体が実施する。


建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練)の実施には1.2億円を要求し、建設機械等の運転技能とパソコンスキル講習等を組み合わせた職業訓練を継続する。

ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導には26億円を計上し、中小企業等への派遣による技能向上を推進する。

建設分野の職業訓練受講者に対してはCCUS制度の周知も強化し、技能者の適正な評価と処遇改善につなげる仕組みを構築する。

魅力ある職場づくりに163億円。働き方改革推進支援助成金を101億円に増額


魅力ある職場づくり分野では、働き方改革推進支援助成金による支援を前年度92億円から101億円に大幅増額し、生産性向上と労働時間短縮に取り組む中小企業を支援する。


働き方改革推進支援センターによる支援には30億円を継続計上し、47都道府県に設置したセンターで労務管理専門家による窓口相談やコンサルティングを実施する。

建設業では令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用されており、他業種と比べ労働時間が長い実態を踏まえて専用コースを設けて支援を継続する。

雇用管理責任者等に対する研修を前年度82百万円から1.0億円に拡充し、若年者等の職場定着促進に向けたコミュニケーションスキル向上コースを新設する。






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デジコン編集部

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