国交省、ウクライナで遠隔施工技術の事前調査を実施。日本企業4社と官民合同で復興支援に本格参入

国土交通省は7月28日から31日まで、官民合同でウクライナに渡航し、遠隔施工技術普及に向けた事前調査を行った。

ウクライナの深刻な人手不足に対処するため、日本の建設現場での運用実績が豊富な遠隔施工技術を導入し、安全な環境から建設機械を操作できる体制構築を目指している。

八千代エンジニヤリングなど民間4社が参加、国際機関とも連携強化

今回の事前調査には、国土交通省総合政策局海外プロジェクト推進課と民間企業4社が参加した。

参加企業は八千代エンジニヤリング、ソリトンシステムズ、コーワテック、コベルコ建機で、それぞれ遠隔施工技術に関する専門性を持つ企業群である。

協議先は、ウクライナ地方・国土発展省（MDCT）、キーウ工科大学（KPI）、現地・第三国の協力企業のほか、国連開発計画（UNDP）、国連環境計画（UNEP）、国連プロジェクトサービス機関（UNOPS）、国際金融公社（IFC）、欧州投資銀行（EIB）など多岐にわたっている。


現地調査では、がれき処理現場と実証実験の会場候補地の視察を行い、今後実施する実証実験や実際の技術導入を見据えた環境整備を進めた。

ウクライナ政府機関や国際金融機関、現地企業・第三国企業との協議を通じて、実証実験に向けた連携を確認するとともに、今後の技術普及における協力について議論を重ねた。

ウクライナでは今後膨大な建設需要が見込まれる一方、人手不足が深刻化している状況にある。

この問題に対処するため、国土交通省は日本の建設現場での運用実績が豊富な遠隔施工技術をウクライナに導入し、男女問わず誰もが安全な環境から建設機械を操作できるようにすることを目標としている。


国土交通省では今年1月に「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」（JUPITeR）を設立し、ウクライナにおける国土交通分野のインフラ復興への日本企業による参画を加速させている。

JUPITeRでは、ウクライナにおける国土交通分野のインフラ復興に関心のある企業・団体の参画を随時受け付けており、復興支援への参加企業の拡大を図っている。

今回の事前調査の成果を踏まえ、今後は実証実験の具体的な実施に向けた準備を進めるとともに、日本の遠隔施工技術のウクライナ現地での本格導入を目指していく方針である。




参考・画像元：国土交通省プレスリリースより