国土交通省は、令和6年度「インフラDX大賞」の受賞者を発表した。今回、計 26団体(国土交通大臣賞 3団体、優秀賞22団体、スタートアップ奨励賞1団体)が選ばれた。
建設現場の生産性向上に関するベストプラクティスの横展開に向けて、平成 29 年度より「i-Construction 大賞」を実施してきたが、この取組みをさらに拡大するため「インフラ DX 大賞」と改称されている。
表彰対象は令和5年度に完了した国や地方公共団体等が発注した工事・業務に関する企業
の取組や地方公共団体等の取組、i-Construction 推進コンソーシアム会員の取組を対象としている。
【概要】
本工事は、仁淀川の侵食対策を目的とした高水敷及び低水護岸の整備において、完全内製化による全面的ICT活用を実施することで、測量や出来形計測、写真撮影・品質管理の作業が効率化。
また、複雑な曲線や表面形状となる既設護岸と新設護岸の取り合わせ箇所において、3Dプリンターを活用した擬石型曲線護岸パネルを導入することで、施工に要する手間と時間を減らして、現地の複雑な地形に合わせた施工を実現。
【ポイント】
【概要】
工事箇所が点在かつ施工時期が冬期(非出水期)に限定される工事であったが、全面的なICT施工や施工管理ソフトの活用、LiDARセンサーによる効率的な出来形管理、さらに遠隔臨場に取り組むことで生産性向上を図った。
また、送電線下のクレーン作業時には、GNSSアンテナにより安全性を確保するシステムを構築、安全かつ効率的に作業を実施し工期内に完了させた。
【ポイント】
【概要】
成瀬ダム建設現場は、東北内でも有数の豪雪地帯であり、施工期間が4月中旬から11月中旬の7ヶ月に限られ、熟練工の継続した確保が困難な施工条件下にある。
この対策として、以下のDX技術について取り組みを行い、未習熟者による施工可能かつ生産性の維持が可能な施工を実現。
【ポイント】
建設現場の生産性向上に関するベストプラクティスの横展開に向けて、平成 29 年度より「i-Construction 大賞」を実施してきたが、この取組みをさらに拡大するため「インフラ DX 大賞」と改称されている。
表彰対象は令和5年度に完了した国や地方公共団体等が発注した工事・業務に関する企業
の取組や地方公共団体等の取組、i-Construction 推進コンソーシアム会員の取組を対象としている。
インフラDX大賞受賞取組概要(工事・業務部門(直轄・地方公共団体等))
国土交通大臣賞
福留開発株式会社/
令和4-5年度 仁淀川中島地区下流護岸外(その1)工事
- 推 薦 者:四国地方整備局四国地方整備局
- 発 注 者:高知河川国道事務所
- 業 者 名:福留開発株式会社
- 工 期:2023年5月1日~2024年3月29日
- 施工場所:高知県土佐市
- 請負金額:327,272,000円
【概要】
本工事は、仁淀川の侵食対策を目的とした高水敷及び低水護岸の整備において、完全内製化による全面的ICT活用を実施することで、測量や出来形計測、写真撮影・品質管理の作業が効率化。
また、複雑な曲線や表面形状となる既設護岸と新設護岸の取り合わせ箇所において、3Dプリンターを活用した擬石型曲線護岸パネルを導入することで、施工に要する手間と時間を減らして、現地の複雑な地形に合わせた施工を実現。
【ポイント】
- 完全内製化のよる全面的ICT活用を実施しており、従来工法に比べて、大幅な工期短縮、現場作業の効率化、若手技術者の早期育成・即戦力化など、多岐に渡った活用効果。
- 3次元設計データを作成しICT建機による無丁張化により、測量作業を大幅削減(作業日数40%、労務人数54%削減)するとともに、3Dプリンターの活用により、従来工法に比べ43%の工期短縮、現場作業の省力化に寄与。
- 3Dプリンターを活用した擬石型曲線護岸パネルの施工は本工事が日本初。
- 河川構造物では現地形に合わせた施工が求められる箇所が多く、3Dプリンターを活用することで専門性・熟練性が求められる現地作業の省力化・簡略化が期待でき、パネル表面に凹凸や円筒を設けることで河川生物にも配慮。
優秀賞
村上土建開発工業(株)/
十勝川改修工事の内 西士狩築堤河岸保護外工事
- 推 薦 者:北海道開発局
- 発 注 者:北海道開発局帯広開発建設部帯広河川事務所
- 業 者 名:村上土建開発工業(株)
- 工 期:2023年8月23日~2024年3月19日
- 施工場所:帯広市、音更町
- 請負金額:385,330,000円
【概要】
工事箇所が点在かつ施工時期が冬期(非出水期)に限定される工事であったが、全面的なICT施工や施工管理ソフトの活用、LiDARセンサーによる効率的な出来形管理、さらに遠隔臨場に取り組むことで生産性向上を図った。
また、送電線下のクレーン作業時には、GNSSアンテナにより安全性を確保するシステムを構築、安全かつ効率的に作業を実施し工期内に完了させた。
【ポイント】
- 全面的なICT施工や施工監理ソフトの活用、LiDARセンサーによる効率的な出来形管理、樋門構造物のCIM活用による打設回数の計画、遠隔臨場に取り組むことで生産性を向上。
- LiDARセンサーによる配筋管理は、汎用端末で実施可能で経験の浅い技術者でも正確な計測が可能な事から、高い効率性・生産性の向上が期待でき、今後波及が期待される。
- GNSSをクレーンに設置し、送電線の離隔安全距離を設定した位置関係を3次元で表示するシステムを構築。吊荷監視カメラと併用することで安全かつ効率的に作業を実施。
優秀賞
鹿島・前田・竹中土木特定建設工事共同企業体/
成瀬ダム堤体打設工事(第1期)
- 推 薦 者:東北地方整備局
- 発 注 者:東北地方整備局 成瀬ダム工事事務所
- 業 者 名:鹿島・前田・竹中土木特定建設工事共同企業体
- 工 期:2018年5月9日~2023年5月31日
- 施工場所:秋田県雄勝郡東成瀬村
- 請負金額:62,723,640,800円
【概要】
成瀬ダム建設現場は、東北内でも有数の豪雪地帯であり、施工期間が4月中旬から11月中旬の7ヶ月に限られ、熟練工の継続した確保が困難な施工条件下にある。
この対策として、以下のDX技術について取り組みを行い、未習熟者による施工可能かつ生産性の維持が可能な施工を実現。
【ポイント】
- 自動化施工は、最適化された施工計画及び作業方法をデータ化し、それら作業データを基にした複数の自動化機械の自動管制によって、施工の安全性及び生産性の飛躍的な向上。
- 自動ブルドーザは、有人運転より少ない動作で作業が可能であり、単位時間当りのCSG敷均し量(施工速度)は、254.4m3/hと有人運転128.6m3/hの2倍に達し、コンクリート月間打設量の国内最高記録を更新(1.9倍)するなど生産性を大きく向上。
- 置き型枠自動スライドドリフタ、全自動スライド型枠は、型枠工未習熟者でも操作が容易で熟練工不足への対応が可能。
以下、1/9更新予定...
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