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デジコン編集部 2023.11.21

日揮「金属3Dプリンタ」で従来と同品質の「炭素鋼配管部材」の造形と形状最適化を実現

日揮グループの海外EPC事業会社日揮グローバルは、これまで世界的にも適用事例の少ない炭素鋼材料を用いた3Dプリンタによる設計・造形を実施し、従来の製造方法と同程度の品質で造形する知見を獲得したと発表した。

また、3Dプリンタならではの形状を追求し、軽量かつ、強度に優れた配管関連部品の造形に成功するなどの成果が得られた。

日揮グローバルでは、EPC事業のプロジェクト遂行において、設計から工事までのリードタイム短縮や品質の安定化を目的に、大型3Dプリンタによる構造物の建設現場での直接製造を推進しており、これまで、大型構造物の造形への適性を考慮したセメント系3Dプリンタであるガントリー型コンクリート系建設用3Dプリンタの導入を検討してきた。


一方、金属材料を造形する3Dプリンタに関しては、3Dプリンタの造形方式のうちの1つであるWAAM技術※に着目し、プラント建設工事において最も多く用いられる炭素鋼による配管部材等の製造を実現するため、2021年7月からオランダのMX3D社と共同研究を実施し、以下の成果を得た。

1. 炭素鋼による配管部材の造形および品質確保


WAAM技術※を用いて炭素鋼から配管部材を造形し、さらに強度試験を行うことでその造形品質を確認。この試験により、従来の配管部材と同レベルの品質で炭素鋼から配管部材を製作する上での知見を獲得した。

2. 配管部材の形状最適化と強度向上


共同研究では、Autodesk社のAutodesk Fusion 360®に搭載された、表面が滑らかな最適化形状を得られるジェネレーティブデザイン機能を使用し、従来の配管関連部品の形状を最適化し、使用する材料の重量の削減を目指している。

本研究では、この機能を用いることで配管サポートの形状を最適化し、使用する材料の重量を約3~4割削減することに成功。

加えて、形状の最適化を行うことで強度を上げることにも成功し、崩壊荷重の2~6割の増加を達成した。


※:金属材料として溶接用ワイヤを使用し、ワイヤをアーク熱源で溶融させて造形する3Dプリント技術で、アメリカ国防総省が潜水艦の部品を造形するために導入を決めるなど、大型構造物の造形が可能という特徴を有しています。また、WAAM技術ならではの形状により重量を削減した造形物は、従来の圧延材を使用したH形鋼と比べて、圧延工程などにおけるCO2排出量を削減でき、気候変動への影響が小さいと言われています。

参考・画像元:日揮ホールディングスプレスリリース
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デジコン編集部

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