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デジコン編集部 2022.12.26

日揮、建設工事での「3Dプリンタ」本格導入に向けて加速!

日揮は宮城県・石巻市で2021年から遂行中のバイオマス専焼発電設備の建設現場に、デンマークCOBOD International A/Sの「ガントリー型コンクリート系建設用3Dプリンタ」を設置し、建設工事での3Dプリンタの本格的な導入に向けた実証に取組んできた。

そして、国内企業で初めて(※日揮調べ)、現地調達した一般的な材料で屋外造形した基礎型枠を適用、その他にも様々な成果が得られたことを発表した。

これまで建設工事における 3D プリンタの活用では、専用開発された「特殊なプレミックスモルタル」が使用されていたが、現場で入手が容易なセメントや一般的な材料(骨材等)を用いて、現地で混練したモルタルおよびコンクリート製の基礎型枠の屋外造形に成功した。

型枠施工工期の大幅な短縮に目途


3D プリンタで造形した型枠を適用することで、従来工法における現場での型枠組立と脱型作業が不要となり、型枠施工工期の短縮が可能に。

(屋外設置している3Dプリンタ)

本実証で従来工法と 3Dプリント型枠の同時施工を行った結果、従来工法では埋め戻し作業を含め 16 日間を要したのに比べ、検証を通じて明確になった課題を改善したうえで、3D プリンタで造形した型枠を適用することで、半分の 8 日間で型枠施工を完了できる目途が立ったという。

(3Dプリンタ型枠実装(手前二つ))

本実証では、助勢作業員として派遣した若手社員を対象に3Dプリンタなどの新技術に精通したエンジニアを育成し、1週間程度の3Dプリンタ操作に関するトレーニングを実施。特殊かつ専門的なトレーニングを受けた人員に依存することのない、3Dプリンタの導入を目指している。

茨城県に3Dプリンタを移して実証を重ねる


2022年6月末にバイオマス専焼発電設備の建設現場(宮城県石巻市)における実証は終了し、2022年7月からは茨城県に3Dプリンタの設置場所を移し、現地調達できる一般的な材料でのオンサイトプリンティング(屋外環境における造形)の有効性評価を継続して実施している。

現場実証を継続して実施していくことで、将来の施工現場でのオンサイトプリンティングによる省人化、工期短縮、さらには海外現場において現地調達可能な材料によるコストダウンや海外調達のリスクヘッジを狙う。

加えて、セメント系材料のみならず、金属系や樹脂系材料においても、革新的な技術を有する国内外の企業と協業しながら建設工事における3Dプリンタの本格的な導入を目指すという。


参考・画像:日揮プレスリリース
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デジコン編集部

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