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デジコン編集部 2020.11.27

NEC、AI技術×ドライブレコーダーで道路の劣化状況を診断する「くるみえ for Cities」をリリース

日本電気株式会社(以下、NEC)は、ドライブレコーダーで記録した映像や加速度情報をAI技術で分析する道路劣化診断サービス「くるみえ for Cities」の提供を、11月12日から開始した。

クラウド上に送信された映像データと加速度状況を、AIがリアルタイムで分析


「くるみえ for Cities」は、自治体が普段使用しているパトロール車両等に、ドライブレコーダーを取り付け走行するだけで、路面の状況を広範囲かつ効率的に調査することができるという。クラウド型のサービスなので、専用の分析機器などは必要ない。

具体的には、まず走行中にドライブレコーダーが記録した路面の映像と、レコーダーに内蔵された加速度センサーの情報を、NECのデータセンターにモバイル通信でリアルタイムに送信する。

それらの情報をAI技術で分析し、映像からひび割れを、加速度状況から路面の平坦性をそれぞれ把握し、異常や劣化の可能性がある箇所を、地図上に表示していくという仕組みだ。


これにより自治体は、AIによる診断情報や映像をもとに、現場の確認や修繕計画の立案を、効率的に行うことが可能になる。

空港滑走路面にて実証実験を実施。

衛星合成開口レーダを活用し、維持管理・予防保全の実現へ


NECは本サービスの提供開始に先立ち、2020年3月より株式会社南紀白浜エアポート(以下、エアポート)にて、空港滑走路の路面調査及び点検の効率化に関する実証実験を開始。

本実証実験では、路面に残る多数のタイヤ痕や路面上の排水溝など、通常の道路にはない滑走路特有の環境下においても、高精度な調査ができるよう、AIによる分析の性能改善に取り組んでいく考えだ。



さらにNECとエアポートは、空港維持管理業務のさらなる高度化・効率化に向け、これまでの技術実証の拡張として、衛星合成開口レーダを活用したインフラモニタリング技術についても実証実験を行う覚書を11月11日に締結。

衛星合成開口レーダで空港とその周辺エリアを観測し、集計したデータを時系列で比較することで、滑走路面の変動や空港周辺の障害物を検知する技術の実用化に向けた実証実験を進めていくとしている。

加えて、ドライブレコーダーの情報と衛星合成開口レーダの情報を組み合わせることで、路面劣化発生の原因推定や、劣化の進行度合いの分析など、予防保全の実現につながる取り組みを共同で検討していく考えだ。


くるみえ for Cities
https://jpn.nec.com/machimie/index.html
NEX Safer Cities
https://jpn.nec.com/safercities/index.html
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デジコン編集部

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