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デジコン編集部 2022.6.15

清水建設、建設3Dプリント材料を改良。大臣認定取得で構造部材への適用可能に

清水建設は、建設3Dプリンティング用に独自開発した繊維補強セメント複合材料「ラクツム」を改良し、新たに粗骨材を混練したコンクリート材「構造用ラクツム」を開発した。同材は、大臣認定も取得した。

「ラクツム」は、モルタルに合成繊維と混和材を付加した「繊維補強セメント複合材料」で、形状を保持したまま2メートル以上の高さまで積層ができる。

「ラクツム」の積層体は耐久性にも優れており、積層界面が目視で確かめられないほど一体化し、劣化の原因となる水や空気の浸入を助長する気泡と空隙は内部にほとんど生じない。

高強度コンクリートと同等の性能を発揮する調合を実現


しかし、モルタル材である「ラクツム」の積層体はこれまで、建築法規の制約により非構造部材にしか適用できず、例えば、埋設型枠としての活用を想定した場合に、型枠厚さの分、構造体の断面積が大きくなってしまうという課題があった。

今回改良した粗骨材を混練したコンクリート材「構造用ラクツム」が大臣認定を取得したことにより、構造部材への適用が可能になることで、上記の課題を解決する。


大臣認定の取得にあたって、3Dプリンティングに最適化したラクツムの材料特性は保持しつつ、高強度コンクリートと同等の性能を発揮する調合を確立。

さらに、材料押し出し方式の3Dプリンティングシステムについても、粗骨材を含んだ材料をスムーズに押し出せるようにポンプとノズルに改良を施した。

今後は、「構造用ラクツム」を用いて構造部材をプリントするための施工法を確立するとともに、施工現場で実大構造物を直接プリントするオンサイト3Dプリンティングの技術開発を進めていく。


清水建設
https://www.shimz.co.jp/

画像:清水建設プレスリリース
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デジコン編集部

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