応用地質、福岡県篠栗町で土砂崩れ対策実証実験を開始。表層傾斜計センサーで早期検知を目指す

応用地質は福岡県篠栗町と協力し、土砂災害から地域を守る新たな土砂崩れ対策の検討を目的とした実証実験を開始した。

同社が開発した表層傾斜計センサーと土砂ハザードモニタリングシステムを活用し、斜面のモニタリングや土砂崩れの予兆を早期に検知する可能性を検証する。

2026年3月まで8カ月間の実証で危機管理オペレーション高度化を検証

実証実験では、応用地質が開発した表層傾斜計センサーと土砂ハザードモニタリングシステムを篠栗町内に設置・運用する。

これらのシステムにより、斜面のモニタリングや土砂崩れの予兆を早期に検知する可能性を検証し、危機管理オペレーションの高度化を目指している。

実証実験期間は2025年8月1日から2026年3月31日までの約8カ月間を予定している。

篠栗町は実証実験場所の提供とセンサー設置に必要な許認可等手続き、システムの試用及び意見・要望・問題点の提示を担当する。


応用地質はセンサー・システムの無償提供、センサー設置・メンテナンス、土砂災害の予兆に関する情報表示についての検討、新たな危機管理オペレーションの提案などを担当する。

表層傾斜計センサーは斜面に設置して地盤の微細な変動を監視し、土砂崩れの前兆となる地盤の傾斜変化を検知することができる。

土砂ハザードモニタリングシステムでは、センサーから収集されたデータを解析し、土砂災害の危険度を評価してリアルタイムで情報を提供する。

これらのシステムを組み合わせることで、従来の目視点検や定期巡回では発見が困難な初期段階での地盤変動を捉えることが期待される。

実証実験を通じて土砂ハザードモニタリングシステムの有用性を検証し、地域の防災・減災に役立つ新たな土砂崩れ対策の実施を目指している。

近年の豪雨災害の激甚化により、土砂災害のリスクが全国的に高まっている中、この実証実験の成果は他の地域での土砂災害対策にも応用される可能性がある。