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デジコン編集部 2025.8.13

大林組、山岳トンネル掘削でAIによる発破パターン自動生成システム開発

大林組は切羽写真からAIにより地山を評価し、地山の硬軟と形状に応じた発破パターンを自動作成する「ブラストスキルAI」を開発した。

マック、ブレインとの共同開発技術で、熟練技能者の暗黙知をシステム化することに成功している。

30~40%の余掘り量低減効果を現場適用で確認


従来の山岳トンネル掘削における発破工法の穿孔作業は、技能労働者の熟練度に大きく依存していた。

ブラストスキルAIは切羽面の硬軟と形状に応じた発破孔数、孔間隔、穿孔開始位置といった発破パターンを自動で作成する。

システムは掘削する切羽の写真を使用してAIによる地山評価を実施し、学習済みの切羽写真と穿孔データに加えて、適用現場で取得したデータを教師データとして随時追加学習を行う。


AIによる地山評価結果をもとに、大林組が保有する熟練技能者の発破実績ビッグデータの分析結果に基づいた回帰式によって発破パターンが作成される仕組みとなっている。

切羽形状の計測結果に基づき、最適な外周孔角度と穿孔開始位置に座標修正も実施する。

ブラストスキルAIは自動穿孔技術と組み合わせて使用することで、さらなる自動化と生産性向上を実現できる。

現場適用により30~40%の余掘り量低減効果を確認しており、ずり出し時間の短縮と吹き付けコンクリート量の低減を通じて環境負荷の低減にも寄与する。

実績として国道429号道路新設改良工事の榎峠トンネルで適用されており、京都府中丹西土木事務所が発注した工事での効果が実証されている。




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デジコン編集部

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