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デジコン編集部 2025.5.27

イノフィスが福島県の桂建設にアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power」を納品。腰の負担35%軽減で建設現場の身体的負担軽減

東京理科大学発スタートアップのイノフィスは、総合建設会社の桂建設(福島県双葉郡富岡町)にアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power」を納品した。

サポータータイプでは最強クラスの補助力で、重量物運搬や中腰作業での身体的負担軽減に貢献している。

境界杭運搬で1日30本の作業負担を解決。腰痛による欠勤や離職防止で人手不足対策にも効果


建設業は昔から腰痛が起こりやすい職種とされており、重い資材の運搬や中腰・前屈など不自然な姿勢での作業、時には足場が不安定な場所での作業もあり、腰の負担が大きい環境となっている。

これらの負担を軽減するため、作業を機械によって自動化したり、運搬物をなるべく軽量化したり、台車などを使って省力化するなど様々な工夫が現場で行われているのが現状である。

しかし機械が入れられない場所での作業もあり、人間の手で行わなければいけない作業も依然として多く存在している。

また建設業は人手不足が深刻で、腰痛は欠勤や離職の原因にもなり、より一層人手不足を深刻化させているという課題がある。

桂建設は土木工事と建設工事を主軸とする総合建設会社で、土木工事では境界杭(約25kg)の運搬・設置作業を4~5名のチームで1日約30本行っており、長時間の中腰姿勢が作業員の腰に大きな負担をかけていた状況があった。

その結果、腰痛を抱える作業員も多く、欠勤や他メンバーへの負担増加といった悪循環が発生していた実態があった。

中には無理をして作業を続け、長期の休養が必要になるケースもあったという。

同社では現場の近くまでトラックで搬送し人力運搬を最小限に抑えるといった工夫はしてきたが、重機が入れない場所での作業も多く、根本的な対策が求められていた。


このような状況の中で「マッスルスーツSoft-Power」を現場で試用したところ、「腰が明らかに楽になった」という声が多く聞かれ、正式導入を決定した経緯がある。

装着によって無理に作業スピードを上げることなく、自然と作業効率が向上することを実感している状況である。

桂建設の土木部部長大森氏は「現在、建設業界では高齢化や人手不足といった課題に直面している。当社では『新たな建設業』の実現に向け、働きやすく持続可能な職場環境づくりに取り組んでいる。マッスルスーツの導入はその一環であり、体に優しい作業環境の整備に大きな期待を寄せている」とコメントしている。

「マッスルスーツSoft-Power」は、イノフィスの実証実験により腰の負担を35%軽減する効果が確認されており、サポータータイプでは同社比最強クラスの補助力を持つ製品となっている。





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デジコン編集部

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