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デジコン編集部 2025.5.12

ヤプリと安藤ハザマ。建設現場専用アプリ「築造」を共同開発。導入後の労働災害27%減を実現

アプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」と安藤ハザマは、建設現場での安全・品質教育の効率化と情報共有の迅速化を目的とした現場専用アプリ「築造」を共同開発した。

若手社員への技術継承と現場情報の整理に特化したスマホアプリ。約1,700件のダウンロードで現場全体に普及し安全性向上に貢献


建設現場では近年、働き方改革や労働時間削減およびベテラン社員の退職などにより、若手社員への指導機会の確保が難しくなっている。

同時に、ベテラン社員が持つノウハウをいかに継承していくかが業界全体の課題となっている。

安藤ハザマでは、社内イントラネット上に社員が必要な情報を掲載していたが、建設現場で必要となる施工管理のノウハウや安全ルールなどの情報を迅速かつ容易に取得できる環境ではなかった。


これらの課題を解消するために両社が共同開発した「築造」は、現場での実際のニーズに基づいて設計されている。

開発にあたり、安藤ハザマは複数の建設現場を訪問し、若手社員やベテラン社員へのヒアリングを実施。

さらに全現場に対してアンケート調査を行い、現場のニーズを確実に把握するとともに、使いやすいインターフェースなどを徹底的に分析した。

アプリの特長として、まず安全・品質教育に関するコンテンツを動画化し、経験が少ない若手社員でもスキマ時間を活用して知識の習得ができるようになっている。

これらの動画と社内の安全ルールや災害事例を「築造」に集約し、工種ごとに簡単に視聴できるように整理・配置した。

また、シンプルかつ屋外現場でも見やすい、分かりやすい画面構成を実現している。

現場で必要とされる情報を分野別に整理し、幅広い年代でも直感的に必要な情報を取得できるよう設計。

大きな文字と見やすいボタンを配置することで視認性と操作性を向上させ、屋外で手袋をしたままでも操作できるという実用性を確保している。

さらに、プッシュ通知機能によって重要な情報を確実に利用者に伝えることが可能となった。

導入実績としては、現在「築造」のダウンロード数は約1,700件に達しており、これは安藤ハザマのほぼ全ての現場社員が利用している状況である。

注目すべき効果として、現場入場30日以内の技能者の労働災害件数は、「築造」の導入前後の1年間で比較して27%減少したことが安藤ハザマの調査で明らかになっている。



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デジコン編集部

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