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デジコン編集部 2025.4.15

JR東日本。新幹線トンネル検査にAI画像解析を導入。日本初の技術で夜間作業を2割削減

JR東日本は、2025年度より新幹線トンネル検査に「ひび割れ自動抽出技術」と「二時期比較技術」を組み合わせたDXを日本で初めて導入すると発表した。

AIがひび割れを精密に検出し変化を数値化、検査精度向上と保守作業の効率化を実現


この新技術は安全・安定輸送の更なるレベルアップと労働人口減少を見据えた業務効率化の一環として導入されるものである。

鉄道土木構造物は長年の列車通過や気象・環境の影響により状態が変化するため、定期的な検査による安全確認が必要不可欠となっている。

トンネル検査では特に覆工コンクリートの表面に現れるひび割れなどに着目して検査が行われており、前回からの「変化した箇所」を漏れなく発見することが重要とされる。

今回導入される「ひび割れ自動抽出技術」は、富士フイルムのAI画像解析技術を基盤として開発されたもので、新幹線トンネルのひび割れの特徴を機械学習し、高精度で自動的にひび割れを抽出するAIモデルである。


従来は人の目による判断でひび割れを抽出し「変状展開図」を作成していたが、AI画像解析により自動的かつ高精度にひび割れを抽出することで、見落としリスクを低減する。

また、JR東日本研究開発センターが開発した「二時期比較技術」は、異なる時期のひび割れを比較し、変化箇所や変化量を定量的に自動抽出するツールである。

この技術により、新規のひび割れやひび割れの進展箇所を確実かつ数値的に把握でき、経年劣化の状況を科学的に評価することが可能となる。

さらに、新しい変状展開図を日中にあらかじめ確認し、ひび割れに進展があり現地確認が必要な箇所を絞り込むことで、夜間作業時間を約2割削減できるという効果も期待されている。


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デジコン編集部

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