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デジコン編集部 2021.5.17

NEXCO西日本、AI技術で高速道路のひび割れを自動検出

NEXCO西日本とNEXCO西日本イノベーションズが、共同で構造物点検のDX化に向けた独自のAI技術を開発。この技術により、撮影画像から各種変状(ひび割れ・鉄筋露出・はく落跡・エフロレッセンス)を自動検出できるようになった。




技術開発の背景には、高速道路の約5割が開通から30年経過したこと、厳しい環境条件下で橋梁などの劣化が顕在化したことなどが挙げられる。この状況により、政府はインフラ長寿命化基本計画等にもとづく法定点検の実施を決定。点検対象が急増する中で、現有の人員で従来通りの目視での点検を実施することが限界に達した。

そこでNEXCO西日本は点検の更なる効率化を図るため、高解像度カメラで撮影した画像からひび割れ等の変状をAIにより自動検出する技術の開発を進めた。

① NEXCO西日本が管理している高速道路構造物から得られるひび割れ等の画像(ひび割れ1万枚、その他の変状3万枚)を収集



NEXCO西日本グループの点検スペシャリストが、画像内の変状箇所を特定


③変状箇所の画像特徴をAIが学習

④画像内のひび割れ等をAIが自動検出



今回の技術では、ひび割れの自動検出が検出率95%、的中率95%を達成。その他の変状(鉄筋露出・はく落跡・エフロレッセンス)の自動検出は、検出率93%、的中率57%であり、精度向上に向け改良中とのことだ。




NEXCO西日本 は今後、鉄筋露出・はく落跡・エフロレッセンスの自動検出の的中率の精度向上や、ひび割れ等の自動検出結果から橋梁の健全性を自動で診断するプログラムの開発等、機能の拡充を目指すという。



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