DJIが航空LiDAR Zenmuse L3を発表。最大950メートルの測距で1日最大100平方キロメートルをカバー

民生用ドローンとクリエイティブカメラ技術の世界的リーダーであるDJIは11月4日、航空LiDARペイロードDJI Zenmuse L3を発表した。

1535ナノメートル波長を利用した長距離LiDARを備え、反射率わずか10%の物体に対しても最大950メートルの測距を可能にする。

デュアル1億画素RGBカメラと高精度POSシステムを搭載し、1日で最大100平方キロメートルのエリアをカバーする。

垂直精度が大幅に向上し1対500、1対1000の縮尺マッピングに対応

Zenmuse L3のLiDARシステムは、周囲光100キロルクスおよび反射率10%の対象物という条件下で、パルスレート100キロヘルツ時に最大950メートルの検知範囲を達成している。

このパルスレートは調整可能で、測量を行う現場に合わせて、柔軟な出力設定を行い、適切に調整することができる。


自社開発のLiDARは、150メートルで5ミリメートルの測距再現性を実現し、マイクロ秒レベルの時間同期に対応。

垂直精度が大幅に向上したことにより、計測高度120メートルで3センチメートル、300メートルで5センチメートルを達成し、1対500、1対1000の縮尺でのマッピングプロジェクトに対応できる。


レーザービームの発散角がわずか0.25ミリラジアンなので、送電線や枝などの小さな物体も正確に検出することができる。同じ距離でのスポットサイズは、Zenmuse L2の約5分の1となる。

デュアル1億画素カメラで飛行高度100メートルからGSD1センチメートルを達成

デュアル1億画素4/3型CMOS RGBセンサーとメカニカルシャッターを搭載したZenmuse L3は、高い精度と効率化を実現する。飛行高度100メートルでも、地上画素寸法1センチメートルを達成できる。


さらに、デュアルRGBマッピングカメラは、最大107度の水平視野角を実現しており、各撮影でより広い範囲をカバーできる。

最大16回リターンで密林や都市環境の地形マッピングに優れた透過性を発揮

1秒間に最大200万点のレーザーパルス発射頻度や最大16回までのリターンに対応し、高精度な空間再現が可能である。

大幅なハードウェアの改良により、Zenmuse L3は、精度と複数スキャン角度のバランスを両立する米印形スキャンモードに対応した。

この透過性能は、密林や都市環境などの地形マッピングに特に有効で、より多くのグラウンドポイントを高い完全性で取り込むことで、グラウンドデータの精度と完全性を大幅に向上させ、精密なモデル再構築に貢献する。